ネット右翼とは、広義ではインターネット上で右翼的・保守的・国粋主義な発言や行動を取る人々の呼称である。狭義の捉え方は各個人によって差異がある。ネトウヨという略称で呼ばれることが多い。
概要
ネット上の右翼というもの自体はネット黎明期から存在しており、それを意味する「ネット右翼」という用語も遅くとも1999年には既に登場していた
ことが確認されている。
2002年の日韓W杯のあたりから自由主義史観(ここでは特に日本の植民地政策や戦争を正当と評する史観であり、自虐史観に反対する史観)の浸透と中国や韓国の反日ナショナリズムに触発された嫌中嫌韓ナショナリズムの高揚が起こり、ネット右翼は急速にその勢力を広げ、2000年代後半にはネット上の政治的意見の過半を占めるに至った。さらに、ばらばらな個人だったネット右翼が団結してデモや不買運動を起こしたり、継続的なグループや組織を立ち上げるケースも出始めている。
こうした広がりを受け、2010年代以降では政治家や政党、マスコミ、学者もネット右翼を積極的に取り上げるようになっている。肯定側ではネット右翼出身者を選挙の候補者として擁立したり、ネット右翼を支持基盤として取り込もうとしたり、ネット右翼を対象とした出版やグッズ販売(愛国ビジネス)を展開するなどしている。否定側では彼らの思想内容やこれに迎合する動きを批判するほか、人種憎悪的言動(ヘイトスピーチ)を禁止する法律を制定するよう働きかけるなどしている。
自民党もネット右翼を支持基盤に取り込もうと躍起であり、自民党ネットサポーターズクラブの結成や東アジアニュース速報+板のコテハン上がりである三橋貴明の選挙公認、フェイスブック等を介しての安倍首相との直接対話などに取り組んでいる。
ネット右翼の実数は―当たり前といえば当たり前だが―不明である。ただ肯定側の古谷経衡は「全国250万人
」、否定側のやまもといちろう(切込隊長)は「最大で120万人」と、いずれもネット調査などを元に推測している。属性分析も調査の難しさ+調査側のバイアスのために確たるものがないのが実情だが、「30代から40代あたりの男性が相対的に多め」という部分は肯定否定中立どの調査でも共通点として出てきやすい。いずれにせよ、ネット右翼がもはや無視できないだけの大きさを持つ政治勢力、圧力団体となっているのは間違いない。
元来ネット内外を問わず「右翼」「左翼」という伝統的な政治思想分類は、長年の使用で様々なイメージが付いているため付けられる側から嫌われる場合が多く(しばしば彼らは「保守」「リベラル」と呼ばれたがる)、当然ながらネット右翼―ネット上で右翼的な発言や行動を取る人々―の大半は自身を「ネット右翼」と呼ばれることを好まない。「ネトウヨ」という略称もあるが、これは「ネットリ粘着する」とか「虫のようにウヨウヨと湧く」といったニュアンスがあり、蔑称として用いられる度合いが強いため、ますます好まれない。(後掲「”ネット右翼”という言葉への批判」も参照)
定義
もともとの定義は冒頭で書いたように読んでそのままシンプルな「ネットの右翼」である。
しかし、そもそも「右翼」が包括的抽象的概念であることに加え、「マナーが悪い者をネット右翼と呼ぶのだ」といった具合に定義を拡大縮小して使う論者や、「右翼は○○と主張することが多いのだから、○○と主張する者は右翼だ」といった具合に定義と思想傾向をごっちゃにする論者が現れたことから、一部で定義の混乱が生じている。
さらに「ネットの右派はネット右翼」と都合よく言葉遊びや言い換えをしてレッテル貼りを正当化しつつ「ネット右翼が原爆ドームの解体運動をしている」「みんなの党にネガティブキャンペーンをしていた」
などと政治的利用、対立煽りを喧伝する者も混乱の一因である。
またネット右翼と呼ばれることに疑問・不満を持つ人々が「ネット右翼の定義は曖昧であるからネット右翼は存在しない」「ネット右翼とは日本国民のことだ」などと撹乱し、ネット右翼という用語自体を陳腐化しようとする試みを盛んにおこなうようになっていると考える者もいて、一層混乱に拍車がかかっている。
ニコニコ大百科では「ネット右翼の定義」という記事が作られたこともある。
思想と傾向
