ナックル星人とは、「帰ってきたウルトラマン」に登場する宇宙人である。別名「暗殺宇宙人」。
概要
登場は37話「ウルトラマン夕日に死す」と38話「ウルトラの星光る時」である。
地球侵略に際して、邪魔な存在であるウルトラマンジャックとMATの壊滅を狙う宇宙人。ナックル星人自身はさして戦闘能力が高くない為、戦闘など荒事は主にブラックキングが担当する。普段は宇宙電波研究所の所長に偽装しており、複数の部下を従えている。
人間体は「ウルトラセブン」で第四惑星のロボット長官も務めた成瀬昌彦氏である。
後にウルトラマンメビウスの映画「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」にも登場。悪辣さはそのままにウルトラ兄弟を追い込み、そして野心をもむき出しにしたが、所詮はヤプール人に利用されていたにすぎず、Uキラーザウルス・ネオによって殺された。このときは人間体を見せず、フリーザ様やポロリでおなじみの中尾隆聖氏が声を演じた。
「ウルトラマンX」では第5話にて別個体であるバンデロが登場。エックスやXioが活動する地球のスパークドールズを狙う死の商人として現れた。こちらも用心棒としてブラックキングを雇っている他、キレのある格闘と銃撃を得意とする中々の手練れ。
「ウルトラマンオーブ」では第6話にて惑星侵略連合のメンバーで「ナグス」という個体名で登場している。ジャグラスジャグラーと怪獣カードをトランプ代わりに使ったポーカーと占いをしており、その都度に突っかかるが悉くあしらわれている。ブラックキングのフュージョンカードを持っていたが、オーブを抹殺するために断りもなくメフィラス星人ノストラがジャグラーに貸し与えた事を不満に漏らしていた。その後、ノストラの命令によりジャグラーを銃殺して魔王獣カードを奪い取ったが、ベムスターのフュージョンカードで守られていたため致命傷には至らず、円盤に帰還した直後にジャグラーに背後から斬られて死亡した。
「ウルトラマンタイガ」では10話にてナックル星人オデッサと呼ばれる個体が登場。
詳しくは後述。
汚いなさすがナックル星人きたない
前述の通り戦闘能力こそ高くないが、それを補うかの如く奸智に長け、ウルトラマンジャックやMATを徹底的に追い込んだ。これまでもウルトラマンジャックはメンタル的に、MATは「解散!」的な意味で劣勢に立たれる事はあったが、ナックル星人との戦いほど絶望を思わせるものはない。以下にその作戦を並べる。
- ウルトラマンジャックの戦闘能力を図るため、シーゴラスやベムスターなどの怪獣を出現させて戦わせた。その後、得られたデータをもとにブラックキングを鍛え上げた。
- ブラックキングによる陽動の隙に、マッチ箱1つ程度で富士山を吹っ飛ばせる液体火薬「サターンZ」をナックル星人の部下が強奪。
- ウルトラマンジャックを精神的に揺さぶる為に、恋人のアキを誘拐。
- MATに対し、サターンZを盾に降伏を呼び掛けるとともに電波妨害を行い、基地機能を無力化。さらにナックル星人の船団を使って地球防衛用の宇宙ステーションを破壊。
- 宇宙電波研究所に潜入したMAT隊員を洗脳、唯一洗脳されなかった丘と郷を処刑しようとした。
順当にいけば少なくともMAT壊滅はできたであろう。まさに死角なしと言う具合であり、作戦に穴がない。
トラウマ回の所以
しかし、ここまで印象的であるのは、郷秀樹の家族同然であった坂田兄妹の死と絶望感に満ちた戦い故であろう。
ウルトラシリーズにはノンマルト回や、本作ではムルチ回など鬱回が結構見られるが、身内同然の人間の死と言うトラウマさえ植え付けてしまう鬱展開はそうそうない。
ウルトラマンジャック=郷秀樹の精神を乱す為には坂田アキの存在が利用できると結論付けたナックル星人は、たまたま腕時計が壊れた郷の為に新品を買いに行っていたアキを路上にて誘拐、それを止めようとした坂田を車ではね、さらに逃げようとしたアキは体勢を崩して車に引きずられる形となってしまった。結果、坂田は死亡。アキも瀕死の重体となり、郷に誘拐犯の正体を伝えて息絶えた。
