――「ナポレオン -獅子の時代-」1巻より
「ナポレオン -獅子の時代-」、「ナポレオン -覇道進撃-」とは、著者:長谷川哲也、考証:兒玉源次郎によるマンガ作品である。
「獅子の時代」は少年画報社の月刊漫画雑誌『ヤングキングアワーズ』にて2011年2月号まで連載、全15巻。ブリュメールのクーデター以降を描いた「覇道進撃」は現在、同じく『ヤングキングアワーズ』にて2011年3月号から連載中。単行本は2024年2月現在既刊26巻。
概要
ナポレオン・ボナパルトを主人公とした歴史漫画。冒頭で歴史上に残る大会戦アウステルリッツの戦いを描き、そこから彼の生誕までさかのぼって描かれる。彼の生涯を取り扱った作品は多数あるが、長谷川哲也は「北斗の拳」などで有名な原哲夫のアシスタントをしていたこともあり、劇画調の絵柄には色濃くその影響が見受けられ、他のナポレオン漫画にはない『男の浪漫の世界』が遺憾なく発揮されている。
さらに池田理代子のファンであり、「栄光のナポレオン-エロイカ」を作品作りの際に参考にしていると公言しており、少女漫画のような繊細さと創作性をも持ち合わせる個性豊かな歴史漫画作品に仕上がっている為、熱狂的なファンが多い。
ただし全体的に演出が優先され、史実と異なる点が多々あるフィクション漫画であることを忘れてはいけない。[1]
これで勉強をすると受験生の諸君は少々痛い目を見ることがあるかもしれない。
資料を横に置き、見比べることでより一層の楽しさを提供してくれる漫画となるだろう。
登場人物
主要人物
- ナポレオン・ボナパルト(声:杉田智和)
- 本作の主人公。はじめはフランスへの復讐を考えていたがパオリとの決別後はそれを捨て、自らの才覚で過去の英雄のように大部隊を指揮することを求めて躍進していく。出世するにつれて政治の舞台にも立つこととなり悪戦苦闘することに。
- ある事件がきっかけでロベスピエールの色眼鏡を受け継ぐこととなる。
- ロベスピエール(声:銀河万丈)
- 要するに、
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- ジャコバン独裁を代表する人物で、同志であった左派のエベール派、右派のダントン派をも切り捨て革命を推進するが、最後は処刑を恐れるバラス、フーシェ、タリアンらの動きで議員に動揺が広がり、テルミドールのクーデターで自らも処刑されることに。
- ビクトル
- ある意味裏の主人公ともいうべきオリジナルキャラクター。はじめは処刑人サンソンのもとで働いていたがシャルロット・コルデーの処刑の際ひっぱたくパフォーマンスで首にされ、トゥーロンでの戦いからナポレオンのもとで兵士として働く。
- 様々な著名人と出会うなど狂言回しの役割であり、一般兵でありながら上層部にも疫病神などと認知されている。
- ジョゼフィーヌ(声:浅井晴美)
- ナポレオンの妻。浮気性で浪費家だが、ナポレオンが出世するにつれて子ができないことに悩まされるように。
フランス軍人
- ジュノー(声:関幸司)
- ボナパルト家がフランスに逃げてきた際住もうとした家の先住者。ほとんど言葉を発しない無口な性格。ナポレオンの妹ポリーヌに惚れナポレオンの部下になる。
- ジャコバン政権崩壊時にはナポレオンを支えるなど古くからの友であるが、彼が出世するにつれて次第に溝が生じていく。
- マルモン
- トゥーロン攻囲戦で部下になる。上官を選び上官殺しさえするほどであったがナポレオンに心服する。
- ナポレオンの旗下では古参の一人だが、彼が出世するにつれて次第に溝が生じていく。
- マッセナ(声:高階俊嗣)
- トゥーロン攻囲戦で援軍として登場したのが最初。幼少期の経験からか物欲が強い。