大体のところは既存の保守・右翼と似たような思想傾向を持つ(だからこそ最初期から「ネット右翼」と呼ばれた)。かつては「伝統的価値観の護持にあまり関心がない」と指摘されることもあったが、最近では非嫡出子への相続分平等化判決に対して家制度の護持を掲げて熱心な反対運動を展開する場面が見られており、既存の保守・右翼の思想傾向を取り込みつつあることが伺える。逆に既存の保守・右翼の側がネット右翼サイドから発祥した思想傾向を取り込むケースも見られており、相互に地続きで影響を与え合う関係にあると言えよう。
以上の点を踏まえたうえでネット右翼について特徴的な部分を取り上げると次のようになる。
- 戦前戦中の大日本帝国政府が引き起こした加害行為をえぐり出すような言論に対し「自虐史観」「反日外国政府の侵略であり、それに加担する売国」というレッテルを与えて激しい非難を浴びせる者が多い。そして、そうした言論を行う者に対して根深い報復感情を持つ者が実に多い。こうした報復感情は、後述するような韓国人や中国人やリベラル・左翼やマスコミに対する執拗な攻撃の原動力となる。
- 韓国人や中国人に対して民族レベルでの嫌悪感や蔑視感、憎悪感情を表明する者が少なくない。またこうした嫌韓や嫌中の感情を表明してもネット右翼のコミュニティの内部で咎められることはあまりない。ちなみにマンガというわかりやすい媒体で『戦争論(小林よしのり)』という著作にて自由主義史観を論じ、ネット右翼の成長に一役買ったとされる小林よしのりは、当初ネット右翼を好ましく見ていたものの、この点だけは耐え切れず結局ネット右翼を批判するようになった。他にも櫻井よし子などのように「ネット上の右翼優位構造は素晴らしいことだが今のネット右翼の人種憎悪ぶりだけは勘弁してくれ」とする保守系論客は多い。
- 「国内のリベラル・左翼は日本を貶める悪意を持っている」と真剣に確信している者が多い。そのため両者の対話はまず成立せず、「反日」「売国」「国賊」というレッテル貼りを行うとともに排除の対象とする。現実世界のコミュニティとは異なりネットの政治的議論の場ではエコーチェンバー現象により同じような考えの者ばかり集まり、その中でもより先鋭的な意見が生き残ることになりやすいため、こうしたスタンスでもコミュニティ内での衝突は起こらない。またこうした考え方を抱えるがゆえに、「自分は『普通の日本人』であり、相手が反日だから叩いているだけ。自分は右翼ではない」という自己認識の告白が多く見られる。これは彼らが「右翼」「ネット右翼」と呼ばれることを嫌っているがために引き起こす行動の1つである。
- 上記の延長線上として「日本のマスコミは日本を貶める悪意を持って情報を捻じ曲げている」と考え、それを「マスゴミ」とか「オールドメディア」といった蔑称で敵視し、それに対峙する存在としてネットを位置づけ重要視することが多い。これはネット上に彼らの主張や思想と合致する意見や情報が多く、マスコミの流す情報には少ないことに起因しているとも言える。一方で確証バイアスの罠にかかってしまい、ネット発のデマの発生源になってしまうこともある。著名なものとしては土井たか子在日認定デマ(Willが裏付けなしに記事にして人格権侵害で訴えられ敗訴)、尖閣諸島職員殉職デマ(淫夢ネタに釣られて拡散、平沼赳夫議員がテレビで紹介)、李田所デマ(こちらも淫夢ネタ)などが挙げられる。こうした姿勢は「ネットde真実」としばしば揶揄される。
かつては「ネット右翼の中では漫画やアニメゲームの表現規制については否定的な声が多い」とされ、これは道徳や風紀を理由に表現規制を望む既存の保守・右翼との大きな違いとして挙げられていた。しかしこれらは表現の自由を守るためではなくリベラルに対抗するために主張していた節があり、古谷経衡などの影響や「反対運動は左翼を利する」といった理由から一定の規制を容認する声も増しつつある。さらには「日本文化に敬意がない」という理由でゲームの発売中止署名を展開することもあり、このような特徴は過去のものになった。
「ネット右翼は自民党の支持者だ」という指摘がときおり見られるが正確性を欠いており、「ネット右翼は右派が主導権を握ったときの自民党の支持者だ」という指摘がより正確なものである。自民党は伝統的に左派と右派の両方を包摂した政党であって、自民党の党内で左派が主導権を握るとその途端にネット右翼は自民党を批判し始め、その一部が自民党以外の右派政党への支持を表明し始める。次世代の党(たちあがれ日本)、維新政党・新風、日本第一党、日本保守党、参政党などである。
