ニコニコ活動ガイドラインとは、みんながニコニコできるようにするためのガイドラインである。
概要
2015年10月1日。KADOKAWA・dwango株式会社がカドカワ株式会社に社名変更し、ニワンゴがドワンゴに吸収された日、ニコニコインフォにniconicoの運営長からのメッセージが発表され、共に「ニコニコ活動ガイドライン」というものが発表された。
文章では運営長が「9周年を迎えたニコニコだが、利用者の中には『自由なんだから何をやってもいいだろ』と考える人がいることに疑問を感じている。他人の表現を一方的に否定し邪魔をするような行為を認めてはいけない」という意思の元、ニコニコ活動ガイドラインを策定したと発表している。
しかし、一部のニコニコ利用者の悪意ある解釈や運営側の対応などが原因でこのガイドラインは理不尽な扱いを受けることとなった。
ニコニコ活動ガイドライン 全文
ニコニコ活動ガイドライン
1. ニコニコは誰もが自由に表現活動ができるプラットフォームです
ニコニコは、ネット上に動画、生放送、ブロマガなどで自由にコンテンツを発表し、そのコンテンツを見た人が思い思いのコメントを付けることができるサービスです。
表現する人の人種、性別、年齢、所属する組織、過去の経歴などは一切問わず、誰もが平等に自分の思いや作品を発表できる場所です。
ユーザーの皆さんによる表現の内容についても、ニコニコによる規制は最小限にとどめます。
そうすることによって多くの素晴らしい作品が誕生し、特定のテーマに対する議論が深まり、ネットならではの文化が一層発展していくことを願っています。
ニコニコで活動するユーザーの皆さんは、こうした考えを理解し、本ガイドラインの1~5項すべてに同意した上でサービスを利用するものとします。
2. ニコニコで活動する人は互いに自主性を尊重し、問題は当事者間で解決します
ニコニコでコンテンツを発表する人は、そのコンテンツに対する権利と責任を持っています。
そして、お互いに権利と責任を認め、自主性を尊重し合わなければなりません。
したがって、もし自分の発表したコンテンツによって誰かを傷つけたり、権利を侵害したりするなどの問題が生じた場合は、当事者同士で解決することを原則とします。
前項の通り、発表したコンテンツによって問題が生じた場合は当事者同士で解決することが原則であって、ニコニコによる表現の規制は最小限にとどめますが、一部、掲載を認めないことがあります。
特に、以下のような内容のコンテンツについては、ニコニコの自主的判断により削除する場合があります。
<犯罪、違法行為>
例)
<他者の権利を侵害する行為>
例)
<公序良俗に反するもの>
例)
<その他、ニコニコが不適切と判断するもの>
4. 他者の表現を妨害することは認めません
ニコニコには、コンテンツにコメントを付けることでユーザーの皆さんが感情を共有したり、表現者に敬意や愛を表したり、弾幕で大いに盛り上げたり、実にユニークで多様なコメント文化があります。
コメントはニコニコ最大の特徴であり、ニコニコはその文化を守り抜こうとしています。
しかし一方、コメントによって他者の表現を妨害したり、表現する人を萎縮させたりするようなことはあってはなりません。
そのコメントが、コンテンツを発表した人やそれを見て楽しんでいる人たちの望まないものであるならば、ニコニコは投稿者の表現の自由を守る立場から、以下のようなコメントをニコニコの自主的判断により削除する場合があります。
例)
例)
例)
<対象コンテンツの表現者及びそのコンテンツに同調するユーザー(閲覧者)を傷つけるコメント>
例)
例)
<集団で表現者に圧力をかけるコメント>
例)
5. ニコニコ運営の対応に過度の期待をしないようにしましょう
ニコニコはユーザーの皆さんの多様な表現活動を支援するとともに、不適切なコンテンツやコメントについては専門の運用体制を構築し、対策に取り組んでいきます。
しかし、日々、数百万と投稿されるコンテンツやコメント、その「すべて」に対し、ニコニコ運営による内容の精査や何らかの判断を保証することはできません。
もし、あなたにとって不快または不適切なコンテンツやコメントが削除されていなかったとしても、ニコニコ運営がこれらの内容について容認したことを意味しません。
あるコンテンツについて通報を受けた際であっても、違法とする根拠が不明瞭な場合、公序良俗に反すると判断できるまでの情報が不足している場合、著作権等の権利侵害において権利者本人からの申告が確認できない場合、あるいは権利侵害の事実が不明瞭な場合、当事者同士での解決が望ましい場合など、様々な状況により判断を留保、あるいは「判断しない」という判断をすることがあります。
解説
内容としては「ニコニコという場の定義」「自主性の重視」「禁止される表現の存在」「他者の表現の尊重」「運営の対応の限界」の5つである。
1. ニコニコは誰もが自由に表現活動ができるプラットフォームです
言葉の通りである。代表的なサービスである動画・生放送・静画などの投稿・配信のサービスを利用して自分の作品を他人に見せることができる場である。経歴不問で運営からの規制も最低限にし、運営からはこれらの方針でよりよいものが出ることを期待しているとしている。
その一方、利用者側はこのニコニコ活動ガイドラインに同意してサービスの利用をしてほしいとしている。
2. ニコニコで活動する人は互いに自主性を尊重し、問題は当事者間で解決します
