これからおこる可能性のひとつを空想してみるのと同じ感触で
過去は幻想にまぎれる。
彼女のひだり目の中にわずかな傷をみつけたのは、
いま一瞬の
ここではない。
ノスタルジア1907とは、1991年にタケルから、シュールド・ウェーブのブランドで発売されたアドベンチャーゲーム。
PC-98、X68000、FMTOWNS、MEGA-CDで発売されており、MEGA-CD版のみフルボイスとなっている。
概要
1907年、北大西洋上の豪華客船ノスタルジア号が爆撃とともにハイジャックを受けた。
そして発見される声明文。
「船長以下クルーは以下の命令を実行せよ。『ロシアの霧』を探しだせ」
爆弾が日本製であることがわかり、乗客の中で唯一の日本人であったヤマダ・カスケに容疑がかけられる。無実を証明するためにヤマダは、犯人、そして『ロシアの霧』を見つけ出すべく奔走するのであった。
1991年、タケルから発売されたゲームソフト第一号のアドベンチャーゲーム。いわゆる探偵もので、ハイジャック事件に巻き込まれた主人公が自らの身や乗員の命を守るためにパシリ奔走するというストーリー。基本的に架空の世界観ではあるものの、しばしば実在の人物をモデルとしたキャラクターも登場する。
舞台はトランス・アトランティック社で2年前に竣工した全長112.5メートルの豪華客船「ノスタルジア号」。日露戦争後の混乱が濃く反映された世相や客の人間模様、国際的な混迷の中で、推理を進めていく。プレイヤーは取り調べ時、積極的・消極的などの「態度」を直感的に選ぶことで捜査していく。
グラフィックの全面はセピア色に彩られており、ドット職人・転清(木榑孝)氏による圧倒的な絵柄や、鞠川雪映の手がけたノスタルジックな楽曲群、シナリオライターの独特な文体・台詞回しのセンス、MEGA-CD版の声優の演技も相まって非常に独特の世界観を作り出している。
テキストには当時の差別用語なども登場するので、苦手な人は注意が必要。また楽曲をまとめたサウンドトラックが同梱されていたのも特徴であろう。
続編として翌年に「PRESENCE」が発売されている。
登場人物(一部)
- ヤマダ・カスケ(CV:金田一仁志)
- 主人公。四井商事の日本人海外派遣社員。爆弾に使用されていた火薬が日本製だったのでテロの容疑者となり、その容疑を晴らすべく奔走することとなる。
- イリーシャ・グランセリウス(CV:菊池美由紀)
- ヒロイン。画家志望の美術学校生。愛称イリュ。ヤマダとは、船内でインディアンポーカー・ゲームを行うことで知り合った。また、ヤマダの隣の部屋に泊まっていた。
- ロバート・アッシュビー(CV:岡田雅夫)
- 英ロイド社の保険連帯保証人で、もしノスタルジア号が沈没した場合多額の損害賠償がかかってしまうため内心焦っている。探偵デュナンが乗り合わせていたので推理を依頼、結果としてヤマダに容疑がかかることになった。
- レイモンド・デュナン(CV:山野久治)
- パリ在住の私立探偵。自称検挙率100%のエリート。アッシュビーの依頼を受けて捜査を行った結果、爆弾の火薬から日本国籍のヤマダに容疑をかける。
- カール・グスタフ(CV:瀬川新一)
- スイスの医者だが飲んだくれで外科医としての手腕はあてにならない。代わりにもっぱら精神医学に傾倒していて、フロイトの批判に饒舌。心理学を通してヤマダに協力してくれ、通称カール老。
- ルーティ・ルグラン(CV:森山由美子)
- キャリアウーマンを夢見る、フランスの美術画商ブラックの秘書。内心、複雑な心理状態をもっている。
関連動画
関連項目
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