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ハイザック

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RMS-106 ハイザック（HＩZACK）とは、アニメ「機動戦士Zガンダム」に登場したモビルスーツである。

RMS-106 ハイザック

ジオンのザクをベースに連邦軍の技術を組み込んだ量産機。
ティターンズの量産機では代表的存在であり、番組序盤から終盤まで、時には雑魚として、時には名脇役として、最も長い期間活躍する。ジェリド・メサをはじめ、名のあるパイロットも何度か搭乗している。

その姿はかつてのザクIIに似せられており、ティターンズが番組内での敵側の組織だということを視聴者にわかりやすくアピールしているが、時代が違うだけあり、量産機ながらディテール過多でもある。
曲線主体の緑の姿、モノアイ、両肩の盾とスパイク、ザク同様の武装と、全体にザクの記号を受け継ぎながらもボリュームアップし、動力パイプなどのディテールが増加。大きなバックパックと脛のスラスターはMSVの高機動型ザクを思わせる。

さらに胴体にはジムやガンキャノンのようなダクト、手持ちのシールドには十字マークと、連邦技術が組み込まれたことをデザインで明快に示している。

設定あれこれ

番組開始時点でけっこう年季が入っている機体なのだが、まだ一線級の量産機である。ジムIIと比べると同時期くらい、ガルバルディβは少し後発らしい。ティターンズのジムIIは本当に序盤しか出てこないこともあり、性能面では負けていないように思われるが異論もある。比較対照とするならジムII辺りになるだろうか。

ジオン残党狩り組織であるティターンズがハイザックを採用した理由としては、あえてジオン風の機体を使うことでプレッシャーをかけているとか、一年戦争後に連邦軍で使っていたF2ザクの評判が良かったためとか、共に後付けめいた解釈・設定がある。
実際の所は制作上の事情で敵味方をわかりやすくするための番組の都合とも言えるが、後々になって辻褄合わせには四苦八苦しているようである。単にティターンズが純粋にザクを高く評価していた、または技術が融合していっただけで深い理由はないというアバウトには行かなかったようだ。
ちなみに小説版には原型がジオン機なので自由に手を加えた結果、連邦系のモビルスーツより良い性能を示したとある。

また、ジェネレーターに問題があり、複数のビーム兵器を同時使用ができないという設定がある（初出不明）。この理由については出力のせいではないと言われているが、諸説ある。昔のゲルググにも同時期のジムII、ガルバルディβにもそのような問題はなく、ハイザック特有の問題である。
どうせ同時に使うことは滅多にないので、片方ずつ持ち替えれば使えそうなものであるが、そうもいかないらしい。

連邦技術が入っているとはいえ、見るからにジオン系の機体であり、Advance of Ζで描写されているように難色を示すティターンズのパイロットもいたようだが、操縦性・性能・汎用性と、運用上の評判は良かったようだ。ビーム兵器に関する不満も本編中では特に聞こえてこない。

ティターンズ以外の一般連邦軍でも採用されており、ジオンらしさの薄れた淡いブルーに塗装された機体も登場する。このティターンズがジオン風カラーという配色設定についても色々と言われるのは上記の通りである。連邦軍はさらに同時期に水中用ザクもマリンハイザックという異名で運用しており、当時の連邦軍全体としてはザクを素直に評価していたのかも知れない。

後に「機動戦士ガンダムZZ」でネオ・ジオン軍が使用しているシーンがわずかにあり、生き残ったハイザックの一部はジオンへ帰化した上に、「機動戦士ガンダムUC」では小説版で旧式化しているハイザックがジオン共和国で運用されている。最終的にジオンに辿り着く機体も多かったのは皮肉である。

そんなふうに劇中では勢力を問わず人気のある機体だが、エゥーゴ側では一部の漫画で稀に見かける程度で、ほとんど運用されていない。理由についてはちょっと考察の余地があるかもしれない。
「Advance of Ζ 刻に抗いし者」では親エゥーゴ側の改造機がようやく登場した。