動画や静画、生放送など自身が出した作品についての権利と責任は発表者にあり、運営にはない。このガイドライン第2項では「自分で出したものなんだから、権利の主張や・発生した責任は自分がとることですよ。」そして「自分の作品の権利・責任が自分自身にあるんだから、あの人の作品の権利・責任もまた、あの人自身にあるんですよ」と書いている。
時には発表した作品で自身と特定の人物で「差別的である」「内容をパクっている」などトラブルを起こすことがあるかもしれないが、その際の解決は基本的に自分と特定の人物間での対話などのやり取りを基本として、例えば「いきなり運営に仲介してもらう」などの方法をとるのを第1候補にしないようにしてほしいということである。自主性というのは「自身が起こした問題も(可能な限り)まず自身で解決する」ということである。
3. コンテンツによる表現の自由は無制限ではありません
2の続きとなるが、運営側が「問題になった作品をいきなり削除する」などで早急に解決するということはしないとしている。これは問題となった作品への表現規制になり、第1項で自ら定義した「自由に表現できるプラットフォーム」ということに反するからである。
しかし、この場を運営する事業者として行わなければいけない違法行為の排除というものがあり、これらに触れた表現は自主判断で削除対象となるとしている。その表現は「犯罪になること」「他人の権利侵害になること」「公序良俗に反すること」の3種。
だが、この3種に当たらなくても止めなければまずいものが出てきた場合に備えて「その他、ニコニコが不適切と判断するもの」の項目を入れている。ガイドラインには書かれていないがこれを拡大解釈すれば全作品の削除もできなくないため、この項目は最小限・最低限の行使に留めるべきなのは言うまでもないし、発表した運営側もそのつもりで書いていると思われる。
4. 他者の表現を妨害することは認めません
ニコニコで長年続いてきた感情豊かなコメント文化の存在を指摘して、運営側もその文化を守り抜こうとしていることを書いている。その一方その感情は他者を傷つけることもできることを指摘して、そのような行為は許されないことも書いている。
運営側は作品の発表者、その作品を楽しむ人達を傷つける場合は自主判断のもと、該当するコメントを削除するとしている。該当するものは削除される作品の際にも出てきた「犯罪になる内容」「他人の権利侵害になる内容」「公序良俗に反する内容」の3つに加え、「その作品の作者・閲覧者を傷つける内容」「個人情報の漏洩・拡散になる内容」「集団で圧力をかける内容」とさらに3つ増えている。
そして最後にここでもまた「その他、ニコニコが不適切と判断するコメント」がつけられている。第3項同様、その気になれば全コメント削除もありうるため、繰り返しになるが最小限・最低限の行使に留めるべきなのは言うまでもないし、発表した運営側もそのつもりと思われる。
5. ニコニコ運営の対応に過度の期待をしないようにしましょう
ニコニコ関連サービス社員よりも動画・生放送・静画などの投稿・配信者の数の方が多いのは言うまでもない。そのためすべてに対応しきれず不適切な作品・コメントが残り続ける場合もあるが、「その表現は問題がないから残っている」というわけではないということである。
またそもそもどう対応すればいいかわからないものもあり、(本当はあまり良いことではないのだが)具体的な例を出してしまえばニコニコ市場に葛葉ライドウシリーズと無関係なのに関連商品を葛葉ライドウ関連商品で埋め尽くす「ライドウ荒らし」やニコニコアニメチャンネルのタグを自身の気に入るもので埋め尽くす「滋賀のタグ荒らし」のような例もある。まさか「ニコニコ市場を完全に終了します」「アニメチャンネルのタグ編集は全ユーザー禁止します」では関係のない利用者にとっては不都合になるからである。
そのほかにも根拠不明確を理由に対応できない例や当事者間解決が有効だとして判断留保、判断しないなどの回答をとる場合があるとしている。
反応
肯定派:
- ニコニコは、クリエイターを応援していく場であり、クリエイターを誹謗中傷する場(されたい人は別としてね)ではないし、ファン同士が動画で喧嘩するような場でもない。
- このガイドラインは自分が「荒らし」そして「無自覚な荒らし」にならないようにするためのガイドラインである。そして「自由」だからと言って、それを振りかざして何やったって良いということではないよと示しているガイドラインでもある。そして、ニコニコ運営には過度な期待をしちゃだめだよというガイドラインでもある。
- 「運営の都合で動画やコメントが消されてしまうのではないか?」という声もあるが、一方でユーザーの無自覚な荒らしが目に余るのも事実であり、このガイドラインを機に、ユーザーはサービスを共有するという事を深く考えてほしい。
否定派:
- 運営の都合で動画やコメントが消されてしまうのではないか?
- このガイドライン,運営長からのメッセージでは、全ての動画において絶賛のコメントを残していけと強要するようなものであり、表現の自由を否定していて、ニコニコ黎明期からあった2chのような独特な雰囲気を壊してしまう。
- ニコニコ運営がNG機能の増強やフィルタ機能などの荒らし対策を怠っているにもかかわらず、「規制したくないが、お前らが荒らすから仕方ない」などと責任転嫁するような態度に怒りを覚える。
(悪意ある解釈をした)関連動画
関連コミュニティ
関連項目
関連リンク
- niconico - サイトご利用にあたって
(本ガイドラインおよび、各サービスの利用規約の一覧)
- niconico掲示板 コメント削除依頼板
(主に動画、生放送が対象)
- 7
- 0pt