ナックル星人としてはアキだけを人質にする作戦であったのだろうが、結果的には坂田兄妹が死亡してしまう事となった。郷は悲しみと怒りの中でブラックキングと対峙。しかし、嵐の海の如く荒れ狂う精神では思うように力が発揮できず、手持ちの光線技もウルトラブレスレットも通じない。そして止めを刺すかのように登場するナックル星人との2対1の戦い。ウルトラマンジャックに与えられる太陽エネルギーも弱りゆく夕日の中では不足していた。視聴者が「もうやめて!とっくにウルトラマンジャックのライフはもう0よ!」と叫ばんばかりの展開であった。
初期の未熟な面は消え、怪獣との戦いにおいても他のウルトラマンと同等の無双を誇っていたウルトラマンジャック。しかし、ブラックキングとナックル星人にフルボッコにされ、力尽きた後に処刑の為に磔にされた姿に多くの視聴者は絶望を覚えた事であろう。
その最期
処刑寸前にウルトラマンとウルトラセブンによって救出されたウルトラマンジャックはリベンジ戦に打って出る。再び2対1に劣勢に出るも、MATの援護を得たウルトラマンジャック。冷静さを取り戻し、絶対負けられないという決心の中で徐々に形勢を逆転。そして自らの必殺技で倒せないブラックキングをスライスハンド、所謂手刀で首を刎ね落とし、ナックル星人はウルトラ投げで頭より落下。星人は今際にサターンZでの東京壊滅を言い残し、死亡した。
ナックル星人オデッサ
※この項にはウルトラマンタイガ第10話のネタバレが含まれています。
「ヒロユキ君。君に出会えて、本当に良かった……」
ウルトラマンタイガにて登場したナックル星人の1人。
かつては夕映えの戦士の異名を持ち、他の同族と同様に戦闘種族として多くの屍を築いてきた戦士だった。
だが半世紀前、1人のウルトラマンによって破れた彼は誇りを喪失。
戦いから離れ、タイガの舞台となる地球で人間・小田として数十年に渡り過ごしてきた。
その過程で美しい自然や愛に触れ、かつての戦士としての性格は鳴りを潜めていった。
主人公のヒロユキとも旧知の仲であり、彼にとっては悩みを打ち明けられる大切な存在であった。
そんな彼であったが、実際には心の底ではかつての敗北の記憶を忘れることができずにいた。
そこをウルトラマントレギアに突かれ、抑えきれなくなった彼の闘争本能を感じ取った相棒・ブラックキングを目覚めさせてしまう。
オデッサは何とか相棒を止めようとするものの叶わず、ウルトラマンタイタスによってブラックキングは倒されてしまう。そして更にはそのウルトラマンに変身していたのがヒロユキであることも知ってしまった。
オデッサはヒロユキに己の過去を語った後、彼に果たし状を送りつける。
それには自分と今まで親しくしてくれたヒロユキに対する感謝と、そんな彼を悲しませることがわかっているにも関わらず、戦いの道を選んでしまったことに対する謝罪が記されていた。
最後は夕日の中、ヒロユキが変身したウルトラマンタイガと激突。
互角の戦いを繰り広げるも、最後はフォトンスアース形態となったタイガのオーラム・ストリウムを受けて敗北、爆散した。
その他
- ブラックキングはウルトラマンジャックのありとあらゆる必殺技を封じ、圧倒的な強さがあるにもかかわらずスライスハンドという徒手空拳で倒されたのだが、ウルトラマンジャックがこれを会得する特訓シーンがあったとされる。ウルトラマンジャックがウルトラマンとウルトラセブンに敬礼するシーンの前にあったウルトラセブンの不自然なアクロバットアクションは、その(没になった)特訓シーンの名残と言われている。
- 宇宙電波研究所を始めとしたいくつかのシーンは横浜市にある「こどもの国」で撮影されている。宇宙電波研究所であった建物こそ現存しないが、サターンZの奪われたトンネルなどは今でも残っている。こどもの国はウルトラシリーズではおなじみの撮影場所である。
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