ニューカッスル・ユナイテッド(Newcastle United Football Club)とは、イングランド・プレミアリーグに所属するマフィアサッカークラブである。
本拠地はニューカッスル・アポン・タイン。ホームスタジアムはセント・ジェームズ・パーク。愛称は「マグパイズ」。日本での愛称は「新城」。
概要
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1881年創設。FAカップを6回、下部リーグを4回制した経験のあるクラブ。1993年にはプレミアリーグ昇格を果たし、その後1995-1996、1996-1997シーズンと2シーズン続けてリーグ2位を獲得したが、その後成績は低迷し2008-2009シーズンにはイングランド・チャンピオンシップ(実質2部)への降格も経験した。1996年から2006年の10年間に渡り、イングランドを代表するストライカーであり、プレミアリーグの最多ゴール記録を保持するアラン・シアラーが在籍していた。
サポーターは “Toon army”(toonはtownの意)と呼ばれ、伝統的に攻撃的なフットボールを愛することで知られる。ライバルはサンダーランドとミドルズブラ。特に同じタイン・アンド・ウィアに本拠を置くサンダーランドとのダービーマッチは、「タイン・ウェア・ダービー」として知られ、英国「最凶」のダービーと呼ばれるほど熱狂的で激しく、過去にはサポーター同士による暴力事件に発展したこともある。
ディフェンスに定評のあるクラブであり、その変幻自在のディフェンスは多くの場面で主にGKを混乱させ、大量の得点を生み出している。特に有名なのが2002-2007にかけて所属したDFタイタス・ブランブル。GKシェイ・ギヴン所属時には彼の奮闘もありなかなかゴールを割れなかったため、憤慨したニューカッスル上層部が2009年にとうとう彼を追い出したのだとも噂された。ギヴンの12年間の奮闘は、尊敬と同情の念を込めてしばしば「労働基準法違反」と呼ばれる。
ジョーイ・バートンやアンドリュー・キャロルらを筆頭に問題児が多く在籍していたことで知られている。練習中でも試合中でも所構わずチームメイト同士で殴りあうことなどはこのクラブにとってはじゃれあいでしかなく、特にジョーイ・バートンはイタズラのつもりで足を蹴ってきた15歳の少年をフルボッコにしたり、試合後のTV中継中に相手サポーターのブーイングに対し笑顔で尻を出して応戦したり、クリスマスパーティの最中に自慢の高級スーツの袖に火をつけた後輩に対する報復として目にタバコを押し付けたり、口論となった16歳の少年に20発近い殴打を浴びせ逮捕・服役したり、文学を読んでいただけでニュースになったり、異母弟が殺人犯であったりもうなんでもありの人間である。
以上のネタ要素と何だかんだプレミアリーグに居座り続ける実力も相まって、日本では類稀なネタクラブエンターテイナーズとして愛されていたが、2021年にサウジアラビアのファンドがクラブを買収。これによって巨額の資本を有する金満クラブへと変貌を遂げ、降格の危機に直面していたクラブは急激にチーム力を増すようになり、2022-23シーズンには21年ぶりにUEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得する。
2006年に公開された映画『GOAL!』において主人公のサンティアゴが入団したクラブである。日本人選手では2018年から2021年まで武藤嘉紀が所属していた。
歴史
ニューカッスル・イーストエンドFCとニューカッスル・ウェストエンドFCという2つのチームがあり、1881年にウェストエンドが財政難に陥るとイーストエンドが買収し、1893年にニューカッスル・ユナイテッドが誕生。
1898-99シーズンにファーストディビジョン昇格。1903年ごろから有望な選手を集めるようになると、1904-05シーズンのフットボールリーグで初優勝。1905-06シーズンには連覇を果たし、1907-08シーズンにも優勝。1909-10シーズンにはFAカップ初優勝も果たし、20世紀初頭の時代にクラブの黄金期を築くことになる。
1920年代になると、ヒューイ・ギャラチャー、ニール・ハリス、スタン・シーモア、フランク・ハドスペスらを擁し、1923-24シーズンに2度目のFAカップ優勝を果たす。1926-27シーズンには4度目のフットボールリーグ優勝。