ネット右翼は、右派が主導権を握ったときの自民党に対して熱烈に支持することが多く、左派が主導権を握ったときの自民党に対して「自民党も左寄り過ぎて不満だが、相対的に他よりマシだし、党内に共鳴できる右派議員も居るから、一応は支持してやる」くらいの関係になることが多い。こういった性質は街宣右翼や新右翼と同じである。
2014年東京都知事選挙においてネット右翼はこぞって田母神俊雄を推し、自民党が推す舛添要一を「左派である」と見なして共産党候補以上のネガキャン対象にした。このことからもわかるように、ネット右翼は決して自民党の全てを容認するわけではなく、むしろ自民党の左派を激しく攻撃する。
ネット右翼とSNSで対峙することが多い人は、SNSで「ネトウヨの理想とする国は北朝鮮」と指摘することが多い(検索例
)。愛国政党による一党独裁を肯定して野党の存在を徹底否定する、強権的指導者に対する絶対的忠誠と崇拝をする、強権的指導者を批判する者は「売国奴」と非難する、自国を賛美するテレビ番組が毎日流れる、軍事大国を目指し核武装を肯定する、核武装の結果として世界中を敵に回すことを意に介さない、国威発揚を何より好む、貧富の差が極端に拡大した格差社会である、といった国家をネット右翼は好む傾向にある。そうした国家は北朝鮮とそっくりだというのである。
2022年7月8日に安倍晋三銃撃事件が発生した。その直後から、加害者の一家が統一教会の搾取に苦しんでいたことや、安倍晋三が統一教会の教祖に敬意を表したことや、統一教会が韓国の宗教団体でエバ国家という反日の教義を堅持していてその教義に基づいて韓国に対する贖罪意識を日本人信者に植え付けていることが生々しく報道されるようになった。そうした報道を受けてもネット右翼と呼ばれる者たちは統一教会を積極的に批判せずひたすら沈黙を決め込んだ。このようなネット右翼の態度は、ネット右翼を観察する者たちに驚きを与えた。「ネット右翼は、外国や左翼からの批判を受けている自民党の右派を批判せず保護することに興味を持っているが、反日の教義を持つ外国の宗教団体からの搾取を受けている自国民を保護することにはさほどの興味を持っていない」という性質が安倍晋三銃撃事件のあとに判明した。また、「ネット右翼は自民党の右派に飼いならされるだけの存在ではないか」「ネット右翼は権力者の私兵であり走狗であって権威主義の体現者ではないか」という分析が行われるようになった。
ネット右翼は、右派が主導権を握った自民党に対してマスコミが批判する光景を見ると「マスコミのいうことは信用ならずマスコミはマスゴミとしかいいようがない」という拒絶反応を示すが、右派が主導権を握った自民党の支持率の高さを示す世論調査をマスコミが発表すると「マスコミのいうことは信用できるのだから右派が主導権を握った自民党の支持率が高い現実を受け入れろ」と言って周囲を威圧する傾向にある。同じマスコミであっても、自分の気に入らないことを言うと「信用ならないマスゴミ」といい、自分の気に入ることを言うと「信用できる」というのであり、一貫性の無い言動を平気で行う。
ネット右翼を対象とした研究
大阪大学准教授の辻大介がモニター調査で無作為に抽出したサンプルを用いてネット右翼の実証的な研究をしている。それによればネット利用自体がネット右翼化につながるということはなく、特に2ちゃんねるの利用が排外主義と強く関係している。また、ネット右翼的な層は、友人の数との関連はないが、一般的に他人を信頼せず、対人関係における孤独感が強い傾向がある。因みに孤独感の高さは排外意識の高さ、嫌韓、嫌中と相関しており、嫌中より嫌韓とより強く相関している。
ネット右翼的な論調が主流を占めるサイト等
「百聞は一見に如かず」と言うことで、ネット右翼の思想傾向については実際にネット右翼的な論調が主流を占めている掲示板・SNS・まとめブログ等をざっと眺めておくと理解が早くなると思われる。以下に挙げるサイトはそれらの中でも特にアクセス数や書き込み数が多い掲示板・ブログや、構成員が多い団体の公式サイトなどである。
| 2ちゃんねる | 2ちゃんねるまとめサイト |
|---|---|
ニュース速報+板 / リンク
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あじあにゅーす2ちゃんねる / リンク
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ニュース速報板 / リンク
