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ノーザンダンサー
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ノーザンダンサー(Northern Dancer)とは、1961年生まれの加カナダ競走馬種牡馬である。

概要

血統

NearcticNatalma、Native Dancerという血統。
は当該記事参照。ナタルマはニアークティックを生産所有したカナダ・E.P.テイラーの所有馬として走り、まずまず活躍したが、ケンタッキーオークス直前に骨折したため7戦3勝で引退を余儀なくされた。

ナタルマがニアークティックと交配されたのが繁殖シーズン後半だったためか、ノーザンダンサーは5月27日生まれと割と遅生まれであった。

1歳時にセリに出されたが、成長しても大柄にならなかったのも災いして買い手がつかず、結局テイラーが自分で所有することになった。名の由来はニアークティック(新北区)とネイティヴダンサー(先住民踊り子)から取られている。

競走成績

小柄ながら持ち前の強気で他にしばしば悪戯し、牧場ロープやを破壊し、を追いかけ回すという悪ガキだったノーザンダンサーは、実は去勢が検討された。預かったホレイショ・A・ルロ調教師の進言で去勢は免れたが、本当に実行されていたらまず間違いなくサラブレッドの血統史が変わっていただろう。

さて、裂蹄を発症して少しデビューが遅れながらも事にデビューしたノーザンダンサーは、フォーエリー競馬場メイドン(未勝利戦)でのデビュー勝ちを含めてデビューから5戦3勝2着2回とした後、ウッドバイ競馬場へ転戦。ここではカナダ最大の2歳戦・コロネーションフューチュリティを含む3戦2勝を挙げた。その後はグリーンウッド競馬場での1戦を挟み、アメリカ・アケダクト競馬場に遠征。初戦でいきなり当時の重要な2歳戦であったベルモントフューチュリティの勝ちビューパーズを8身差の2着に下すと、続くレムセンSも勝利カナダ最優秀2歳に選出され、アメリカでもケンタッキーダービー補に名を連ねた。

翌年は初戦の一般競走を3着に落としただけの4連勝でフロリダダービー→ブルーラスSと連勝。アメリカ三冠競走第1戦のケンタッキーダービーに2番人気で駒を進めると、レースでは直線入り口で先頭に立つ強気の競馬からクビ差いで2分0フラットレースレコード優勝し、地元カナダは熱狂的な祝福ムードに包まれた。ちなみに1931年まで5月中旬の開催だったこともあり、本は誕生からケンタッキーダービー優勝までの最短日数記録(2歳11ヶ5日)を立した。

続いてプリークネスS勝利三冠の期待がかかったが、工事によってアケダクト競馬場での代替開催となった最終戦ベルモントSプリークネスSで4着に破ったクアドラグルの3着に敗戦し、三冠はならなかった。その後はカナダに凱旋して出走したクイーンプレートを7身半差で圧勝したが、その後屈腱炎を発症し引退した。

通算18戦14勝。カナダ年度代表馬を満票で受賞し、アメリカでも最優秀3歳に選ばれたが、米国年度代表馬ジョッキークラブゴールドカップ5連覇などのおかしな記録を作った7歳騸馬ケルソが選ばれ、ノーザンダンサーは受賞を逃した。

種牡馬として

と、競走馬としてかなりの成績を残したノーザンダンサーだったが、この価が発揮されるのは、種牡馬としての活躍であった。
実際、私達がノーザンダンサーの名前を口にする時、その話題種牡馬としてのものだろう。

略歴を記すだけでも、1970・77・83・84年に英愛リーディングサイアー、1971・77年[1]に北リーディングサイアーとなっている。これだけでももちろん凄いことなのだが、更に凄いのが代表産駒さである。

2年産駒には英クラシック三冠となるニジンスキー日本種牡馬として活躍するフレンチデピュティの祖となった名種牡馬ヴァイスリージェントがいるし、その後も日本で10回ものリーディングサイアーを獲得するノーザンテーストや、リファールダンジグヌレイエフストームバードサドラーズウェルズなどなど、枚挙に暇がない。そして、それらのノーザンダンサーの直たちも種牡馬として活躍し、彼らが生んだカーリアンデインヒルシアトリカル、ストームキャットガリレオなどの近年の活躍種牡馬は、新しい競馬ファンにも染み深い名前である。

