このカードの専用サポートである「ネフティスの導き手」についても本項で解説する。
概要
ネフティスの鳳凰神
「FLAMING ETERNITY」(2004年11月25日発売)で初登場。パックのイラストとなったモンスターである。
効果モンスター
※「ストラクチャーデッキ-炎王の急襲-」収録のカード(SD24-JP004)による
星8/炎属性/鳥獣族/ATK 2400/DEF 1600
このカードがカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、
次の自分のスタンバイフェイズ時にこのカードを墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚に成功した時、フィールド上の魔法・罠カードを全て破壊する。
一番の特徴は何度効果破壊されても復活し、そのたびに「大嵐」を使えるような効果である。
「ネフティスの導き手」などから比較的容易に特殊召喚できるほか、登場当時はコントロールを奪う「洗脳-ブレインコントロール(2010年以降使用禁止)」などの規制も緩かったため、モンスターを奪ってそれを生け贄に捧げる(リリースする)ことでも出せた。一度出してしまえば効果破壊による対処は難しくなり、相手は戦闘破壊によってこのカードに対応しなければならない。
特に登場したころは、攻撃力が低めな欠点をカード効果の破壊で補うガジェットが人気であったため、破壊されてもしつこくよみがえるこのカードは注目された。
自分のカードで破壊してもよみがえるため、「激流葬」で相手モンスターを巻き込みながら破壊し、さらに復活後に魔法・罠も破壊できるというおいしいコンボもある。復活直後なら相手は魔法・罠による防御ができず、「激流葬」で厄介なモンスターも除去してあるので、いい具合に戦闘で活躍できる。
その復活力と魔法・罠破壊効果を警戒されてか、2005年3月1日の制限改訂で制限カードに指定された。
しかし、何度効果破壊されても蘇るということは、効果破壊以外の手段で除去されたら蘇れないということでもある。
「強制脱出装置」などで手札に戻されたりしてしまってはどうしようもない。また、「破壊され墓地へ送られ」なければ効果が発動しないため、「マクロコスモス」などで除外されてしまうと苦しくなる。単純に高攻撃力のモンスターで戦闘破壊されるのもつらい。
一度は制限カードに指定されたものの、破壊によらない除去手段が増え、攻撃力のインフレーションが起きてこのカードの戦闘破壊も容易になったことなどからこのカードは脅威ではなくなっていき、2007年3月1日の制限改訂で無制限カードになった。
それ以後も攻撃力のインフレは進み、シンクロ召喚・エクシーズ召喚・ペンデュラム召喚の登場などによってますます戦闘破壊の危険は高まっている。そのため、このカードを中心に据えたデッキは活躍が難しくなっている。
しかしシンクロ召喚などの導入以降も、「ユベル-Das Abscheulich Ritter」と組み合わせてモンスターと魔法・罠を毎ターン除去するコンボや、自分モンスターを破壊してライフを回復する「デストラクト・ポーション」など、相性のいいカードも増えている。また、ランク8のエクシーズモンスターにつなぐこともでき、「No.40 ギミック・パペット-ヘブンズ・ストリングス」との相性もいい。
特に炎王との相性は非常に良く、「炎王の急襲」でデッキからリクルートしたり、「炎王炎環」で破壊と蘇生を兼ねたり、「炎王獣 ヤクシャ」で手札から破壊して効果を発動したりできる。
また「炎王神獣ガルドニクス」と並べれば毎ターン大嵐&ブラックホールを見舞う強力なコンボも可能。
全盛期ほどの大活躍は厳しくとも、相性の良いカードと組み合わせる事でまだまだ戦えるだろう。また、数年おきにダーク化カード、メタファイズ版などの亜種も登場している。
「N・アクア・ドルフィン」などによって、フィールド以外の場所で破壊されても効果は発動するが、特殊召喚の効果にチェーンして「天罰」、「神の警告」などを使用された場合、特殊召喚は無効になるが「墓地で破壊される」ということは不可能であるために、破壊された扱いにならず、次のスタンバイフェイズに復活することはできない。
ただし、復活した後の魔法・罠破壊効果に「天罰」などを使用された場合、フィールドで破壊されて墓地へ送られるため、カードの効果で破壊された扱いとなり復活できる。
また、アドバンス召喚などを無効にして破壊された場合は復活できる。
「破壊され墓地へ送られ」る必要があるため、破壊して除外された場合などは復活できず、破壊せずにリリースなどの手段で墓地へ送られた場合も復活できない。また、はっきりとは書かれていないが、破壊され墓地へ送られた後、次の自分のスタンバイフェイズまでの間に除外された場合、たとえその後「異次元からの埋葬」で墓地に戻したとしても復活できない。そのため、「D.D.クロウ」などは天敵である。
ネフティスの導き手
「ネフティスの鳳凰神」と一緒に「FLAMING ETERNITY」で初登場。
効果モンスター
※「DUEL TERMINAL -オメガの裁き!!-」収録のカード(DT11-JP010)による
星2/風属性/魔法使い族/ATK 600/DEF 600
このカードと自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースして発動する。
自分の手札またはデッキから「ネフティスの鳳凰神」1体を特殊召喚する。
必要なリリース(生け贄)の数は通常のアドバンス召喚(生け贄召喚)と変わらないが、デッキからでも呼び出せる。
