ドルフ・ラングレンとは、スウェーデンで発見された不発弾出身のアクション映画俳優・監督である。身長198cm、体重108kg。極真空手有段者かつ高学歴かつイケメン→渋いオヤジというチート人間である。
25年間の俳優業を経てスクリーン上で天誅を下した悪党(時々善良な市民)の数は632人に及ぶ。これは、ハリウッドのみならずアクション映画史上に特質する記録である(後述)。
概要
日本での愛称は「人間核弾頭」並んで「不発弾」。極真空手の有段者であり大山倍達をして「スウェーデンの若鷹」と評される。全盛期には二本の氷柱を左右から振り降ろす手刀で同時に叩き割るなどといったデモンストレーションを見せている。
またIQ160の頭脳をもち学生時代は科学を専攻、マサチューセッツ工科大学に入学。それに加えて英語、ドイツ語、フランス語、日本語を話せる。(ただし、訛りはキツイ)しかし、科学は不向きと悟って大学を中退。俳優を志し現在に到る。
以上の人間チートぶりの割りにB級映画俳優としてストイックに活躍する姿が強烈なギャップをかもし出しており、「マサチューセッツ&極真製ハリウッド発テレビ東京行き核弾頭(不発弾)」とギンディ小林を中心にネタに愛されている。
出演する映画の傾向
主演する作品は、アクション映画の中でも総じてB級映画が9割以上を占める。A級映画の場合はほとんどが悪役としての出演が多く、いずれも強烈な印象を残している。
スタローン主演の『ロッキー4』で演じたドラゴは、冷酷な性格をしたソ連出身のボクサーとして、ヴァンダム主演の『ユニバーサル・ソルジャー』では人間の耳を収集する狂気の軍人を、キアヌ・リーブス主演の『JM』ではビートたけし演じるヤクザの雇ったカルト宗教の教祖兼殺し屋などを演じている。
しかし、本人は悪役俳優のレッテルを避ける上に、B級映画でも主演としての出演に拘ったことが現在のB級映画界のカリスマというポジションを形成した切っ掛けとなった。
近年は主演を兼ねて監督としても活躍している。自営業ともいう。
演技下手との評価がありB級資本に身を落とした要因という評価もあるが、言語の訛りは彼に限った話ではなく、長年のキャリアで様々な役型に意欲的に取り組んでおり、“それなり”に演じ別けている。
作品の評価(あくまで一例)
日本のインターネット上では『リトルトウキョー殺人課』の評価が抜きんで高い。故ブランドン・リーとの共演、『コマンドー』のマーク・L・レスター監督による大味ながら印象的なアクション、ジョークを交えた演出。加えて、日本に対する間違った認識が散見され、それをドルフ演じるケナー刑事が真剣な表情で解説する。そのギャップは強烈なモノであり爆笑するしかない。劇中ラストで登場する彼の勝負服は早速日本人に似合うシロモノではなく「逆に似合ってる。」と言わしめるほど強烈な存在感である。
海外ではカートゥーン『HE-MAN』の実写版『マスターズ:超空の覇者』での初主演のイメージも強く「ドラゴに次いでネタにされている」と本人が公言している。『HE-MAN』は日本国内でこそ知名度は低いが、世界的にヒットした米国を代表するカートゥーンなのだ。
日本では『HE-MAN』での興行は困難であったために主演2作目の『レッド・スコルピオン』が初主演作として公開され、好評を博している。
つづく『パニッシャー』では人気アメコミの冷酷な私刑人を怪演。後の『レオン』を彷彿とさせる冒頭の手早いマフィア皆殺し、下水道内で全裸にて瞑想する姿は「狂気を孕んだパニッシャー」を最も忠実に演じている。しかし、パニッシャーのトレードマークである髑髏マークが排除されおり原作ファンから総スカンを受ける。これはラングレン本人が髑髏マークを拒んだと言われているが、実際は現場スタッフの意向であり映画のストーリーや脚本はパニッシャーの私刑人という位置づけ以外は原作を尽く無視していた。『マスターズ』では英語の訛りを除いてはHE-MANに忠実であり、本作においては髪を黒く染め無精髭を生やすなど役作りには相当こだわっており、「スタッフの用意した衣装の出来は良かったが、髑髏の衣装を着れなかった事には残念だった」と回想している。
このあたりから、B級映画俳優として地位築く事となりあの『リトルトウキョー』に出演するに到る。
『ユニバーサル・ソルジャー』ではヴァンダムと対決、ドラゴとは全く印象の異なるクレイジーな軍人のサイボーグとしてヴァンダムと死闘を演じカルト的な人気作となる。2009年、製作された続編『機動戦士ヴァンダム 逆襲のドルフ』『ユニバーサルソルジャー:リジェネーション』では、前作で倒されたため記憶喪失状態で復活するが、記憶が無くてもなお殺戮を続けてしまうどこか哀愁の漂う役柄で、劇中の中ボスとしてヴァンダムの前に立ちはだかる。
例外として『JM』では、後半から登場し、猟奇的な殺人鬼を演じる。(キアヌ・リーブスと本格的な格闘シーンが予定され出番も多い予定であった為にこの役を快諾していたとされるが、キアヌが「ドルフと戦いたくない」として格闘を拒否、大幅に出番が減ったという噂があるが情報源は不明。もしこれが本当ならCGを駆使してキアヌをヒーローにし、肉体派俳優の多くをスクリーンから放逐する形となった『マトリックス』の大ヒットといい、屈辱的なエピソードである。)
90年代後半は、『JM』の興行的失敗に加えて監督に恵まれなかったものの、以下の作品が無難な評価を受けている。
