概要
バージェス動物群の代表的生物として有名なハルキゲニアは、1911年 チャールズ・ウォルコット(米)によって発見された。
その奇妙な形から、「幻覚が生んだもの」という意味の属名がつけられた。
発見当時、復元図には誤りがあったが、そのままハルキゲニアとして発表されてしまった。(図1のように棘の位置が腹側に描かれていた。正しくは背側である。)
その誤った復元図は、1997年になってようやく、コンウェイ・モリス(英)の手により、図2のように硬い棘が背中に、柔らかい肢が腹側にある姿に修正が加えられた。
前後もどちらか分かっていなかったし、片側が丸くなっているように見える化石も図3のようにそうではない化石もあった。
新しい観察の結果によると、なんと前後も逆だったことが判明した。丸い部分がない方に歯の生えた口や目があり、丸い頭部だと思われていたのは砂に埋まる過程で押し出された糞の痕跡にすぎなかった。
現在ではカギムシ目しか生息していない有爪動物門に属すと考えられており、カンブリア大爆発による当時の生物の多様性がうかがえる。
現在ではアノマロカリス、ピカイア、オットイア、オパビニアなどと共にバージェス動物群の代表的生物として、高校生物の教科書や資料集に載せられており、生徒たちの心をつかんで離さない。その際の着色はエメラルドグリーンであったりショッキングピンクであったりバラバラだが、もちろん、当然当時の体色はわかっていない。
実は体長0.5~3.0cmと、意外と小さい。
![]() 図1 最初の逆さまの復元 |
![]() 図2 上下が正しい復元 |
![]() 図3 頭部を丸くしない復元 |
もしかして
関連項目
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