ハイパーインフレーションとは、
- 物価が短期間で極端なレベルで急上昇すること。第一次世界大戦後のドイツや2000年代のジンバブエが有名。インフレーション、ジンバブエ・ドルも参照
- 住吉九による漫画。少年ジャンプ+にて連載された作品。本項にて解説
概要
「超速!連載グランプリ2019」ゴールドグランプリ獲得作。2020年11月17日より2023年3月13日まで少年ジャンプ+にて隔週金曜日に掲載。キャッチコピーは「言い値で買おう この世界」。
異様なまでのテンポの良さ・独特のワードセンス・熱い駆け引き・明らかにいかがわしい能力発動シーンなど、様々な要素が化学反応を起こした結果、一部で熱狂的な支持を得ている。
あらすじ
ガブール人の少年・ルークとその姉ハルは、ヴィクトニア帝国の奴隷狩りで両親を失う。
7年後、奴隷貿易は禁じられた。帝国の言語・ヴィクト語を覚えたルークは、偽造した粗悪な金貨を帝国の貨幣と両替することでおカネを稼いていた。彼は、稼いだおカネで産業を興して帝国と通商関係を築き、奴隷貿易の再開を牽制して仲間を守ろうと画策していたのだ。しかし、巫女として秩序を保とうとするハル達に通貨偽造を咎められてしまう。
一方その頃、大奴隷商人・グレシャムはガブール人同士の対立を利用して奴隷貿易を密かに再開しようとしていた。グレシャムに武器を与えられた親帝国派ガブール人によって奴隷狩りは再開され、ハルは攫われる。ルークも気絶させられるが、カネへの強い欲望を抱いていたルークは、降臨したガブール神に生殖能力の代わりに一万ベルク札の精巧なコピーを作り出す能力を与えられる。
力を手に入れたルークはカネの力でガブール人国家を建設する野望を抱くが、能力によって増やせるベルク札はなんと全て記番号の同じ贋札だった。一度は落胆するルークだが、なんとか策略を立てながら困難を乗り越え、野望の実現を目指す。
登場人物
- ルーク
主人公。12歳のガブール人の少年。ヴィクト語を話すことができる。ガブール神により生殖能力の代わりに「4370953」の番号が刻まれた贋一万ベルク札を作り出す力を与えられた。カネの力でガブール人国家の建国を目論む。 - ハル
巫女。主人公の姉で、ルークには「ハル姉」と呼ばれる。グレシャムの策略により拉致される。 - グレシャム
「大きな赤ちゃん」の異名を持つ大奴隷商人。カネに異様な執着を見せ、頭も回るキレ者。 - レジャット
ガブール系ヴィクトニア人。ガブール人の地位向上のため、帝国政府の人間として活動している。ルークの計画を危険視しており、ルークの身柄と贋札の番号の確保のため暗躍する。 - ダウー
野生児の女性。超人的な巨体や怪力・運動能力を持つが、文明から隔絶されて育ったため言葉を解さないなど知的能力に乏しい、ルークと対極の存在。ハルを「ママ」と呼び、その弟であるルークを守ろうとする。 - フラペコ
グレシャムの右腕であるメガネの男。グレシャム主催のオークションを仕切る。印象の薄い顔立ちだが有能。 - コレット
レジャットの部下の一人。銃器を扱う小柄な女性。体格差をカバーし肉体的なハンデをなくす「銃」という武器を信望している。 - ヨゼン
レジャットの部下の一人。いわゆるリーゼントヘアのように出っ張ったちょんまげを結った男。異国の武器「刀」を扱う。よくコレットとペアを組まされる。 - クルツ
ガブール人の金貸し。元奴隷。ルークに娘を助けられたことがきっかけでルークに協力する。 - ビオラ
高級娼婦の女性。元画家兼贋札作家。ルークの「粋」な金遣いに惹かれルークに協力する。「贋札殺し」に複雑な感情を抱いている。 - 「贋札殺し」
現ベルク札をデザインした画家。旧ベルク札を偽造した容疑者313人を処刑台に送ったといわれる。紙幣を食べることで真贋を見分ける特技を持つ。
作中用語
- ガブール人
白い髪・赤い目・少し尖った耳が特徴。首長を始めとする親帝国派とルークら独立派の2派がおり内部で対立している。 - ヴィクトニア帝国
島国でありながら世界中に植民地を持ち、「日の沈まない国」と呼ばれる覇権国家。世界経済の中心であり、帝国の中央銀行ではベルク札を金と交換することができる。 - ベルク札
ヴィクトニア帝国の貨幣。偽造防止のために1枚1枚に番号が入っている。ルークは番号が4370935の一万ベルク札の超精巧なコピー(贋札)を出す力を持っている。 - ヴィクト語
ヴィクトニア帝国人と親帝国派のガブール人が話す言語。一部の親帝国派でないガブール人にも話せる者はいる。
ニコニコ漫画
2021年3月26日より、ニコニコ漫画での配信が開始された。
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関連項目
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