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痛いニュース(ノ∀`) / リンク |
東アジアニュース速報+板 / リンク
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おーるじゃんる / リンク
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既婚女性板 / リンク
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キムチ速報 / リンク
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オカルト板 / リンク
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黒マッチョニュース / リンク
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ハングル板 / リンク
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厳選!韓国情報 / リンク
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大規模OFF板 / リンク
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常識的に考えた / リンク
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| まとめWiki等 | 政経ch / リンク
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国民が知らない反日の実態 / リンク
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大艦巨砲主義! / リンク
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国民が知らない日本の危機 / リンク
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2ちゃん的韓国ニュース / リンク
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選挙前.com / リンク
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【おーぷん】気になったニュース(`・ω・´) / リンク
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| SNS・団体 | News U.S. / リンク
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my日本 / リンク
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ネトウヨ速報 / リンク
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SNS-FreeJapan / リンク
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ハムスター速報 / リンク
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在日特権を許さない市民の会 / リンク
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保守速報 / リンク |
| その他 | ボロロン速報 / リンク
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Yahoo!ニュース(コメント) / リンク
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U-1速報 / リンク
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ニコニコ動画(政治カテゴリ) / リンク
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笑韓ブログ / リンク
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余命三年時事日記 / リンク
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なお上記の2ちゃんねるまとめブログはその大半がアフィリエイトブログである。中には「厳選!韓国情報」や「News U.S.」のように、アフィリエイトを行っているにもかかわらず、2ちゃんねる側が義務付けていたニコニコ大百科への登録等を行わずに済ませたブログも散見される。後に2ちゃんねるのレス転載が全面的に禁止されたため、現在はこれらのブログの大半が2ch.scを経由した無断転載、およびおーぷん2ちゃんねるからの転載に切り替えている。
ネット右翼的な論調を売りとする2chまとめブログはローコストで安定した集客を見込める「優良ビジネス」であるため、金儲け目的の扇動的なアフィリエイターが入り込んでいるとの指摘もある[1]。
ネット外での政治活動へ
最初期のネット右翼はもっぱらネット上でのみ活動していたが、やがて同志を募ってネット外も含めた様々な政治運動に取り組んでいく者が現れるようになった。現在の政治状況に対して同じような不満を持つ人々が集まっている以上、こうして現実世界へ訴え出て政治社会を変えようとする動きになるのは当然のことだったと言える。
なおこうして外へ飛び出していった人々も「ネット」右翼に含めるかは争いがあり、特に彼らが何かしらの事件を起こした際に「あれは右翼であってネット右翼ではない」という反論が登場する。ただ活動の源流がネットにあり主張や思想がネット右翼のそれと地続きであれば、それもネット右翼の活動の一種として扱われることが多い。
ただこの種の活動に携わっていた団体の幹部が逮捕された際に「ネット右翼幹部を逮捕」
という見出しで報じた新聞記事に対しては、ネット右翼として扱う側からも「『ネット右翼』は集団であって組織ではないだろw」と突っ込みを入れられることになった。ちなみにこれを報じたのは日刊紙最右翼の産経新聞である。ここ数年なぜか産経はネット右翼が結成した団体に対しては他紙が無視するような不祥事を嬉々として報じたりと風当たりが強い。フジデモで事実上の後ろ盾のフジテレビを攻撃されたことを根に持っているのではないかとも囁かれているが…
ネット右翼が行う政治活動の具体例としては、簡単なものではまとめサイトや動画を作成することによる宣伝活動、抗議対象やスポンサーへの電凸・メル凸、ネット内外での署名集め、ビラ配り(しばしば「うっかり」と称して置き忘れたフリをする)などがある。露出が多くヘビーなものとして街頭での街宣(しばしば署名集めやビラ配りが併合する)、そして花形としてのデモ行進がある。どちらかと言えば簡単な活動のほうが頻度が多い。また活動の参加者募集から活動報告に至るまで、あらゆる場面でネットがフル活用されるのも大きな特徴である。
これらの活動をするにあたっては、特定のテーマ一回限りの活動としてその都度同志を募る(大抵は勝手に集まる)タイプと、組織やグループを結成して様々なテーマの活動をメンバーが継続的に行っていくタイプの二つに分かれる。
- 単発型
ネット右翼が多く集まる掲示板などで、ニュースなどで話題になった問題について行動(普通は抗議行動)が必要との空気が高まると、誰が言い出すともなくまとめや動画を作成したり、スポンサーを確認して抗議先を拡散したりという動きが現れる。燃料が少なかったり音頭を取る人間が現れなかったりすると、各自が勝手に電凸やメル凸を少しして終わりになる場合もあるが、燃料が多く運動をまとめる意欲がある者が現れると活動は盛り上がり、「拡散」が順調に進み、場合によっては打ち合わせを経て街頭での活動に乗り出す方向に向かうことになる。
このタイプは自然発生的な色彩が強く、元の問題に対する関心が薄れると活動自体も下火になる。このタイプの運動で最も大規模なものとして2008年の変態毎日新聞問題、2011年の韓流フジテレビ批判騒動の2つが挙げられるが、これ以前にも反外国人参政権、反人権擁護法案などをテーマに単発の運動は数多く見られていた。特にフジ騒動ではなんと公称8000人を動員しての大規模デモが実現し、ネット右翼という集団がもはや無視できない政治勢力に成長していることを満天下に知らしめた。 - 組織型
