ハイパーヨーヨー(Hyper Yo-Yo®)とは、バンダイから発売されていたハイパーなヨーヨーである。
バンダイから発売されていないヨーヨーについては「ヨーヨー」の記事を参照。
ラップユニット「ハイパーヨーヨ」については、「hy4_4yh」の記事を誰か作ってください。
概要
バンダイから発売された競技用ヨーヨーのシリーズ。
1997年-2001年頃、2003年-2004年頃、2010年-2014年頃、2024年-の4期にわたり、断続的に発売されている。
ヨーヨーを振り下ろすと下で空転する「スリープ」という機能を標準で搭載している。これにより、多種多様なトリックを行うことができる。
CMやPVのストリート系のイメージや、中村名人やTHP-Jなどスタープレイヤーの活躍から人気を博した。
90年代後半の第1期には、玩具店・量販店で売り切れが続出するほどの大ブームを巻き起こし、たまごっちと共に当時のバンダイを支えた。
現在のヨーヨー界における日本勢の活躍は、このブームが育てたと言っても過言ではない。
事実、2000年代前半頃の世界大会日本人上位は、この頃からヨーヨーを続けているプレイヤーが占めている。
また、ブーム終了とともに辞めたものの第2期、第3期ハイパーヨーヨーの際に復帰し、現在世界で活躍しているプレイヤーも珍しくない。
時期
ハイパーヨーヨーの展開は断続的であり、それぞれ第1期~4期と呼ばれている。
詳しくは以下の記事を参照。
- 第1期ハイパーヨーヨー 1997-2000
- 第2期ハイパーヨーヨー 2003-2004
- 第3期ハイパーヨーヨー 2010-2014
- 第4期ハイパーヨーヨー 2024-
名称について
スリープ可能なヨーヨーをすべて「ハイパーヨーヨー」と称したり、ハイパーヨーヨータグをつける人がいるが、ハイパーヨーヨーはバンダイの登録商標である。
バンダイ発売でないヨーヨーを「ハイパーヨーヨー」と言うのはゲーム機を何でもファミコンというようなもので、正しい言い方ではない。
なお、断じてスーパーヨーヨーではない。
ハイパーヨーヨーの「偽物」について
第1期ハイパーヨーヨー期に、ハイパーヨーヨーの類似品が多数登場したが、これらは「ハイパーヨーヨーとは別のヨーヨー」というだけで、「偽物」ではない。
ハイパーヨーヨーしか使えないのはバンダイ主催の大会だけである。
一般の大会では、原則としてヨーヨーの機種に対する制限はない。
ヨーヨーに本物も偽物もない。
ただし、ハイパーヨーヨーやメーカーのロゴを使用した、正真正銘の偽ブランド品は別である。
第1期ハイパーヨーヨーで出回ったヨメガヨーヨーの偽ブランド品については、「ヨメガ」の記事を参照。
プロモーター
第1期の中村名人が有名だが、第2期はナショナルヨーヨーマスターの長谷川貴彦、第3期は当時のジャグラーやヨーヨープレイヤーが名前を変えてプロモーションに参加していた。
詳細はリンク先を参照。
- 中村名人(中村謙一)
- チーム・ハイ・パフォーマンス(THP)
- チーム・ハイ・パフォーマンス・ジャパン(THP-J)
- ジャッジ渡辺
- ヨーヨーマスター
- ヨーヨーマスターTaka(長谷川貴彦)
- トップスピナー・シュン(榊原俊)
- トップスピナー・レイ(菅原岬)
- トップスピナー・ゼロ
- トップスピナー・リュージ(ジョン・アンドウ)
- トップスピナー・タイガ(川田祐)
- DJナオキ/トップスピナー・テイラー(大道芸人ナオキ)
- DJマサ
ハイパーヨーヨーオフィシャルトリック
第1期・第3期には、けん玉の段位認定のような認定レベル制度が存在した。
特定のトリックをクリアすると「レベル」として認定され、ライセンスカードがもらえる。
第1期では、先着順で特製ヨーヨーがもらえたり、「チーム・ハイ・パフォーマンス・ジャパン」加入へ挑戦できたりした。
ラインナップ
バンダイ内製のハイパーヨーヨーは少なく、多くが海外のヨーヨーメーカーからのOEM販売である。
