ノットトレジャーハンターとは、1996年12月20日に発売された、アクティアート製作のプレイステーション専用ソフト、アドベンチャーゲームである。
タグではカタカナ表記だが、プレイステーションオフィシャルサイトのゲーム一覧に掲載されている表記は「NOT TREASURE HUNTER」である。ゲームパッケージには英語、カタカナの双方で表記されている。
概要
3Dゲーム黎明期の謎解きアドベンチャーゲームとして、間違いなく名作に入る。…はずだったのだがあまり売れ行きがよくなく、結局ワゴン送りにされてしまった。挙げ句の果てに中古14円などで売られてしまう羽目に。
固定画面視点での謎解きアドベンチャーで、当時としては珍しいマルチエンディング方式を採用している。計50種類ほど用意されているようだが、実際はトゥルーエンド1割・バッドエンド9割のバランスなので、普通に遊んでいると確実に主人公が死ぬ。
イベントシーンで選択肢が表示され、選んだ項目によって展開が変わる。しかも選択肢には出現条件があり、全てのイベントを見ることは意外と難しい。ただしコマンド入力の裏技で、全ての選択肢を最初から開放することもできる。
ちなみにこのゲームの発売元の「アクティアート」は本ゲームしか発売していない。少なくともプレイステーションでもう一作発売する予定があったようだが、実際には世に出ることは無かった。
なおこれから購入・プレイを考えている人は、プレイステーション2およびプレイステーション3では正常にプレイすることができない[1][2]という点に注意が必要であろう。非公式ながら、PSPやPSVita向けのカスタムファームウェアへの変換によるものでの動作は可能。
後述するネタなどを含めレトロゲーマー達の目に留まったことで、近年はこのゲームの中古価格が上がり始めている。2008年で14円だった汚点は払拭され、現在は販売当時の価格前後にまで跳ね上がっている。
あらすじ
さぁ、君もまだ見ぬ冒険にチャレンジしてくれ。
イギリスの豪邸に住む主人公、ジェームズ・アークライト(男性 29歳)。彼は古代文明の謎に人一倍の興味を持っていて、現在に至るまで様々な遺跡を探索してきた。数々の遺跡には幻の秘宝が、価値ある財宝がたくさん眠っている。しかし、彼にとってソレは金目のものではない。彼はその財宝を使い、古代文明の謎を解き明かす事に利用している。そう、彼は財宝を金に換える「トレジャーハンター」ではない。
そう、彼こそが「ノットトレジャーハンター」なのだ!
ある日、彼に宛先の無い奇妙な手紙が届く。そこには道の古代文明について書かれており、それを読んだ彼は、早速その未知なる冒険へと足を踏み出したのである。
このゲームのトレジャー
注目すべきはなんといっても豪華すぎる声優陣、そしてパッケージイラストを担当している末弥純氏であろう。
主人公の声を担当する池田秀一氏は、「機動戦士ガンダム」のシャア役、「ONE PIECE」のシャンクス役などを演じる有名声優である。そしてライバルとなる人物(カルミス・ウィッシュバーン)の声を担当する塩沢兼人氏も、同じく「機動戦士ガンダム」に登場するマ・クベ役、「クレヨンしんちゃん」のぶりぶりざえもん役を務めるなどしていて、誰しも一度はその声を聞いたことがあるはずだ。
パッケージイラストを担当した末弥純氏は、数多くのゲームキャラクターやモンスターデザインを手掛け、他多くの作品にイラスト提供している。更に人物は勿論、モンスター、メカニックなども手掛けるベテランイラストレーターで、海外での活躍もしている。
これだけでも充分に価値があるようにも思えるが、問題は制作費の全てをこの3人のギャラに充ててしまったのでは?と思えるほどのゲーム内容にある。
このゲームのノットトレジャー
固定画面による視点での操作なのだが、非常に操作性が悪い。ダッシュ走行も、見た目より遅く、動く歩道の上で全力疾走しているように見える(実況プレイヤーのカルシファーは「ダバダバ走り」と称していた)。
作中に登場する敵モンスターのトカゲ人間は、メンタル面が非常に虚弱なため、見かけたら構ってあげよう。自殺をしかねない。
攻撃はパンチやキックなどの格闘、銃やナイフの武器で行う事ができる。しかし、ナイフや銃はまともに敵に当たらず、使い道がほぼ無いという状態に対し、ハイキックはやたらとリーチが長く、上手くすれば全く後退せずにボス級の敵を倒す事さえ可能である(ファンの間では「英国紳士キック」と呼ばれ親しまれている)。また、前述した選択肢による項目も、明らかに英国紳士としてあるまじき台詞があったり、どうみてもハズレな項目がしっかりと後ろの方の項目に記されていたりする。
例:トカゲ人間に襲われている女性を発見し「私も仲間に入れてくださぁーい!」と叫びながら女性にハイキックするなど。池田秀一の無駄遣いである。
ロード時間がやたらと長い。また、PS2では型番によっては動作すらしないこともある。
トレジャーを見つける度にエンディングとなるので、一プレイにかかる時間は長くて20~30分、短いと5分足らずでクリア可能という親切設計。よってプレイ時間の約半分がスタッフロールとなることも珍しくない。
これらのおかげで「バカゲー」、ややもすれば「クソゲー」と呼ばれることになってしまった。
主な登場人物
関連ムービートレジャー
プレイ動画
TAS
RTA
ED集ほか
関連トレジャー項目
脚注
- *「メモリーカード上のゲームデータをロードするとき、及びゲームオーバー後の画面切替時に画が止まる症状が多発する。」 「プレイステーション 2」(SCPH-75000シリーズ、SCPH-77000シリーズ、SCPH-79000シリーズおよびSCPH-90000シリーズ)における「プレイステーション」および「プレイステーション 2」規格ソフトウェアの互換性についてのお知らせ | プレイステーション® オフィシャルサイト
より引用。
- *「セーブ操作を行った際の画面中央に「NOW SAVING...」と表示された画面で止まる。」 PlayStation®3 ハードにおける動作情報 | プレイステーション® オフィシャルサイト
より引用。
- 12
- 0pt