ニルソン(Nilson)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。
CV.大林隆之介(石黒監督版)、山口恵(Die Neue These)
概要
自由惑星同盟軍人、のちにイゼルローン共和政府軍所属。年齢は40代(宇宙暦798年当時)、“ごついおっさん”扱いされる巨体の持ち主で、小心とはほどとおい練達の艦艇指揮官。おそらく既婚者。
ヤン艦隊にあって長く歴戦の”闘士艦”こと戦艦<ユリシーズ>の艦長をつとめ、ヤン・ウェンリーやユリアン・ミンツの戦いを支えた。
登場
初登場
初登場は原作2巻野望篇1章(宇宙暦797年初頭)で、当時の階級は中佐。ただし、1巻黎明篇のアムリッツァ会戦(796年10月)時にはすでに<ユリシーズ>(当時第8艦隊所属)艦長を務めていたようで、“トイレをこわされた戦艦”として笑いの種にされることを副長エダ少佐ともども不服がっていた。
初登場時から<ユリシーズ>艦橋で指揮をとっており、捕虜交換の申し出のため単艦イゼルローン回廊に進出してきた帝国軍戦艦<ブロッケン>との遭遇に対処した。この報をうけてイゼルローン要塞内部で開かれた要塞幹部の会議にも副長とともに出席している。
なお、石黒監督版アニメでは登場が大きく早められており、劇場長篇『わが征くは星の大海』から登場。第四次ティアマト会戦(795年9月)において、ヤン・ウェンリー准将の指揮下で<ユリシーズ>がほぼ無人の別働隊の旗艦をつとめた際に艦長として登場し、みずから操艦を担当している。
第九次イゼルローン要塞攻防戦
つづく登場は4巻策謀篇第八章(宇宙暦798年11月)。“神々の黄昏”作戦による第九次イゼルローン要塞攻防戦に先立ち、イゼルローン回廊帝国側で哨戒にあたっていた<ユリシーズ>が、オスカー・フォン・ロイエンタールが指揮する帝国軍の大艦隊に遭遇した時である。戦うかどうか尋ねたオペレーターを「あほう」と一喝してすぐさま逃走を命じ、無事要塞に帰投して帝国軍全面侵攻を司令部に報告した。
この敵影発見時には、いかに老練の勇士とはいえ敵の大艦隊と遭遇したにしてはまったく驚きも恐怖も見せない謎の泰然自若ぶりを発揮したが、これはいい年して知歯に悩まされ、奥歯に神経を集中させていたため。要するに敵に驚くどころではなかったのである。哨戒中のニルソンはこの知歯のために延々と不機嫌な様子であったが、理由を語られなかった部下たちは好き勝手に想像の翼をはばたかせ、昇格が見送りになったからだの、夫人と揉めてボロ負けしたからだの、カードでカモにされたからだのと笑い話にされた(航法士官フィールズ中尉の「ユリアンに惚れてたのにフェザーンに行ってしまいお気の毒」が“大賞”を受賞した)。
5巻風雲篇第二章(799年1月)のイゼルローン要塞放棄時にも登場し、輸送船不足のために乳児と母親600人を乗せる羽目になった<ユリシーズ>の艦橋に無数のおむつがつるされる風景をうっかり想像してガン萎え意気消沈している。
イゼルローン革命軍へ
その後はしばらく登場がなかったが、最終的にはイゼルローン共和政府軍に参加しており、10巻落日篇第二章(宇宙暦801年)の第十一次イゼルローン要塞攻防戦において、ユリアン率いる共和政府軍の旗艦をつとめる<ユリシーズ>の艦長として再登場。艦ともども老練と強運とを信頼されている。この時は大佐になっており、「同盟軍解体時には大佐に昇進していた」とされる。知歯や奥さんや賭け金のゆくえはともかくちゃんと昇進はできたらしい。
4月、“オーベルシュタインの草刈り”の結果ハイネセンへの出頭を要求されたユリアンおよびフレデリカ・グリーンヒル・ヤン共和政府主席らイゼルローン幹部勢が<ユリシーズ>を乗艦としたときには、帝国軍の停戦警告をよそに”運命論争”にふける一部の幹部勢に茶々対処の催促をいれ、ダスティ・アッテンボローに「それがどうした!?」と言い返されている。
関連動画
関連項目
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