- スナイパー/狙撃 (アクション映画の中では結構真面目にスナイパーを扱っている、地味ながら良作。押井守も大好き)
- ピース・キーパー (テロリストに占拠された核ミサイル基地に孤立無援状態で潜入する。反核兵器をテーマとしており1年早く『メタルギアソリッド』を先取りした傑作。冒頭のカーチェイスは圧巻である)
- ブラックジャック (ジョン・ウー監督のボディー・ガード物。トランポリンで跳躍しながら二丁拳銃をぶっぱなすドルフくんに注目)
- スウィーパーズ(作品自体の評価は低く、彼のアクションも生かされていないが爆破シーンの強烈さが再評価されている)
映画監督として
映画監督として、DVDセール向きの自身主演の低予算アクション映画を世に放っており、初期の3作『ディフェンダー』『レッド・リベンジャー』『バトルライダー』は日本でもリリースされており「つまらなくもないが面白くもない」と微妙な評価であった。しかし、『レッド・コマンダー』『ザ・リベンジャー』の二作では監督としてのセンスが開花しており、傑作バイオレンスアクションの評が多く寄せられている。
リアリティーに拘った残酷描写も散見されるのだが、この残酷シーンをやり過ぎず、避けすぎず絶妙な匙加減で男の本能を刺激するアクション映画のスパイスとして最大限に活かしており、他ドライな演出を多様、低予算市場ながらハードボイルドアクションの現役監督として再評価が高まっている。現在スティーブン・セガールとの共演企画を進行しており期待が高まっている。
ラングレンが生き残った理由
多くの肉体派アクション俳優が90年代後半から低迷期に入ってしまう。スタローンやヴァンダムもB級映画の出演が常となりこの状況から抜け出すべく迷走する事となる。
しかし、ラングレンの場合はドラゴとHE-MANの印象を払拭するための迷走からキャリアが始まっている為、B級資本でのサバイバル術を体得していたものと思われる。
また、チャック・ノリスが例にあるようにB級である事がネタにされかえって彼の個性となっており、期待の大作『エクスペンダブルズ』においてはスタローン監督・主演作にドルフ・ラングレン参加。「B級アクション祭」に!と、「期待の超大作」から「B級アクション祭」に前評が変わっており、「ドルフ=B級」という彼への、最大級のジョーク賞賛と言うべき報道がなされた。
また、本人もそれを把握している開き直ったかのように自虐ネタを披露する事もあり上記の『エクスペンダブルズ』の来日時には「スタローン監督があなたを起用した理由は?」と聞かれれば「ギャラが安いから」と切り替えし、「自分の出てる作品に関しての質問は面白い作品だけにしてくれ。まあ、そうなると3本しか無いんだけどね」と自分の監督作数よりも少ない数字を引き出し、「俳優よりも空手家としての来日経験のほうが多い」等、フリーダムな事になっている。それ以前にも米国のコント番組やCMにおいて出落ち要員でゲスト出演などもしている。
ただし、これらはあくまで開口一番のジョークの話であり、インタビューの本題には真面目に答えているは留意すべきである。
再評価:映画史上最強のアクション俳優説、浮上
以上の経歴からネタにされやすい彼であるが。25年間B級映画に出続けた結果スクリーン上で、632名の人間を抹殺していたことが近年発覚した。この数字は、『エクスペンダブルズ』の出演俳優の中でも突出した数字であり二番目に多いシルベスタ・スタローンでさえ340人、カメオ出演であるアーノルド・シュワルツェネッガーの512人と比較しても100人以上の差が空いている。同じくB級映画にコンスタントに出演を続け最強説の根付い良いスティーブン・セガールが523名、逆に3度も殺されているジャン=クロード・ヴァン・ダムが365名である。他、有力視されていた歴代のアクションスターでは、クリント・イーストウッド=311名、故チャールズ・ブロンソン=350、ジャッキー・チェン=211。日本最強候補である故・勝新太郎=324。世界最強であるチャック・ノリス=348人+大魔王(?)。輝かしい功績を残したアクション俳優たちでさえ、彼の記録に太刀打ちする事は今後困難である。しかし、そんな怪物ドルフを凌ぐ俳優が存在していた。チョウ・ユンファである。ユンファは、現在まで658人の悪党を射殺している。しかし、ユンファは現在アクション映画の出演に苦言を呈しているとされる、一方で職人業の如くアクション映画に主演・監督を拘り続けるラングレンがこの記録を追い抜く日が来るのは想像に難くない。
逸話
名言
- I must Break you [お前を潰す!/ぶっ潰す!]・・・『ロッキー4』より、以降氏の決め台詞となる。
- [シンプルな炭水化物が好みだ]・・・『ドルフ・ラングレンのハイパートレーニング』より、果実・グラノラ・マフィンを指して。
- 『リトルトーキョー殺人課』の日本語と解説の全て
ラングレンをモデルとしたキャラクター
関連動画
*NostalgiaCriticはこの動画以外でもスウェーデン訛りの怪優と言う触れ込みでドルフを幾度かネタにしている。実はファンの可能性もある、というか彼をネタにして笑いを取れると思っているのは彼のファンぐらいのものである。
関連商品
関連コミュニティ
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関連項目
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