ハイパーヨーヨーはこの手の販売形態としては珍しく、元のブランドの名前を全面的に出して販売している。
例えば、ハイパーヨーヨー版でも「バンダイ・ファイヤーボール」ではなく「ヨメガ・ファイヤーボール」である。
これは名前が「スピンフェニックス」に変わっても同様である。
ほとんどが元のヨーヨーと名前を変えて販売されている。
第1期・第2期は元の名前に「ハイパー」をつけただけのものが多い。
第3期は全く違う名前がつけられている。
安全対策や改造防止などの観点から、元の機種と若干仕様が違う場合がある。例えば、スピンフェニックスはヨメガ・ファイヤーボールの同等品だが、軸が片側しか外れないようになっている。これは、トッププレイヤーの間で主流の「ナイスペ化」ができないようにするためと思われる。
以下に、メーカーごとのラインナップを示す。( )内の数字は時期。定価は税抜き。
は、大百科記事あり。ただし、一部例外を除き、記事は海外版の名称で作成されている。
ダンカン
1929年創業の老舗玩具メーカー。ヨーヨーを初めて大量生産したメーカーである。
第1期の時点ではラインナップが固定軸機種ばかりであり、安いが低性能というイメージが定着していた。
第2期の時には、ダンカンを復活させた名機「フリーハンド」が登場。当時金型破損のため製造中止となっていた「フリーハンド1」を復刻させたことは高く評価されている(当時出ていたフリーハンドは「フリーハンド3」とよばれ、形状が全く異なるものだった)。2004年世界大会では、多数のダンカンプレイヤーがオリジナル版ではなくハイパー版のフリーハンドを選択した。
なお、2002年にプレイマックスを買収しており、第1期で同社のプロヨーブランドとして発売されていた機種は、第2期以降ダンカンブランドで発売されている。
名前 | 定価 | 元になった機種 | 備考 |
ハイパーインペリアル(1) | 680円 | インペリアル | 下記3機種と同等 |
ハイパーグロウ(1) | 680円 | グロウインペリアル | インペリアルと同等 |
ハイパーネオ(1) | 680円 | ネオ | インペリアルと同等 |
ハイパーミッドナイト(1) | 680円 | ミッドナイトスペシャル | インペリアルと同等 |
ハイパーパピヨン(1) | 680円 | バタフライ | |
ハイパーホイールズ(1) | 880円 | ホイールズ | |
ハイパープロ(1) | 680円 | プロフェッショナル | |
ハイパーループ(1,2) ウッドバレット(3) |
(1)1500円 (2,3)800円 |
プロヨー | 1期はプロヨーブランド |
ハイパーループグロウ(1) | 1700円 | プロヨー | ハイパーループと同等 |
ハイパーループフライ(2) | 800円 | プロフライ | オリジナルより重い |
ハイパーワスプ(1) | 5000円 | ターボバンブルビー | 当時はプロヨーブランド |
フリーハンド(2) | 2600円 | フリーハンド1 フリーハンドZERO |
カウンターウェイト付属 のちにZEROとして発売 |
ウインドオービット(3) | 1800円 | スピードビートル | 付属スペーサーなし |
フレイムウイング(3) | 1800円 | ドラゴンフライ | |
メタルバレット(3) | 1200円 | プロヨー | ウッドバレットのボールベアリング仕様 |
スパークバット(3) | 900円 | バタフライXT | |
ソニックブレス(3) | 1200円 | Pro-Z | 元になった機種よりも先に発売された |
トルケーヴ(3) | 5500円 | トルク | プレミアムバンダイ限定 |
ヨメガ
→ヨメガ
史上初のオートリターン機種・ブレインを開発したメーカー。