- イタリア編以降要所要所で一軍を任され活躍し、皇帝即位時の元帥の一人となる。「お誕生日会」の流れ弾で隻眼になる。
- ルクレール
- トゥーロン攻囲戦で援軍として登場したのが最初。ナポレオンの妹ポリーヌと結婚するが、ナポレオンの彼への期待と浮気性のポリーヌへの制裁からハイチに送られ、無事成功させポリーヌへの愛を勝ち取ろうとするも黄熱病にかかり死亡。
- ウジェーヌ
- ジョセフィーヌの前夫の息子。熱血な性格だが、母の浮気への反発から自分をマゾヒストともいえるほどの逆境に追い込みたがる。
- ミュラ(声:成田剣)
- 失脚中のナポレオンの本屋に訪れたのが最初。目立ちたがりの伊達男。
- ナポレオンの妹であるカロリーヌと結婚し、皇帝即位時の元帥の一人となる。
- ベルティエ
- ミュラと同じときにナポレオンの本屋におり孫子の兵法書を買っていくが、イタリア編で再登場した際にはミュラと違い忘れ去られていた。
- 参謀にまわる官僚的な軍人で、自分の仕事を初めて認めてくれたナポレオンに心服し、皇帝即位時の元帥の一人となる。
- 愛人関係にあるビスコンティ夫人には祭壇を設け礼拝をするなどもはや宗教的な感情を持つ。
- オージュロー(声:千葉繁)
- イタリア方面軍の師団長として初登場。露出度の高い独特のファッションセンスと強い訛りが特徴。
- フリュクチドールのクーデターには実働部隊を任されるなど活躍し皇帝即位時の元帥の一人となるが、ジャコバン派のため旧体制と妥協を始めたナポレオンに多少の反感を持つ。
- ベシェール
- イタリア遠征から登場し、元は床屋出身。騎兵でありナポレオンの護衛にまわることが多い。若干オージュローとビジュアルがかぶる。
- 皇帝即位時の元帥の一人。
- ランヌ
- イタリア編から登場し、禁欲的な一方勇猛な人物。回を追うごとにイケメンになってる気がする。
- ナポレオンとはお互いに認め合う友人であり、皇帝即位時の元帥の一人となる。
- ベルナドット
- イタリア編末期に登場する。不満を小声でつぶやき続けるなど非常に陰湿な性格。後書きにもある通り後々スウェーデンですごいことになるのに大丈夫なのだろうか。
- どちらかというと反ナポレオン側の人間だが、皇帝即位時の元帥の一人となる。妻はジョセフィーヌとの結婚で関係が途切れたかつてのナポレオンの恋人デジレで、そのこともあって複雑な立場に。
- トマ=アレクサンドル・デュマ
- イタリア編から登場する、ムラートの巨漢。作家のデュマの父親。
- エジプト遠征の際兵士の扱いからナポレオンを批判し帰国するも、その途中で捕まったナポリ王国に2年間監禁され、毒を盛られて衰弱する。
- クレベール
- エジプト遠征に参加する。豪快で有能な人物だが、次第にナポレオンの方針に反感を抱き、ナポレオンもその二面性に危惧を感じていた。
- ブリュメールのクーデターでナポレオンがエジプトから脱出した際東方遠征最高司令官の座を押し付けられ孤軍奮闘することとなるが、ドゼーが亡くなるその日に暗殺者の凶刃に倒れた。
- ドゼー
- エジプト遠征に参加する。温和な人物だが人一倍承認欲が強い。
- エジプトから駆け付けたマレンゴの戦いで人知れず戦死するも、彼の部隊の活躍が勝利を導くことに。
- ダヴー(声:大羽武士)
- 通称「不敗のダヴー」。アウステルリッツの戦いの際に登場したが、本格的な出番はエジプトでのドゼーの部下から。
- 皇帝即位時の元帥の中で最年少だが若ハゲ。ナポレオンの妹ポリーヌの夫のルクレールの妹の夫、という形で一族の一員となっている。
- ヴィルヌーヴ
