ニニンがシノブ伝とは、2000年から2006年にかけて月刊コミック電撃大王に連載されていた古賀亮一の漫画(全4巻)、ならびにそれを原作としたアニメ作品である。
また2020年6月26日よりWebコミック配信サイト「コミックNewtype」にて本作の続編となる『ニニンがシノブ伝ぷらす』が連載中。単行本は2022年10月現在、既刊2巻。
概要
ドジで天然ボケなくの一見習いのシノブと、シノブの友人である女子高生楓、そして正体不明の異生物の音速丸を中心とした個性的な登場人物たちが毎回騒動を起こすハチャメチャコメディ。
シリアスな展開がほぼ皆無であり、純粋にギャグ漫画として楽しめるようになっている。
原作者である古賀亮一は、昔から忍者漫画を好きだった(作中に登場する白土高校は、恐らく忍者漫画の大御所、白土三平から)ようで、一度忍者漫画を描きたかったらしいが、実際連載してみると、「忍者漫画に分類したら怒られる」ような作品に仕上がったと言っている。
また、古賀亮一作品の例に漏れず、一コマ一コマにマニアックな小ネタが散りばめられており、これがシノブ伝をはじめとする彼の作品の人気に繋がっている。
他にも古賀亮一作品のお約束はいくつか存在するが、それらは殆どが当作品にも当てはまる。
なお、本来は「サザンがくのいち ニニンがシノブ伝」という題名にする予定だったようだが、長すぎるということで没となった経緯がある。
作中の登場人物サスケが主人公となる話「サザンがサスケ伝」は、この没案から採用したものと思われる。
登場人物(声優はアニメ版)
忍(しのぶ) CV:水樹奈々
我らが主人公にして本作のお色気担当。グラマーな体をピンクの忍者装束に包んだ姿が特徴的。
私立忍者学園忍者学部くのいち学科に在籍するくのいちの卵。所属するクラス「い組」は忍を除く全員が忍者学科在籍で男のため「い組」の紅一点。楓には友人以上の感情を抱いている。
天然でおっとりした性格もあり音速丸や忍者軍団のセクハラターゲットになっているが、忍自身もその流れに乗っかって楓にセクハラを仕掛けることもしばしば。
忍法はあまり得意ではないが高い身体能力を有する。これは日々の修行のたまものであり、忍の体には修行で出来た傷が刻まれている。
音速丸(おんそくまる) CV:若本規夫
人呼んでスーパーハンサムボーイ。詳細は個別ページを参照のこと。
不知火 楓(しらぬい かえで) CV:川澄綾子
本作のツッコミ役。県立白土学園に通う女子高生。忍に負けず劣らずのグラマー体型。
自宅が忍者学園の試験(女子高生の下着を盗む)の標的となったことをきっかけに忍の友人になった。
忍たちの暮らす忍者屋敷は関係者以外が立ち入ると生きては出られない掟があるが、楓は「ツッコミガール」として登録されているため無事に出入りできている模様。
音速丸や忍によるセクハラのターゲットとなるが、音速丸のことは容赦なく返り討ちにしている。サスケたちからは「最強の忍者」と評されたこともあるが、あくまで身体能力は一般人レベル。
雅(みやび) CV:釘宮理恵
忍の妹。私立忍者学園呪術学部呪術学科の小等部に在籍する呪術師の卵。呪術学科生が学ぶ屋敷は忍者屋敷とは別に存在するのだが、雅は忍と共に忍者屋敷で生活し、呪術学科までは徒歩通学している。
呪術の天才と称されており、その腕前は高等部を交えたジュニア呪術大会に特別枠で出場し優勝するほど。
天然な忍とは対照的なしっかり者の性格で楓と共にツッコミを担当するが、音速丸たちに言いくるめられてボケ行動を取らされることもしばしば。
サスケ CV:関智一
私立忍者学園忍者学部忍者学科在籍。忍のクラスメートで「い組」のクラス委員長。
黒っぽい忍者装束に覆面をしている。入浴中だろうが食事中だろうが覆面を外さないので素顔は不明。かなりいい体をしており身体能力は高いようである。
頭の中は女の子に対する妄想で満ち溢れており、仲間の忍者たちとモテトークを繰り広げるのが日常。
にもかかわらず音速丸のように積極的なセクハラ行為に及ぶことはないが、音速丸の勢いに流されてセクハラ行為に及ぶことはある。逆に音速丸に追従したように見せかけて音速丸を攻撃することもある。
忍者1~6 CV:川田紳司(忍者1),小野大輔(忍者2),野島裕史・桐井大介・近藤孝行・保村真・上田陽司・小原雅一(忍者3~6、非固定)
サスケの仲間の忍者たち。通称サスケ軍団。
全員がサスケと同じ背格好、サスケと同じ服装、サスケと同レベルの言動により判別不能。人数すら不明。
一応忍や音速丸は見分けがついているようだが、部外者の楓にはやはりわからない模様。
とはいえ見分けられなくても一切支障がない。
見た目での判別は不可能ながらコゲンタ・サイゾウといった名前が判明している忍者もいる。特にコゲンタは「雅ちゃんファンクラブ」の会長というプロフィールが明かされている。雅について話す忍者がいたらこいつかもしれない。
デビル CV:桐井大介
忍者屋敷の庭の池にいつのまにか住み着いていたワニ。初登場の時は音速丸を食べそうになるなど危険な存在だったが、サスケたちの教育により二足歩行と人語の会話能力を会得し、「い組」の生徒となった。
バイクに乗る・スキーをするといったワニ離れした行為も可能なほか、街に買い物に行っても問題にならないなど生活は人間そのもの。