ネット右翼らがネットでのやり取りを経てグループや団体を結成し、一つまたは複数のテーマに継続的に取り組んでいくタイプ。単発型の活動に集まった有志が意気投合して結成するケースもある(大規模OFF板フリチベデモ出身の若宮会講塾など)。ネットでの活動に比重を置く団体としてmy日本、SNS-FreeJapan、しきしま会(旧デトックスジャパン)など。ネット外での街宣やデモに積極的な団体として在日特権を許さない市民の会、日本女性の会そよ風などが挙げられる。
大きいところでは1万人から数万人のメンバーを抱えており、単発型よりも活動規模は大きく、かつ動員ノウハウが蓄積されていることからフットワークも軽い。しかし組織となることでタコツボ化してしまう傾向もあり、過激化して刑事事件を起こし公安やアメリカ政府からマークされるところまで行ってしまったケース(在特会)や、組織間や組織内部で内ゲバを起こして訴訟沙汰になったりリンチ脅迫事件に及んで会員の大半が逮捕されるケース(在特会vs日護会、チーム関西内紛、若宮会講塾内紛等々)も現れている。
ネット右翼と匿名の壁
ネット右翼はネットの匿名性―要するに不法行為にあたる書き込みをしない限り個人と結び付けられることがなく、しかも不法行為だったとしても被害者の泣き寝入りやIPアドレスのログ消失などで追求不能になることが多い―に助けられて初めて存在できるものであり、匿名の壁をはがされるとたちまち消えてしまうのではないかとの疑問がしばしば提示されている。
実際に匿名の壁をはがされて消えてしまったケースとして東アジアニュース板のコテハンたちの事例がある。彼らは典型的なネット右翼として10年弱に渡って朝鮮人への憎悪感情などを表明していたが、転載禁止騒動から色々あって嫌儲板との戦争に突入した際に少なからぬコテの個人情報が過去のレスから暴露され始めると、これらのコテは軒並みものすごい勢いで土下座謝罪を始め、どうか個人特定は勘弁してほしい、今までヘイトを煽ったりして本当に申し訳なかったと言い始めたのである。ここらへんの騒動の流れは「大東亜見聞録」
を参照してほしい。
また2ちゃんねるの●流出騒動では●を買ってネット右翼活動を行っていた面々が今までの発言と個人名を結び付けられるのを恐れて戦々恐々とする様子が見られた(なおネット右翼活動以外にもユニークな性的嗜好の告白、知人の罵倒、勤め先の情報漏えいなど様々なレスを付けていた●持ちユーザーが怯えていた)。
その一方で堂々と実名を出して在特会などの活動に参加したり、顔出しでニコ生をしたりする剛のネット右翼も少なからずいるのも事実である。特に在特会では八木康洋副会長が職場に凸され、懲戒処分を受けたにもかかわらず堂々と活動宣言を出したことが話題を呼び、ネットニュースサイトで取り上げられたりもした。
結局のところ、「匿名だからこそネット右翼をやっている、実名と発言が結び付けられるならヘイトなんかやらず大人しい発言だけしてる」というネット右翼もいれば、「ヘイト的な発言もちゃんと正当な理由があってしている、それと実名が結び付けられて社会的評価が悪くなるのであればそりゃ世間のほうがおかしい」とする勇敢なネット右翼もおり、ここらへんは個人の覚悟や意気込み、自分の発言に対する自信と信念の問題とも言えるだろう。
評価と批判
上述したように概ね右派ないし反左派の主張をしていることため、左派勢力から批判を受けることがしばしばある。その一方で、保守・右翼勢力からは「自虐教育やマスコミの洗脳から目覚めた国民」などと肯定的な評価を受けることも多い。例えば片山さつき参議院議員や和田政宗参議院議員など保守系の政治家や、ジャーナリストの一部には、ブログやTwitterなどを通じてネット右翼と積極的な交流を持ち、国会やメディアで彼らの代弁者として声を紹介する一方で、デモや署名による世論形成を呼びかけるなど蜜月関係を築いているケースも見られる。
しかし最近では、
安倍晋三首相は7日の参院予算委員会で、人種や宗教などで、ある集団をおとしめたり暴力や差別をあおったりするヘイトスピーチ(憎悪表現)が国内で増えていることについて「一部の国、民族を排除する言動があるのは極めて残念なことだ」と述べた。
