概要
甲羅の幅は20ミリ、高さは13ミリほどで、一般の人がイメージするカニより横長の体型。その体以上の大きさの白いハサミを持つのが特徴。体は白っぽい灰色や茶色など。大きなハサミを持つのはオスのみで左右どちらかだけが大きく、他方はとても小さくそちらでエサを採る。
ウェービングと言うハサミを大きく振る行動が、見る者をほのぼのさせる。名前もここから来ており、白い扇を振って潮を招く様に見えることから、白扇潮招き=ハクセンシオマネキとなった。人間が近づくとすぐに巣穴に入ってしまうが、警戒心は薄い様でしばらく待っていると出てくるので観察しやすい。
愛知県以西の太平洋岸、四国、九州、朝鮮半島南部沿岸に分布する。河口付近の満潮時に水に浸かるくらいで、干潮時にも乾燥しない干潟に、ある程度の集団で個々に巣穴を作り生息する。日本には10種類ほどのシオマネキが生息するが、九州以北ではハクセンシオマネキの他は、少し大型のシオマネキとの2種類しかいない。
環境省レッドリストでは絶滅危惧種に指定されている。生息数減少の一番の原因は、河岸をコンクリートで固めてしまうことだろう。浚渫工事や環境汚染もある。干潟はさまざまな生物の生息地になっているのだが、開発や水害対策だけで物事を進めるのは如何なものだろうか。
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『干潟の生きもの図鑑(三浦知之)』は、干潟の生物に興味がある初心者の方にお勧めです。ちょっと高いですが、きれいな写真が詳しい説明付きで多く載っていて、一冊目として買うにはとても良い本だと思います。ただし、南九州の生きものを中心に集めているので他の地域では見られないものも載っています。
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