ネェル・アーガマとは、アニメ「機動戦士ガンダムZZ」および「機動戦士ガンダムUC」に登場する架空の艦艇。艦籍番号は「SCVA-76」。
概要
エゥーゴまたはそれを引き継いだロンド・ベルに所属した。ジュドー・アーシタらガンダム・チームと呼ばれた少年少女と、バナージ・リンクスやリディ・マーセナスらの母艦である。ネェルとは近いものと言う意味がある。
艦種について
竣工時は機動戦艦とされた。アーガマの強襲巡洋艦と同様にオリジナルな艦種であるが、単艦での素早い展開を前提にした分類であるのかもしれない。ガンダムの母艦としては初めて「強襲」が消えたが、のちの作品である機動戦士ガンダムUCでは強襲揚陸艦に再分類されている。
建艦までの経緯
極端なまでにMS戦能力を付与したアーガマではあったが、単艦での運用には限界があり砲術戦能力でもティターンズが竣工させたドゴス・ギア級や僚艦であるアイリッシュ級に遅れを取り始めていた。そこでアーガマ級とアイリッシュ級での運用実績を反映しつつ、代替え艦として大火力かつMS戦能力も大幅に拡充すると言う野心的な艦が求められた。起工前にはハイパー・メガ粒子砲の開発もすでに間近だったことも設計者の自信につながった可能性はある。
性能・竣工時
全長は380メートル。これはペガサス級の262メートルやアーガマの323メートルはおろか、マゼラン級の327メートルを大幅に上回っており、宇宙戦艦の名に恥じない巨艦である。
主砲はハイパー・メガ粒子砲であり、エネルギーコンセンサーまで含めると全長50メートル、口径は18メートルと言う艦載砲はおろか史上に現れたあらゆる火砲の中でも最大規模(イラク軍のスーパーガン計画が全長50メートル、口径に至っては3.5メートル。ただし、宇宙世紀ではコロニーレーザーが存在)である。380メートルの巨体を持ってしても搭載はかなわず、船体の下部にむき出しで固定されている。理論上はコロニーレーザーにも匹敵する威力があり、敵を艦隊ごと消滅させてしまうことも可能。ただし、固定砲であり旋回などは艦が行わなければならないこと、エネルギーチャージに時間がかかり一回の戦闘につき一度だけしか使用できないこと、他の武装の使用も制限されることなどから非常に使い勝手が悪かった。
ペガサスやアーガマの伝統を受け継いでか通常のメガ粒子砲が両舷のシャッター内に連装2基内蔵されている。便宜上、サブ・メガ粒子砲とも。
他にも2連装メガ粒子砲が船体前方上下に一基、単装が後方上下に一基、左右のカタパルトデッキにも1基ずつ配備されている。上述のハイパー・メガ粒子砲を差し引いても、艦隊戦に特化していたバーミンガム級と同等以上の砲術戦能力を保持している。
エンジンは熱核エンジン。また、サブに翼の部分から得たソーラーエネルギーを用いてハイパー・メガ粒子砲などの高エネルギー兵器の足しにしている。
アーガマで実現した高い居住性も受け継いでおり、むき出しだった重力ブロックもドラム内蔵式になり被弾の危険も解消されている。
また、人員不足に悩まされるエゥーゴの事情も考慮され、航行や運用などかなりの部分を自動化させている。特にレーダーの増加により火器管制システムは格段の向上が見られたようだ(もっとも、ミノフスキー粒子を無視できるほどではない)。
主兵装であるMS運用能力はカタパルトが前方に5基(左右の2基が上下構造のため)、後方に1基の計6基と言う宇宙世紀でも最大規模の射出装備を保持している。これはZZガンダムに分離・合体能力がありパーツ別に発進させる可能性があるためである。また、エンジンブロック横に四本のスラスターがあり、MS発進時に作動し反動を打ち消すことによりスムーズな発進を実現している。運用機数も増大し12機となった。ペガサス級は6機から15機説まであるため比べるのは難しいが、前級のアーガマが8機であることを考えると大幅な戦力アップである。
船型はカタパルトデッキの位置が前面に出たことやウィングの追加により、アーガマよりはむしろペガサスに近いモノとなっている。
戦歴・第一次ネオ・ジオン抗争