レベル2、魔法使い族の上、攻撃力も低いため、さまざまなカードから特殊召喚できる。共にリリースする相手は何でも構わないので、効果の条件を満たすのも難しくなく、「見習い魔術師」などを入れておけば無理なく「ネフティスの鳳凰神」につなぐことができる。
また、「切り込み隊長」や「ゴブリンドバーグ」、「召喚師セームベル」などで素早く「ネフティスの鳳凰神」まで持っていくこともできる。一緒にリリースするのはトークンでもかまわないので、「スケープ・ゴート」なども使える(デメリットのため、前ターンに発動しておく必要はあるが)。
汎用性の高いカードから呼び出せるため、優秀なサポートではあるが、単体になってしまうと役に立たないので、上手くサポートと組み合わせてやりたい。
また、墓地にまでは対応しないので、手札・デッキの「ネフティスの鳳凰神」を全て出しつくすと基本的には用済みになってしまう。そのため、採用枚数には注意したい。「召喚師セームベル」と一緒に使うのであれば、ランク2のエクシーズ召喚も可能。
2018年には「ネフティスの悟り手」など、ネフティスと名のつくカードに関するサポートカードが登場。
カード効果としては「ネフティスの鳳凰神」のサポートに過ぎないが、ヘソ出しの露出度の高い衣装や、何だかはいていないようにみえることなどから、「ネフティスの鳳凰神」とは別にファンがいることもある。
でも、一番のポイントは頭にかぶっている兜で目が隠れていることによって、表情の読みにくい神秘的な魅力があること、そしてよくみると口元が笑っていることだと思うんです。
名前の由来
ネフティス(Nephthys)は、エジプト神話の女神。セトの姉であり、妻でもある。
弟のオシリスとの不倫によって、冥界の神アヌビスが生まれた。
鳳凰は、中国神話における伝説の鳥。資料によって記述は違うが、体にはいろいろな生物の特徴があり、5色の羽を持つという。天子が正しい政治を行うと現れるとか。
また、このカードの英語名で鳳凰神に当たる部分は「Sacred Phoenix」となっている。sacredには「神聖な」と言う意味があり、日本語名の「神」に当たる部分だと思われる(直接Godを使用すると宗教的に問題があるためか、海外名には用いられない)。
日本語名の「鳳凰」に当たる部分はPhoenixとなる。本来、鳳凰とフェニックスは別物であるはずだが、鳳凰をチャイニーズフェニックスと呼称したり、Phoenixと言う星座が「ほうおう座」と訳されるなど、両者が混同される場面は多い。
何度も復活する効果は不死鳥と言われるフェニックスにふさわしい効果である。そのため、海外スタッフがその効果から、鳳凰を直訳せず、あえてイメージに合ったフェニックスを使用した可能性もある……かも(鳳凰とそのまま訳したい場合はFenghuang。「鳳凰」と言うカードの英語名はこれ)。
おまけ
- 「ネフティスの鳳凰神」は炎属性だが、「ネフティスの導き手」は風属性である。鳳凰は朱雀と混同、同一視された影響から火の属性を持つとされるが、本来は風属性であるという。2体の属性の違いはここからきているのかもしれない。
- 後に「ダーク・ネフティス」という「ネフティスの鳳凰神」がダーク化した設定のカードが登場している。
- 「EXPERT EDITION Volume.3」、「DUEL TERMINAL -オメガの裁き!!-」で2体とも再録されている。
また、「ネフティスの鳳凰神」のみ「MASTER COLLECTION」、「ストラクチャーデッキ-炎王の急襲-」にも収録。 - 「鳳翼の爆風」のイラストに「ネフティスの鳳凰神」が登場している。また、「鳳凰神の羽根」なるカードもある。
- 「FLAMING ETERNITY」はDMとGXの移行期に登場したパックであるため、内容としては遊戯ら原作・DM陣のカードを収録しながら、CMなどはGXの主人公である十代(役の声優)が担当していた(一つ次のパックからGX陣のカードが登場)。パッケージから遊戯の姿が消えたのもここからであるが、このパックや一つ次のパックにはDM陣のカードが収録されているため、完全にDMが姿を消すのは二つ後のパックになる。
後の5D's、ZEXALへの移行時は、きれいに移行したため(商品名自体も変えている)、通常パックに旧シリーズと新シリーズが混在するようなことはなかった。
また、一つ次の「THE LOST MILLENNIUM」からの通常パックは、アニメで活躍したモンスターがパッケージを飾るようになったため、OCG出身のカードがパッケージを飾ったのは今のところ「FLAMING ETERNITY」が最後である。
その他の作品において
- エキスパート2006、WCS2007,2008では対戦相手として「ネフティスの鳳凰神」が登場する。
- WCS2008では「ネフティスの導き手」にバグがあり、自分フィールドに「ネフティスの導き手」を含め5体のモンスターがいる場合、効果が使用できない。恐らくフィールドにおける上限までモンスターがいるためにこれ以上は出せないと判断されて効果が使用不可になるのだと思われるが、実際は効果発動の際にモンスターを2体生け贄に捧げることになるため、フィールドに空きができることが明らかなので、効果は発動できる。
- DUEL TERMINALで「ネフティスの鳳凰神」と「ネフティスの導き手」を両方スキャンすると、隠しデッキ「鳳凰神の復活」が使用可能になる。
関連動画
関連商品
関連項目
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- 0pt