- アブキール湾の海戦でブリュイら友軍がネルソンのイギリス海軍に壊滅された際一船だけ脱出したのが最初の登場。
- その後彼の判断がトラファルガーの海戦での敗北を導き、捕虜から解放された後謎の死を遂げた。
- ネイ
- 「覇道進撃」の1話での「お誕生日会」で唐突に登場したがその後出会いから描かれた。
- 特にナポレオンの旗下にいたわけでないが、皇帝即位時の元帥の一人となる。勇敢さを美徳とするが、悪く言えば馬鹿なのを自他ともに認めている。
- スルト
- アウステルリッツの戦いの際に登場したが、本格的な出番は「覇道進撃」から。
- 軍籍を離れパン屋で働いていたがカドゥーダルの暗殺計画の捜査から復帰し、皇帝即位時の元帥の一人となる。出世するにつれてマッセナ以上にどん欲な性格があらわになっていく。
フランス政治家
- ブーリエンヌ
- ナポレオンの幼年学校での幼馴染。のちに再会し彼の秘書となる
- サン・ジュスト
- 国民公会議員でロベスピエールの同志。ナポレオンを評価していたがテルミドールのクーデターで失脚し、処刑された史実とは異なり一人脱出に成功し革命の亡霊として暗躍する。
- フーシェ
- 国民公会議員だがカリエ処刑の際リヨンで同様の虐殺を行っていたために処刑を恐れ、バラスやタリアンを焚き付けテルミドールのクーデターの要因となった。
- その後バラスの密偵となるもタレイランへの対抗から警察長官として政界に復帰し、ナポレオン政権下でも依然情報を集めて裏で動いている。
- バラス(声:郷里大輔)
- 国民公会議員だがカリエ処刑の際トゥーロンで同様の虐殺を行っていたために処刑を恐れ、フーシェに焚き付けられる形でテルミドールのクーデターの要因となった。その際クートンの自爆に巻き込まれて顔の包帯と義手という姿になる。
- 総裁政府の中心となりナポレオンの庇護者となるが、ブリュメールのクーデターで失脚する。
- カルノー
- 革命期にフランスの軍制改革を進め、ナポレオンを高く評価する。厳格な共和主義者。
- フリュクティドールのクーデターで独自の脱出機構やオージュローとの互角の決闘の末に失脚するも、ブリュメールのクーデターの際呼び戻される。
- タレイラン
- 貴族出身の元僧侶で外相として活躍する。ナポレオンからはタイユランと呼ばれる。
- 亡命から戻ってきた際スタール夫人の紹介でナポレオンに接近し、フリュクティドールのクーデター、さらにはブリュメールのクーデターで彼を政権に収めた。
- スタール夫人
- ネッケルの娘にあたる女性活動家。大きな頭部に2~3等身と独特の見た目をしている
- はじめはナポレオンに心服していたが、ブリュメールのクーデター以降の彼を危惧し、最後は暗殺を阻止された上に女であるため英雄になる資格すらないことを明示されて政治的に失脚し、復讐を誓ってパリから追放された。
他国のライバルたち
- ネルソン
- イギリス海軍提督。トゥーロンの頃から登場しハミルトン夫人との不倫関係に悩む。
- 2度にわたってフランス軍を破るが、トラファルガーの海戦の際自身は狙撃され戦死する。
- シドニー・スミス
- イギリス海軍海佐。オネエ口調の独特な人物だが、エジプトでフェリポーとともにナポレオンを苦戦させる。
- クトゥーゾフ(声:乃村健次)
- ロシア陸軍将軍。巨体の老人であるが戦略眼に優れる。君主であるアレクサンドル1世らに軽んじられ、アウステルリッツの戦いでの敗北を防ぐことができなかった。
関連動画
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関連項目
脚注
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