ノーザンダンサーの素晴らしい点としては、恐ろしく高い適応が挙げられる。端的に言うと、芝・ダート問わず、そして幅広い距離で活躍を出し、代表産駒が欧・アジアでそれぞれリーディングサイアーを獲得している。更に、その柔軟性は代を経ても受け継がれ、産駒が名種牡馬として各地にしっかりと根付き、まさにワールドワイドの活躍を見せた。厳しい種付け数制限のため、年間の産駒数は僅か28頭だったが、それでも輩出したステークスウィナーは147頭、率にして23.1%に上り、ピーク時には「ノーザンダンサーの精液は、同量のと等しい価値がある」とまで言われた。

結果として、わずか30年弱の間に、世界の血統図はノーザンダンサーを中心としたものに書き換えられ、「19世紀のセントサイモン、20世紀のノーザンダンサー」と、その栄を称えられている。ポスト・ノーザンダンサーとして、ヨーロッパではナスルーラ系の復権、アメリカではミスタープロスペクター系、日本では*サンデーサイレンス系が活躍を送りこんでいるが、ノーザンダンサー系はそれらにもブルーメアサイアーとして血を送り込んでいる事が多々あり、また、ノーザンダンサーの系も依然として幹を為している。このことからも、ノーザンダンサーが塗り替えた近代競馬の血統図は、今しばらくは盤石なものとして続いて行くと思われる。

1965年には人間以外で初めてカナダスポーツ殿堂に名を連ね、1976年カナダ競馬名誉の殿堂が創設されると初年度で殿堂入りし、アメリカでも同年に殿堂入り

大きな栄に包まれたノーザンダンサーは、1987年種牡馬引退した後、1990年11月に疝痛のため29歳で安楽死の措置が執られた。

ブラッドホース誌選定「20世紀のアメリカ名馬100選」では43位。
偉大な功績を残したわりにやや順位が低いのは、アメリカ産ではないからだろうか。

血統表

Nearctic
1954 黒鹿毛
Nearco
1935 黒鹿毛
Pharos Phalaris
Scapa Flow
Nogara Havresac
Catnip
Lady Angela
1944 栗毛
Hyperion Gainsborough
Selene
Sister Sarah Abbots Trace
Sarita
Natalma
1957 鹿毛
FNo.2-d
Native Dancer
1950 芦毛
Polynesian Unbreakable
Black Polly
Geisha Discovery
Miyako
Almahmoud
1947 栗毛
Mahmoud Blenheim
Mah Mahal
Arbitrator Peace Chance
Mother Goose
競走馬の4代血統表

クロスGainsborough 4×5(9.38%)、Chaucer 5×5(6.25%)

主な子孫たち

Northern Dancer 1961
|*ヴァイスリーガル 1966
||ゴールドシチー 1984
Nijinsky II 1967 →ニジンスキーの記事参照
Vice Regent 1967
||Deputy Minister 1979
|||Silver Deputy 1985
||||Posse 2000
|||||*マインドユアビスケッツ 2013
||||||デルマソトガケ 2020
|||*オープンマインド 1986
|||Go for Wand 1987
|||*フレンチデピュティ 1992
||||*ノボジャック 1997
||||*クロフネ 1998
|||||フサイチリシャール 2003
|||||スリープレスナイト 2004
|||||ポルトフィーノ 2005
|||||ユキチャン 2005
|||||ゴールデンハインドII 2006 
|||||カレンチャン 2007
|||||ホエールキャプチャ 2008
|||||アップトゥデイト 2010
|||||ホワイトフーガ 2012
|||||アエロリット 2014
|||||ソダシ 2018
|||||クールフォルテ 2019
|||||ママコチャ 2019
||||エイシンデピュティ 2002
||||サンアディユ 2002
||||アドマイヤジュピタ 2003
||||ピンクカメオ 2004
||||プロヴィナージュ 2005
||||メイショウベルーガ 2005
||||サウンドトゥルー 2010
|||Awesome Again 1994
||||Ghostzapper 2000
||||Paynter 2009
|||||Knicks Go 2016
|||Soto 2000
||||*スーニ 2006
||*パークリージェント 1981
|||リージェントブラフ 1996
Lyphard 1969 →リファールの記事参照
|*ナイスダンサー 1969
||ナイスネイチャ 1988
|*ノーザンテースト 1971
||アンバーシャダイ 1977
|||レインボーアンバー 1986
|||メジロライアン 1987
||||メジロドーベル 1994
||||メジロブライト 1994
||||トーホウドリーム 1997
||アスワン 1979
|||メジロアルダン 1985
||||无敌 2002
||ギャロップダイナ 1980
||シャダイソフィア 1980
||ダイナガリバー 1983
||レジェンドテイオー 1983
||マチカネタンホイザ 1989
|*ノーザリー 1972
||グレートホープ 1986
Be My Guest 1974
|The Minstrel 1974
||*パレスミュージック 1981
|||Cigar 1990
Topsider 1974
||*デュラブ 1982
|||シンコウウインディ 1993
|||トーシンブリザード 1998
||*アサティス 1985
|||ウイングアロー 1995
|||スマートボーイ 1995
||||トウホクビジン 2006
Fabulous Dancer 1974
||ファビラスラフイン 1993
|*コリムスキー 1975
||メリーナイス 1984
|*トライマイベスト 1975
||*ラストタイクーン 1983
|||Marju 1988
||||Indigenous 1993
||||サトノクラウン 2012
|||||タスティエーラ 2020
|||Bigstone 1990
||||*メイショウドトウ 1996
|||オースミブライト 1996
|||アローキャリー 1999
||*ワージブ 1983
|||Royal Applause 1993
||||Acclamation 1999
|||||Dark Angel 2005
||||||*マッドクール 2019
|||||Harbour Watch 2009
||||||Pyledriver 2017
|||||Romantic Warrior 2018
|*スイフトスワロー 1977
||スイフトセイダイ 1986
Danzig 1977 →ダンジグの記事参照
||*デインヒル 1986 →デインヒルの記事参照
Nureyev 1977 →ヌレイエフの記事参照
Storm Bird 1978
||*スプレンディドモーメント 1983
|||チェリーコウマン 1989
||Storm Cat 1983 →ストームキャットの記事参照
||Summer Squall 1987
|||*カリズマティック 1996
||||ワンダーアキュート 2006
*パシフカス 1981
Sadler's Wells 1981 →サドラーズウェルズの記事参照
|*セクレト 1981
||タムロチェリー 1999
Fairy King 1982
||*エリシオ 1993
||*ファルブラヴ 1998
|*ワッスルタッチ 1983
||サクセスエナジー 1996