90年代はトップブランドとして君臨しており、現在もルーピングヨーヨーにおいては同社の「レイダー」が圧倒的シェアを占めている。
第1期では、高価だが高性能なヨーヨーというイメージであり、大会出場者のほとんどがヨメガ製のヨーヨーだった。
第2期以降は、価格改定により当時の半額程度の価格で買えるようになった。
名前 | 定価 | 元になった機種 | 備考 |
ハイパースター(2) モンスターシェル(3) |
800円 | オールスター | |
ファイヤーボール(1,2) スピンフェニックス(3) |
(1)2000円 (2,3)1800円 |
ファイヤーボール | |
ステルスファイヤー(1,2) | (1)2200円 (2)円 |
セイバーウイング | |
ハイパーブレイン(1) ワイルドクロー(3) |
(1)2200円 (3)1600円 |
ブレイン | オートリターン |
ステルスブレイン(1) | 2400円 | セイバーウイングブレイン | オートリターン |
メガブレイン(2) | 1800円 | パワーブレイン | オートリターン |
X-ブレイン(1) クロスドラゴン(3) |
(1) 円 (3)1800円 |
X-ブレイン | オートリターン |
X-ブレインウイング(1) | 円 | X-ブレインウィング | オートリターン |
ハイパーインパルス(1) | 円 | パワースピン | |
ハイパーミラージュ(1) | 円 | ストロボヨー | LED内蔵 |
ハイパーレイダー(1,2) ストームタイガー(3) |
(1)5000円 (2)2500円 (3)1800円 |
レイダー | |
スパイラルジャガー(3) | 1800円 | レイダーEX | 付属の調整用スペーサーが3種類に減っている |
ステルスレイダー(1,2) | (1)5000円 (2)2500円 |
セイバーレイダー | |
ハイパーアールビーツー(1) | 5000円 | RBⅡ | |
ファイヤーストーム(1) | 円 | ファイヤーストーム(1999) | |
ファイヤーストームウイング(1) | 円 | ファイヤーストームウイング | |
オールスターウルトラ(1) | 円 | オールスターウルトラ | 認定店限定 |
ハイパーワープ(1) | 円 | ハイパーワープ | 認定店限定 |
フリーズワイバーン(3) | 1600円 | クロスファイヤー(2010) テクノ2 |
シンウーOEM |
スタヴィティー(3) | 3000円 | ダッシュ | プレミアムバンダイ限定 |
ヨーヨーファクトリー
2003年創業の新興メーカー。戻りやすくメンテナンスも簡単なF.A.S.T.スターや、溝幅を簡単に調整できるダイヤルシステム、軸の部分だけつまんで回すことができるハブスタックなど、奇抜なアイディアを形にするメーカーとして知られる。
フルメタル機種を実用レベルにまで引き上げたメーカーでもある。
このメーカーのみ、ハイパーヨーヨー専売の機種が存在する。
「グラインドサターン」のように、もとのヨーヨーに大幅なカスタムが施されているものもある。
また、「ハイパークラスター」の開発にも関与した。
名前 | 定価 | 元になった機種 | 備考 |
ハイパーコメット(3) | 800円 | ファイヤードッグ | |
マーキュリー(3) | 1800円 | F.A.S.T.201 | |
スターフライ(3) | 900円 | (ハイパー専売) | |
ダイアルマーズ(3) | 2200円 | ヴェロシティ(ver.3) | ダイアルが初期型のもの |
ギャラクシーフライ(3) | 1200円 | (ハイパー専売) | |
グラインドサターン(3) | 2500円 | グラインドマシーン (プラスティック版) |
ハブスタック搭載 内蔵リム・梨地加工なし |
アストロフライ(3) | 1400円 | (ハイパー専売) | |