忍者としての腕前も良く、モテトークのレベルも高いため「い組」内での評価は高いが、音速丸はそのことに納得がいかない模様。
音速丸を口に咥えて「ワニパワードスーツ」と化すこともある。
元はエンジェルという名で人間に飼われていたワニだったが、とある理由により出奔。忍者を目指した。
泉(いずみ) CV:根谷美智子
忍者学園「ろ組」頭領。音速丸とは昔馴染みで二人きりで会話する場面もある。右目を前髪で隠した美人。
音速丸と同じ頭領とは思えないほどしっかり者で実力も高い。軟弱な男を見ると鍛えたくなる性格。
元々「ろ組」の男女比は「い組」と真逆で男が一人だったのだが、この男忍者は「ろ組」に耐えかね、どさくさに紛れて「い組」に亡命してしまった。
不知火 香(しらぬい かおり) CV:夏樹リオ
楓の母親。色気のある人妻で音速丸やサスケたちからの人気がとても高い。音速丸を「音速くん」と呼ぶ。
極めて穏やかな性格で包容力も異様に高く、音速丸たちに母親プレイを求められた際も嫌がらなかった。
食べ物を粗末にすることだけは許せないらしく、音速丸が食べ物で遊んだときだけは本気で叱った。
「部外者は生きては出られない」忍者屋敷を訪れてしまったが、「い組のお母さん」になり難を逃れた。
楓の母親改め、みんなの母親。
楓パパ CV:小野大輔
楓の父親。名前は未登場。妻の香と同様の穏やかな性格と高い包容力の持ち主。
「い組」に楓を迎えに行くつもりが「ろ組」に行ってしまった際は「ろ組のお父さん」にされそうになったが、まんざらでもない顔をしていた。
タケル CV:小林由美子
私立忍者学園呪術学部呪術学科の小等部に在籍する少年。天才と称される雅とトップを争うほどの優等生。
雅に片想いされている。
呪術学科小等部男子のリーダー格の模様。
緑 CV:斎藤千和
楓のクラスメート。学校では楓の一番仲の良い友人らしく、休日に一緒に買い物に行ったりしている。
音速丸やサスケたちを見ても驚かないどころか、音速丸をかわいいと評したすごい人。
ソドムとゴモラ CV:岩田光央(ソドム),山口太郎(ゴモラ)
怪人にしか見えない風貌をした兄弟。目つきの悪い小男が兄のソドムで、棍棒を持ったノーパン主義の大男が弟のゴモラ。とある理由から忍者屋敷をうろついていたところ、サスケに迎撃され敗北。
決まり手は「トランプ手裏剣奥義ロイヤルストレートフラッシュ」(ソドム)、「死のドレスアップ(からしブリーフ)」(ゴモラ)。
ぬえ CV:なし(アニメ未登場)
『ぷらす』から登場。雅と張り合った音速丸が召喚に成功した式神。
アホっぽい顔とは裏腹に、雅の召喚した式神の腕をすべて弾き飛ばすほどの強さを持つ。
意外に気さくな性格でモテトークのレベルも高い。
関連静画
アニメ
原作の連載開始から遅れること4年後の2004年、ユーフォーテーブルによりアニメ化された。
一回の番組で15分の話を2話放送する形式を取っている。なお、アニメでは原作2話分の話を纏めて1話にしている。
シノブ役の水樹奈々や音速丸役の若本規夫をはじめとして、レギュラーキャラに放送当時でも豪華な声優陣を起用している。※
基本的に原作通りの展開(一部、台詞がキャストのアドリブ等で追加・変更されたが)であったが、放送当時はまだ原作が完結していなかったため、終盤にかけてオリジナルの伏線を張り始めた。
そして、その伏線の謎が解き明かされぬまま、アニメオリジナルの最終回になったが、ここにきて「今まで張った伏線は全て無意味なものだった」と明言する異例の展開となった。
これは、最終話の冒頭でネタにされた「初回と最終回だけ作画に気合の入っているアニメ」と同様に「投げっぱなしの壮大な伏線」という、当時から蔓延していた粗製濫造アニメの悪しき風習を風刺したものであると思われる。
ちなみに、アニメOPの映像においても、一度も登場することの無かったシノブのライバル的キャラクター(アニメオリジナル)も、そのような最終回のための伏線であったようだ。
ニコニコ動画とニニンがシノブ伝
原作の掲載雑誌がマイナーであったことや、アニメがU局の深夜帯放送であったこと、何よりニコニコ動画が誕生する前に放送、および連載を終了した作品だったことから、その知名度は視聴年齢層の比較的低いニコニコ動画においてはそれほど高くはなかった。
しかし、音速丸が多く登場するMAD動画「若本のグルメレース」が当時のデイリーランキングにランクインすると、その影響か、翌日以降のランキングにニニンがシノブ伝の本編動画がランクインするようになった。
これにより、同作品はニコニコ動画において4年越しにその脚光を浴びるようになった。
ただし、現在は他のアニメ作品の例に漏れず、本編動画はことごとく削除され、僅かなMAD動画のみが残るばかりとなっている。
関連動画
関連チャンネル
関連生放送
関連商品
脚注
爆発的な人気が出る前の釘宮理恵や小野大輔も、準レギュラーキャラ役として出ていた。
アニメ放映前に、掲載雑誌の付録としてドラマCDがついてきたが、この時のキャストは若本規夫以外、一新されている。
関連リンク
関連項目
お絵かき
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