バリエーション機

RMS-106CS ハイザック・カスタム: サイド2の農業プラント・モルガルデンに潜伏していたティターンズ兵、ソラマ少尉とカラマ少尉が使っていた変種のハイザック。『Zガンダム』第39話「湖畔」でのみ登場するレア機体である。コロニーに潜伏していたため「かくれハイザック」とも呼ばれる（これはゲーム用語の「隠しキャラ」に由来しており、恐らく「カスタム」の方が後に付けられた呼称）。

ハイザックで問題視されていたビームジェネレーターを新型に換装した事で出力が向上。これによりビームランチャーを扱えるようになったため、狙撃戦に特化させるべくモノアイが高精度のものになっている。他にもバックパックや脚部のスラスターを強化して性能を向上させた。
　; ハイザック・カスタム2機は、モルガルデン付近を通りがかったエゥーゴ機をビームランシャーで狙撃し、これまでに9機撃墜の戦果を挙げていた。そこへ黄金のモビルスーツこと百式が現れたため10機目の獲物に相応しいとして狙撃。しかし回避されたため2機がかりで追いすがる。サイド2は中立宙域であり、迂闊に手出しが出来ないクワトロを的確な連携で追い詰めてゆく。ハイザック・カスタムが放ったビームランチャーがコロニーの外壁に穴を開けたため、戦いの舞台はコロニー内部へ移行、そこでも激しく百式と干戈を交える。だが高架橋の下で1機が百式のビームに貫かれて爆散、残った1機は百式と撃ち合いながら林の中を駆けるも、肉薄してきた百式にビームサーベルで叩き切られて撃破された。以降は登場していない。ちなみに「湖畔」はZガンダムが一切登場しない異色回でもある。
　; ハイザックのシルエットを受け継いでいるのだが、その形状が全体的に、漠然と違っており、商品化の際にパーツの流用が効きそうにないという難儀なデザインである。事実、商品化に恵まれていない。ガンダムUCの小説版ではジオン共和国のハイザック・カスタムが出てきて印象に残る役回りがあったのだが、アニメではエピソードごと削られ、登場しなかった。
　; ゲーム『エゥーゴ vs ティターンズ』及び『ガンダム vs Zガンダム』には登場していない……と思いきや、特殊な方法で使用可能になる。ハイザックを選択し、武装をビームランチャーにする事で、ハイザック・カスタム化する。やや限定的とはいえ操作できる。
RMS-119 アイザック: 「ガンダムZZ」で登場した偵察機。頭に巨大なレドームを持つ。『ガンダムUC』では袖付き機が出てくる。; 型番から考えると「Zガンダム」時代には既に存在していたようである。れっきとした連邦製のバリエーション機なのだが、「青の部隊」やネオ・ジオンに運用されており、連邦が使っている姿は見られない。; 「EWAC ザック」と表記してアイザックと読むこともある。
ホビー・ハイザック: 「逆襲のシャア」に登場。ネオ・ジオン所有（？）の民間機で、武装は持っていない。時代遅れとなったハイザックを武装に関するシステムをすべて取っ払った上で民間に払い下げれられた機体。普通の軍用兵器はもの凄い価格だがモビルスーツはホビーに出来るくらいには安いようだ。おもちゃっぽいカラーリングで、いかにも趣味の機体である。; ギュネイ・ガスが搭乗し、アムロと生身対決で結構やばかったシャアの危機を救っている。; 普通のハイザックよりもハイザック・カスタムに似ているのだが、やはり全体的に漠然と違っており、商品化の際にパーツの流用が効きそうにないという難儀なデザインである。事実、商品化に恵まれていない。

これらアニメに登場した3機種のほか、Advance of Ζ シリーズではプロトタイプから強化人間用の超高性能機まで多数のバリエーションが設定された。

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