ハマグリ(蛤、文蛤、蚌)とは、二枚貝の一種である。
概要
マルスダレガイ科ハマグリ属の二枚貝。
日本国内では在来種としてハマグリおよびチョウセンハマグリが生息している。また、食用として台湾産タイワンハマグリや中国産シナハマグリが輸入され、特にシナハマグリは蓄養や潮干狩りのために国内の干潟に放流され定着、生態系被害防止外来種(旧:要注意外来生物)として指定されている。
いずれのハマグリも古くから食用貝として広く利用されており、貝塚からはハマグリ属の貝殻が発掘されている。また、貝殻は玩具や碁石の素材としても利用されている。
生態
北海道南部以南の日本、朝鮮半島、台湾、中国大陸沿岸に分布。国内の産地としては千葉県、茨城県、三重県、熊本県が知られている。
河川から淡水の流入がある砂浜および干潟から水深20メートルまでの砂泥域に生息する。日本国内では多くの地域で干拓や護岸工事の影響で生息域を失い、環境省の絶滅危惧II類に指定されている。
産卵期は5月から10月、食用としては産卵直前である4月から7月に旬を迎える。
産地
日本で消費されるはまぐりの9割は中国および台湾産のシナハマグリ・タイワンハマグリで占める。国産のはまぐりは1割であるが、絶滅危惧II類に指定されていながら決して少なくない量の国産「はまぐり」が流通している。
これは、種として絶滅危惧II類に指定されているハマグリと共にチョウセンハマグリ、シナハマグリを含めたハマグリ属が総称「はまぐり」として流通しているからであり、その多くは千葉県外房、茨城県で採れる在来種のチョウセンハマグリである。三重県および熊本県は数少ないハマグリの産地であるが、近年のアサリ産地偽装事件の影響で風評被害を受けている。
文化
春先に旬を迎える事や、ハマグリは同一個体の対となる殻としか噛み合わない特徴を持つ事から、ひな祭りや冠婚の縁起物として食べられている。
また、ハマグリの貝殻そのものを利用し「貝合わせ」の遊戯として親しまれている。
ハマグリの貝殻は適度な白色と美しい縞目、適度な粘りを持つ事から碁石の素材としても使われている。
使われる貝殻は死後数年から100年程度風化し半化石化したものである。かつては鹿島灘で産出するチョウセンハマグリ、日向灘沿岸で産出するハマグリが原料であったが、資源枯渇により現在はメキシコ産メキシコハマグリが主流である。
食べ方としては、吸い物、味噌汁、酒蒸し、焼き物、寿司種、佃煮、鍋物、しゃぶしゃぶ等。洋風としてはバター焼きにクラムチャウダーやブイヤベース等と用途は幅広い。
名産地として知られる三重県桑名市では、松ぼっくりや炭火で焼き上げた「焼きはまぐり」が名物である。
北朝鮮では、筵に広げたハマグリにガソリンをかけて火を放ち一気に焼き上げる「ガソリン焼き」が有名であり、韓国ドラマ「愛の不時着」でも北朝鮮の名物料理として登場する。ただし、日本で試す場合は添加剤入りの自動車用ガソリンではなくホワイトガソリンを使用するのが望ましい。
いずれの料理も美味であるが、勢い余って他人のハマグリまで食べないようにしよう。
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