ディヴァルト(3) | 3800円 | ノーススター プロトスター |
2機種のチャンポン |
エースラッシュ(3) | 2800円 | LOOP1080 | ギャップ調整用キー付属 |
アクロナイザー(3) | 8000円 | スーパースター(2013) | プレミアムバンダイ限定 |
シンウー
→シンウー
韓国のヨーヨーメーカー。
低価格帯のヨーヨーに定評があり、ダンカンプラスチック機種と(精度に目をつぶれば)同等性能のヨーヨーが格安で買えることから、初心者に重宝されたメーカーである。
ハイパーヨーヨーには1機種のみ提供。
シンウーは当時、同社の「テクノ2」をヨメガに「クロスファイヤー」としてOEMしているのだが、ヨメガはさらにそれをバンダイに再OEMして発売している。
名前 | 定価 | 元になった機種 | 備考 |
フリーズワイバーン(3) | 1600円 | テクノ2 クロスファイヤー(2010) |
ヨメガブランドで発売 |
ラッセル
70-80年代にコカコーラヨーヨーを販売し、世界的なブームを巻き起こしたメーカー。
ハイパーヨーヨーにも、1984年版と同性能のヨーヨーを2機種提供している。
名前 | 定価 | 元になった機種 | 備考 |
ハイパーラッセルスーパー(1) | 円 | スーパー(1984) | |
ハイパーラッセルプロフェッショナル(1) | 円 | プロフェッショナル(1984) |
ヘンリース
ドイツのメーカー。
ディアボロ(中国ゴマ)などの大道芸用具が主力商品だが、その技術を活かしたヨーヨーも少数販売している。
ハイパーヨーヨーには1機種のみの提供だが、コロコロコミックなどでは、この機種を使った「オフストリング」というプレイが紹介されており、当時の世代にオフストリングを定着させた。
名前 | 定価 | 元になった機種 | 備考 |
ハイパーバイパー(1) | 7500円 | バイパー(クラシック) |
プロヨー
かつて存在したプレイマックス社のブランド。前述のとおり、2002年にダンカンに買収された。
買収後、旧プレイマックス経営陣が立ち上げたメーカーが、ヨーヨーファクトリーである。
ハイパーヨーヨーとして発売されたヨーヨーのうち、以下の機種がプロヨーから移管されたものである。
(※は、買収後にハイパーヨーヨーとして発売された機種)
ハイパーヨーヨー | プロヨー | ダンカン |
ハイパーループ ※ウッドバレット |
プロヨー | プロヨー |
※ハイパーループフライ | プロヨーGT | プロフライ |
ハイパーワスプ | ターボバンブルビー | バンブルビー |
※フレイムウイング | ターボバンブルビーGT | ドラゴンフライ |
バンダイ
→バンダイ
日本最大級の玩具メーカー。バンダイナムコグループの子会社。
バンダイ内製のハイパーヨーヨーも存在する。
ハイパープロの改良型であるハイパーミレニアムは、ダンカンブランドで発売されていたが、バンダイ製である。
のちに、これと同等品の各種ノベルティが存在する。
他のコロコロホビーに合わせ、ハイパードラゴンやハイパークラスターなどのカスタマイズ機種も発売された。
第3期では、誰もが一度は考えるモーター内蔵ヨーヨーを実際に販売するなど、性能よりも子供の夢を実現するようなヨーヨーがあれば、自分で作ってしまう。
なお、以下のラインナップには、ハイパーヨーヨーではないバンダイ製のヨーヨーも掲載する。
関連動画
関連項目
人物
- 中村名人
- アレックス・ガルシア
- 長谷川貴彦
- 川田祐 元THP-J。 第3期では「トップスピナー・タイガ」名義。
- ジョン・アンドウ 元THPテキサス。「トップスピナー・リュージ」名義。
- 榊原俊 第3期では「トップスピナー・シュン」名義。
- 小野友樹 プロスピナーライセンスを持っている。
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