ニコライ・ロスラヴェッツとは、ロシア・アヴァンギャルドに属し、最近まで(物理的に)存在が抹消されていた作曲家である。
概要
1881年にロシアのスラージで生まれる。1910年ごろからロシア未来派のムーブメントの中で曲を発表するようになったが、次第にプロレタリア的な音楽を推進する多数派と対立するようになった。
スターリン政権になって以来さらに不遇をかこつこととなり、公職追放されたのちに1944年にモスクワで亡くなることとなった。
が、話はここからである。ロスラヴェッツの死後、彼の家が対立するグループによって荒らされ楽譜のかなりの部分が破棄されてしまったのである。以降も親族による復権活動が行われたが、その後数十年にわたって彼、および彼の作品はソ連内部でタブーとされ、完全に存在が抹消されることとなった。
ソ連崩壊後ようやく彼の復権が行われることとなり、いくつかの残存していた楽譜などが出版されていくこととなった。
作風としてはスクリャービンを推し進め、シェーンベルクをはじめとした新ウィーン学派にある程度同調しながら、独自の路線を行った、ということであるが、多分これの違いが理解できるようになっていれば相当音楽の造詣が深くなっているのではないだろうか。前述した通り最近ようやく日の目を浴びてきた作曲家ではあるが、アムランがメトネルなどと並んでロシア作曲家としてレパートリーにしているなど、2010年代の今となっては結構手に入りやすかったりする。
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