関連動画

関連コミュニティ

関連項目

脚注

  1. *1977年記録については欧州での賞を加算するかで違いがある。加算しない(北で獲得した賞のみで計算する)場合、この年のリーディングサイアードクターフェイガーとなる。
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21 ななしのよっしん
2022/03/28(月) 01:19:06 ID: 1bh2tnUIyI
たぶんアイスカペイドもCミオスタチン遺伝子を引き継いだんだろうな
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22 ななしのよっしん
2022/07/08(金) 07:23:30 ID: Snm1f6i+vu
欧州はもちろん日本,でもこいつのクロス持ってるか否かはかなり重要になってますね・・・
スピード,パワーはもちろんですけでやっぱり適応が半端じゃないんでしょうね
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23 ななしのよっしん
2023/04/27(木) 23:42:11 ID: Ixxxx8I4IS
全くノーザンの血入ってなくて活躍してるっていないよね? あ、近年の話で。
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24 ななしのよっしん
2023/04/28(金) 00:17:35 ID: 1bh2tnUIyI
>>23
2021年JDDキャッスルトップがそのことで話題になったくらい?
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25 ななしのよっしん
2023/04/28(金) 00:19:43 ID: MpxIpANFLo
エイシンフラッシュヴィクトワールピサの子孫でいないかなと思ったらオニャンコポンだった
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26 ななしのよっしん
2023/04/28(金) 02:33:31 ID: Ixxxx8I4IS
>>24 >>25

情報あり。 いるにはいたんやなぁ…。
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27 ななしのよっしん
2023/07/30(日) 10:14:36 ID: MCzYGoPMk9
この男の踊り子さんマジ最強チンポ過ぎる……
去勢されたら今の種牡馬図どうなってたんだろうな?
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28 ななしのよっしん
2023/12/14(木) 19:18:09 ID: aC0nGyCVvB
>>27
遡ると踊り子さんが居る北味、マルゼン、ディープ、キンカメ等が居なくなるのはデカいですね、ええ

フジキ、ネオユニ、ロブロイマンカフェとかが史実以上に暴れてヘイルトゥリーズン帝国な件は事は変わらなさそう
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29 ななしのよっしん
2023/12/14(木) 20:10:28 ID: NHLCOzxvL6
ヘイルトゥリーズン系が着されたのはND系肌に親和性有りって部分がかなりあるので
そもそも輸入されたかどうか…
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30 ななしのよっしん
2023/12/15(金) 01:41:41 ID: aC0nGyCVvB
>>29
ライスら88年から90年生の重賞がごっそり消えるが、初期のリアルシャダイ産駒重賞
ミュゲロワイヤル、フリートーク、オースミシャダイシャダイカグラ非NDが多めぞ

輸入されない可性ならニックスよりじゃないかね
北味関係で稼いだが消えるのはキツイ
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