ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)とは、イタリアを代表するラグジュアリーファッションブランドである。
イタリアのブランドなので「ドルチェ・エ・ガッバーナ」と発音されるのが本来であるが、イタリア語に馴染みの薄い日本国内ではもっぱら「ドルチェ・アンド・ガッバーナ」と読まれることが多く、日本法人も社名を「ドルチェ・アンド・ガッバーナ・ジャパン株式会社」としている。
概要
ドメニコ・ドルチェが職を求めて服飾デザイン事務所に電話した際、偶々ステファノ・ガッバーナが対応したことで出会い、後に同じ職場となったガッバーナがドルチェにデザイン事務所でのデザインのプロセスからデザイン画の描き方まで何でも教えた。ガッバーナの徴兵期間終了後、彼らは共同でデザインコンサルタント事務所を開設。開設当初、同じ事務所なのに請求書は別々に出していたが、経理担当者の提案で、2人まとめて作成するようになる。それ以後2人はクライアントに、「ドルチェ・アンド・ガッバーナ」と連名の請求書を発行するようになり、その時の連名が現在のブランド名となった。
当初、彼らのコレクションは評価されなかったが、第4回コレクションではドルチェの出身地シシリアのルーツを取り入れた。さらに、写真家のフェルディナンド・シアナによってシシリアで撮影された、1940年代のイタリア映画の雰囲気を取り入れたモノトーンの写真を用いた広告キャンペーンはイタリアファッション市場に大きな衝撃を与えた。そして、彼らのデザインしたドレスの一つが後にハル・ルビンスタインによって「シシリアン・ドレス」と名付けられ、代表作とされた。
その後はニットウェアライン、ランジェリーとビーチウェアのデザイン、メンズコレクションを次々と発表・開始。1991年に行ったメンズコレクションはウールマーク・プライズを受賞。更に、1990年に行われた『カンヌ国際映画祭』にて、映画「Truth or Dare」プレミアム試写会にてMadonnaが着ていた、宝石をふんだんにあしらったコルセットとジャケットをきっかけに国際的に高い評価を得る。後にMadonnaとは「The Girlie Show Tour」でも衣装デザインを担当している。1994年には若者を対象としたセカンドライン「D&G」を立ち上げ、映画『Romeo + Juliet』の衣装デザインを担当。その後も様々な映画に関わっていく。
1989年にはオンワード樫山と契約を結び、日本にも進出。1992年からはフレグランス分野にも進出。初の香水である「Dolce & Gabbana Parfum」で1993年Perfume Academyレディース部門ベストフレグランス賞を受賞。1995年にも「Dolce & Gabbana Pour Homme」でPerfume Academyメンズ部門ベストフレグランス賞を受賞。だが、この時にアメリカンマフィアをイメージしたコレクションを発表したため、イタリアとアメリカで物議を醸しだした。
2000年以降もMadonnnaやMissy Elliott、Beyonce、Mary J. Bligeらのワールドツアーの衣装デザインを担当。ここは今までの経歴から続いている仕事であるが、彼らはサッカー界からの影響も多大に受けるようになる。2003年、主に世界のトップクラスのサッカー選手をテーマとしたメンズラインを発表。この発表は他の分野のアーティストにも影響を与えた。2012年、D&Gはドルチェ&ガッバーナと統合し、主要ラインを強化。D&G最後のコレクションは2011年9月に開催された2012春夏コレクションであった。
プライベートでは2005年までドルチェとガッバーナは恋人同士であった。
中国と折り合いの悪いブランド
何を隠そうこのブランド、中国では二度、騒動を起こしている。1回目は2011年12月の出来事。香港九龍尖沙咀にある海港城店を通りすがりの香港人が撮影しようとしたところ、警備員に店舗は私有物という理由で阻止された。それを聞いた蘋果日報記者が2012年1月、実際にドルチェ&ガッバーナの撮影を敢行したところ、警備員が看板とショーウインドーの商品に知的所有権があると主張して妨害に遭い、一方で中国本土からの客は例外扱いにしていることを発見。流石に記者は「公道でを撮影することに何ら問題はない」という法律家の言葉とともに、香港人への不当な扱いとして報道。その結果、多くの香港人が海港城店に押し寄せては店をバックに撮影しまくる事態に。これに反省したのか、ドルチェ&ガッバーナ本社は2012年1月18日になって謝罪文を発表。
それから時を経て2018年11月。同社は中国・上海でコレクションショーを予定していた。しかし、この時に公開したコマーシャル動画が人種差別的であると批判が高まり、11月21日にショーの中止を発表し、デザイナー二人が関係者に謝罪した。その内容というのが東洋人モデルがピザなどのイタリア料理を箸で食べにくそうに格闘する姿を映したもので、ナレーションもその事を揶揄する内容であった。しかも、ガッバーナがSNS上で講義してきたユーザーに対して「中国は無知で汚くて臭いマフィアだ」「今後全ての国際的なインタビューでは中国はクソ(排泄便の絵文字連打で表現)の国だと説明するね」などと返信していたことが発覚。これに中国人が怒らないわけがなく、招待された中国セレブリティやモデルが次々と出席(出演)拒否、中国のECサイトからD&G製品が削除されたり、空港で製品が撤去されたりするなどの国際問題に発展。その後、ドルチェとガッバーナは改めて謝罪動画を公開。
関連動画
関連商品
関連項目
- 8
- 0pt