しかし、1930年代からクラブは低迷期に差し掛かるようになる。1931-32シーズンのFAカップでは疑惑の判定もあって3度目の優勝を果たしたものの、リーグでは下位に低迷するようになり、1933-34シーズンには32シーズンを過ごした1部リーグから2部に降格することになる。2部降格後も苦戦が続き、1937-38シーズンには平均ゴール数で何とか3部降格を免れるほどの苦戦を強いられる。
第二次世界大戦終了後も2部で過ごしていたニューカッスルだったが、この時代に名ストライカーであるジャッキー・ミルバーンが登場。1947-48シーズンに10年ぶりに1部リーグへ復帰。すると、1950-51シーズンと1951-52シーズンにFAカップを連覇。1954-55シーズンにも優勝し、1950年代に3度FAカップを制覇することになる。しかし、ニューカッスルにとってこれが最後のタイトル獲得となってしまう。
1960-61シーズンに再び2部へ降格。1964-65シーズンのディビジョン2で優勝し、トップリーグへ復帰したものの、中位と下位が定位置となっていた。それでも10年以上ディビジョン1の座を守り続けていたが、1977-78シーズンにリーグ21位と低迷。6シーズンを2部で過ごした後に一度は1部へ復帰するが、1988年に再び降格。この結果、1992年のプレミアリーグ創設メンバー入りを逃す。
1992-93シーズンのディビジョン1(2部)で優勝を果たし、1年遅れでプレミアリーグに参戦。そして1995年にケビン・キーガンが監督に就任。翌年にはイングランド代表のエースであるアラン・シアラーが加入。2シーズン連続でプレミアリーグで2位入りを果たすなど躍進を遂げる。
1999年に名将ボビー・ロブソンが監督に就任。2000年代に入ってからはシアラーが毎年のようにゴールを量産し、2002-03シーズンにはUEFAチャンピオンズリーグ初出場を果たす。初めてのCLではイタリアの強豪ユヴェントス相手に白星を奪い、2次グループ進出という一定の結果を残す。2003-04シーズンにも2年連続でCLに出場。しかし、2004年のシーズン途中にクラブと決裂したロブソンが退任すると、その後は徐々にチームは緩やかに下降線を辿り始める。
2005-2006シーズンを最後にシアラーが現役を引退すると、いよいよクラブは本格的な低迷期を迎えるようになる。ジョイ・バートンやアンディ・キャロルを筆頭に問題児が多く在籍するようになったのもこの頃からであり、ネタ要素満載のチームになってしまい、当然成績は低迷。シアラーの後釜として期待されたマイケル・オーウェンも度重なる怪我に苦しみ、2008-09シーズンは18位に終わり、チャンピオンシップ降格が決定してしまう。
2009-10シーズンに1シーズンでプレミアリーグに復帰。デンバ・バ&パビス・シセの2トップ、ヨアン・キャバイェらが加わった2011-12シーズンこそ5位と躍進したが、クラブ内部のゴダゴダや監督人事の失敗もあって再び下位に低迷するようになる。2015-16シーズンは開幕から低迷が続くと、シーズン途中にラファエル・ベニテスを監督に招聘したものの、リーグ18位に終わり、またもやチャンピオンシップ降格の憂き目にあってしまう。
2016-17シーズンにチャンピオンシップを制覇し、再び1シーズンでのプレミア復帰に成功。しかし、プレミアリーグ復帰後のチームは不甲斐ないシーズンが続き、サポーターからフロントへの不満が膨れていた。
2021年10月にクラブの歴史を揺るがすニュースが飛び込んでくる。サウジアラビアのパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)がクラブを買収し、経営権を取得。これによってクラブは世界でも有数の金満クラブに生まれ変わる。新経営陣はまず時代遅れの戦術でサポーターからの不満を買っていたスティーヴ・ブルースを解任し、エディ・ハウが監督に就任。また、金満クラブにありがちなスター選手を買い漁る手法を取らず、大金を投じながらもハウのやりたいサッカーにマッチした選手を手堅く補強する。この改革はすぐに結果になって現れ、降格ゾーンにまで沈んでいたチームは完全に息を吹き返し、2021-22シーズンは11位でシーズンを終える。
2022-23シーズンには、安定した戦いぶりでずっと上位に名を連ね、最終的には4位という久々の好成績を残し、21年ぶりとなるCL出場権を獲得する。
タイトル
- フットボールリーグ 4回
1904-05, 1906-07, 1908-09, 1926-27 - FAカップ 5回
