概要
メキシコ中央高原のナワ族の言語。なお、ナワトルとは「明瞭な音」を意味する。コルテスに「発見」された彼等だが、正確な数は不明だが未だなおバイリンガルとして言語は生き残っている。なお、本人たちはメシカーノと今は称している。
古典ナワトル語はテノチティトラン、トラコパン、テツココの3都市同盟で話され、テノチティトランの者が公用語と化していたようだ。皇帝マクシミリアンらの奨励で保存が進められたが、本格的な研究は20世紀の頃からである。
なお、エルサルバドルに孤立してナワトル語の話者が存在するほかに、マヤ語地域にいったん侵攻したことから若干ナワトル語系の語彙がマヤ語地域にも存在する。
文字体系
絵文字を使っていた。スペイン人の侵入以後アルファベットを学んだが、アルファベットの正書法が未だなお確立していない。
発音体系
実はサポテカ語やマヤ語に比べるとスペイン語と近しく、そんなに苦労せず習得できたらしい。ただし、無声の側面破擦音、声門音などが難関である。
なお、古典ナワトル語時代は母音の長短を区別したが、今は消えてしまったようだ。
文法体系
ナワトル語の特徴として、いろいろくっついていった結果一文が一単語のようになっているというものである。動作や物質はそれだけを取り出すことはできないのだ。なお、接辞をどんどんつぎ足すことで語形成をしていく、わかりやすい例えだとドイツ語のような単語の作り方をしている。
名詞はやはりトウモロコシに絡むものが多い。
名詞には絶対形と所有形があり、性の区別はない。
主格代名詞 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
1人称 | ni | ti |
2人称 | ti | an |
3人称 | ∅ | ∅ |
所有形容詞 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
1人称 | no | to |
2人称 | mo | amo |
3人称 | i | in |
絶対格代名詞 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
1人称 | nehhua, nehhuātl | tehhuān, tehhuāntin |
2人称 | tehhua, tehhuātl | amehhuān, amehhuāntin |
3人称 | yehhua, yehhuātl | yehhuān, yehhuāntin |
目的格代名詞 | 単数 | 複数 |
---|---|---|
1人称 | nēch | tēch |
2人称 | mitz | amēch |
3人称 | c, qui | quim, im |
本来は古典的類型論における抱合語、つまり融合度の高いものであった。しかし、スペイン語と混ざり合い、現代は少なくとも2つの語幹が1単語中に含まれることは少なくなっている。
日本語になったナワトル語
関連項目
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