といった内閣総理大臣によるヘイトスピーチ批判をはじめとし、国籍法問題などでネット右翼と共同歩調を取っていた右派の城内実衆議院議員や、「ゴー宣」「戦争論(小林よしのり)」などでネット右翼台頭の先鞭をつけた漫画家の小林よしのりらなどからも「ネット右翼批判」が現れてきている。また、ヘイトスピーチに対抗した反ヘイトスピーチとも呼べる活動も見られるようになっている。少なくとも、憂国を掲げる彼らにとって、他ならぬ国家政権を担う人物から批判を受けたことは、決して追い風となる出来事ではない。
”ネット右翼”という言葉への批判
前述の通り、「ネット右翼」というこの言葉の使用そのものについて批判的・否定的な考えを持つ者もいる。とりわけ、自身のことをそう呼ばれた経験がある、あるいは該当しうる行動を起こしていたり、それに同調したりする者の多くは、この言葉に対してきわめて否定的な姿勢である。
単に言葉の使用を許容しないだけでなく、「ネット右翼なる者は存在しない」、あるいは「日本人がネット右翼などという言葉を使うことはありえないから、使う者は日本人ではない」などの反論もみられる。
以下は、本記事に寄せられた、批判側による論拠とされる主張のひとつである (これが全てではない)。
批判側の主張 (言葉の使用者について)
”ネット右翼”という単語はある特定の話題に集中して用いられる。言ってみれば特定の話題になる と「ネット右翼」と批判する人間が出てくるということである。下記の「ネット右翼的な論調が主流を占めるサイト等」を見ても分かるように政治の話題、特定 の国・民族の話題を多く取り扱う場所でそれらを批判するために用いられる。 具体的に言えば「ネット右翼」という単語は「在日朝鮮人」や「韓国」の話題に対して集中して使われる。 一方で保守的な人間と対立関係にありそうな北朝鮮や中国などの話題ではこれらの単語が使用されることは多くない。 本記事中にその名が登場するジャーナリストである安田浩一や李信恵、民主党の有田芳生やカウンターデモを行うしばき隊などは全て韓国・民団(在日朝鮮人) に関わる人物である。 一部では「中国人に対して憎悪を抱いている人間もネット右翼に含まれる」という主張があるが、中国、中国人、北朝鮮の話題を取り扱っている際の2ちゃんね るのまとめサイトや保守系サイトまたは中国に対する抗議行動でこれらに対し「ネット右翼」という批判が行われることは殆ど無い(1999年に登場した単語 であるはずなのに2008年の中国政府によるチベット弾圧時の抗議活動は「右翼団体」という表現は用いられても「ネット右翼」による抗議という報道は全く されなかったため)。 つまり「ネット右翼」という言葉は”朝鮮人に対して批判を行う者”に向けられる言葉といえる。
在日朝鮮人向けの民団 新聞で自身らの批判者を「ネット右翼」の単語を多用して批判していることを見ても分かるように、「ネット右翼」という単語が一般的に普及したのは日本に嫌 韓感情が広まってからである。これらの感情が広まった原因として上げられるのは2011年のサッカー韓国代表の奇誠庸の日本人の侮辱問題、2012年の韓 国大統領李明博の竹島上陸や(自分で招待しておいて)「天皇が韓国に来るなら土下座しろ」発言、在特会の抗議活動に対する在日朝鮮人の暴力行為などが挙げ られる。これらにより一般の層まで嫌韓が広まり、チベット弾圧時の在日中国人の応対より暴力的な在日朝鮮人に対して非難の矛先が向かうようになった。この 批判を躱すために使用された言葉が「民族差別」であり「ヘイトスピーチ」である。
在日朝鮮人とその支援者はこれらの朝鮮人への批判を向ける者を「ネット右翼」と定義し逆に批判した。 これがネット右翼という単語の使用者が朝鮮人関係者に集中している原因である。
関連動画
関連項目
用語
多く所属するとされる団体
自称したり周囲から与えられたりする称号・表現
盛んに行う行動、かつて行った行動
敵視する権利
敵視する相手
- 特定アジア(特ア)(特亜)
- 在日
- 反日
- 非国民
- 売国
- 売国奴
- 国賊
- 自虐史観
- マスコミ
- オールドメディア
- マスゴミ
- 左翼
- ネトウヨ連呼厨(連呼リアン)
- チョンモメン
- レイシストをしばき隊(対レイシスト行動集団)
- 男組
いかにも敵視しそうなのにあまり敵視しない相手
脚注
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- 208
- 0pt