1909-10, 1923-24, 1931-32, 1950-51, 1951-52, 1954-55
現在所属する選手
背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 |
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- | 監督 | エディ・ハウ | 1977.11.29 | 2021 | ボーンマス | |
1 | GK | マルティン・ドゥブラフカ | 1989.1.15 | 2018 | フェネルバフチェ | |
2 | DF | キーラン・トリッピアー | 1990.9.19 | 2022 | アトレティコ・マドリード | |
3 | DF | ポール・ダメット | 1991.9.26 | 2011 | セント・レミン | |
4 | MF | スヴェン・ボトマン | 2000.1.12 | 2023 | リール | |
5 | DF | ファビアン・シェア | 1991.12.20 | 2018 | デポルティーボ | |
6 | DF | ジャマール・ラセルス(C) | 1993.11.13 | 2014 | ノッティンガム・フォレスト | |
7 | MF | ジョエリントン | 1996.8.14 | 2019 | ホッフェンハイム | |
8 | MF | サンドロ・トナーリ | 2000.5.8 | 2023 | ミラン | |
9 | FW | カラム・ウィルソン | 1992.2.27 | 2020 | ボーンマス | |
10 | MF | アンソニー・ゴードン | 2001.2.24 | 2023 | エヴァートン | |
11 | DF | マット・リッチー | 1989.9.10 | 2016 | ボーンマス | |
13 | DF | マット・ターゲット | 1995.9.18 | 2022 | アストン・ヴィラ | |
14 | FW | アレクサンデル・イサク | 1999.9.21 | 2022 | レアル・ソシエダ | |
15 | FW | ハーヴィー・バーンズ | 1997.12.9 | 2023 | WBA | |
17 | DF | エミル・クラフト | 1994.8.2 | 2019 | アミアン | |
18 | GK | ロリス・カリウス | 1993.6.22 | 2022 | ウニオン・ベルリン | |
20 | MF | ルイス・ホール | 2004.9.8 | 2024 | チェルシー | |
21 | DF | ティノ・リヴラメント | 2002.11.12 | 2023 | サウサンプトン | |
22 | GK | ニック・ポープ | 1992.4.10 | 2022 | バーンリー | |
23 | MF | ジェイコブ・マーフィー | 1995.2.24 | 2017 | シェフィールド・W | |
24 | MF | ミゲル・アルミロン | 1994.2.10 | 2019 | アトランタ・ユナイテッド | |
28 | MF | ジョー・ウィロック | 1999.8.20 | 2021 | アーセナル | |
29 | GK | マーク・ギレスピー | 1992.3.27 | 2020 | マザーウェル | |
32 | MF | エリオット・アンダーソン | 2002.11.6 | 2021 | ブリストル | |
33 | DF | ダン・バーン | 1992.5.9 | 2022 | ブライトン | |
36 | FW | ショーン・ロングスタッフ | 1997.10.30 | 2017 | ブラックプール | |
39 | MF | ブルーノ・ギマランイス | 1997.11.16 | 2022 | リヨン | |
49 | FW | アマドゥ・ディアロ ※ | 2003.2.15 | 2023 | ニューカッスルユース | |
54 | DF | アレックス・マーフィー ※ | 2004.6.25 | 2022 | ニューカッスルユース | |
67 | MF | ルイス・マイリー | 2006.5.1 | 2022 | ニューカッスルユース |
※はU-21登録選手。
過去所属した主な選手
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関連項目
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