竣工は0088年10月または11月と思われる。製造元はアナハイム社・グラナダの月面工場。この年の2月には仮想敵であったティターンズが壊滅していたことやエゥーゴの衰退もあり、彼らのスポンサーであったアナハイムとしては地球連邦と同様にネオ・ジオンに対しては日和見的であった(補給や補修など、現場レベルでの支援は継続)。しかし、ネオ・ジオンの月面への爆撃、地球への降下やコロニー落としなどで上層部の危機感は増大したのかエゥーゴへの支援は再び本格化。11月3日、アーガマ隊が地球から宇宙に帰還したタイミングでエゥーゴへの引き渡しが行われる。
当初の艦長はブライト・ノアであったが、連邦軍との会談のためにフォン・ブラウン市へ赴く必要が出たためビーチャ・オーレグが艦長代理に就任した。7日には正式にネオ・ジオン討伐の命令がネェル・アーガマに下されている。
以降、ネオ・ジオンに占領されたサイド3において小競り合いが続く。22日には反ネオ・ジオン派の市民が一斉蜂起。12月25日にはハマーン旗下のグレミー・トトが謀反を起こしアクシズを乗っ取る。1月、ネェル・アーガマは命令を待たずにこの内紛に介入。結果、16日には間隙を突いてグレミーとハマーン双方を討ち取る戦果を挙げこの戦争を終結に導いた。
改装
0090年3月、新設されたロンド・ベル(エゥーゴが発展解消されたものと言う説と各地の治安維持部隊を集めたものと言う説があり)の旗艦として各地の反地球連邦組織との戦いに従事。ネオ・ジオン残党軍のポジドン艦隊との交戦なども確認されている。0092年には後継艦のラー・カイラムに旗艦を譲り、0093年3月にグラナダ工場に戻り近代化改修を受けている(このため、第二次ネオ・ジオン抗争には参加していない)。
改装点は
- 対空機銃の新設。16基(UCのOVA版では24基)。
- 副砲の配置変換。単装副砲が後方上下2基から前後下部2基に。連装砲が前後上方2基に(OVA版では単装砲が廃止され、全て連装に)。
- 推進装置をクラップ級のものに変換。
- MS搭載能力の増大。12機から16機へ。
また、外観もよりペガサス級に近くなり、艦種も強襲揚陸艦に変更がなされている。
ラプラス戦争
近代化が進められたネェル・アーガマだったがワンオフであったため、ラー・カイラムら他の艦艇との同時運用は難しく単艦での特殊任務などに充てられる傾向が強くなった。
0096年のラプラス戦争に参加。艦長はオットー・ミタス。当初は単艦での運用前提が仇となったことや地球連邦の内紛、乗組員の練度不足もあり有効な対策は取れなかった。しかし、たまたまパイロットとして乗り込んでいたリディ・マーセナス(地球連邦議会の重鎮であるローナンの息子)や異変に気付いたブライト・ノアの尽力もあり、何とか生存。逆に箱の解放を目指すバナージ・リンクスの支援に当たり、彼らの護衛に成功。戦闘の終結に一役買っている。
その後の経歴は不明。
搭載MS
エゥーゴ運用時
ロンド・ベル運用時(宇宙世紀0090年)
ロンド・ベル運用時(宇宙世紀0096年)
- RGΖ-95 リゼル
- RGM-89D ジェガンD型
- RGM-89S スターク・ジェガン
- MSN-001A1 デルタプラス
- D-50C/D50C ロト
- RX-0 ユニコーンガンダム
- NZ-666 クシャトリヤ
- AMS-129 ギラ・ズール
搭乗員
第一次ネオ・ジオン抗争時
艦長
パイロット
ブリッジ
メカニック
ラプラス事変時
艦長
- オットー・ミタス
副長
パイロット
ブリッジ
メカニック
- ジョナ・ギブニー
その他
ガランシェールからの合流組
後継艦
姉妹艦は存在しないワンオフ艦である。このため、戦果と性能の割に連邦軍の本流としては扱われず、かなり不遇な扱いであったようだ。後継艦はラー・カイラムとされるが、こちらは特定の艦船と言うより連邦の艦船の集大成的な意味合いが強く、いくつかある系譜の一つに過ぎないともされる。この説を取ると、ペガサス級(ホワイトベース)の直系はここで潰えたことになる。
その他よもやま
関連動画
関連項目
- 機動戦士ガンダムZZ
- 機動戦士ガンダムUC
- ガンダムシリーズのMS・MAの一覧
- エゥーゴ
- ブライト・ノア
- ガンダムチーム
- ロンド・ベル
- バナージ・リンクス
- リディ・マーセナス
- マリーダ・クルス
- スベロア・ジンネマン
- ミネバ・ラオ・ザビ
- ホワイトベース
- アーガマ
- ラー・カイラム
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