ハンザ同盟(Hansa)とは、北ドイツに合った商業同盟である。古高ドイツ語のHansa(ハンザ)は組合、団体を表わし、現代英語あるいは現代ドイツ語のHanseに相当する。そのため、ハンザ同盟は重言ともとれるが、単なる組合と区別する意味も含めて日本語ではハンザ同盟と呼称する。
概要
始まりは、都市間交易を担う商人の組合(Hansa)である。12世紀頃から発生したこの組合は都市の政治に関与し、都市間の条約を結ばせるようになる。1241年のリューベックとハンブルクの条約を始まりとして、同盟は北ドイツ・バルト海に広がりを見せるようになる。ドイツ商人の商圏拡大によって、東はノヴゴロド、西はロンドンまでに商館が置かれ、最盛期には膨張策を取っていたデンマークを軍事的に打ち破ってバルト海の商業覇権も確立した。
しかし、15世紀に入ってカルマル同盟を結んだデンマークに敗れバルト海の覇権を失陥。ポーランドのバルト海進出がこれに重なり、同盟諸都市は衰退した。各領邦では君主権の拡大を目指す君主によって都市の自治が失われ始め、君主の支援を受けたイングランドやネーデルラントの商人が同盟の商圏に食い込んできた。大航海時代が始まったことによって、欧州の主要商業圏はバルト海からすでに北海、さらには大西洋へと移っており、このことで同盟の発展は止まってしまう。同時期の宗教改革による都市間の対立とその後の三十年戦争による国土の荒廃によって同盟諸都市は疲弊し、そしてヴェストファーレン条約によって領邦国家に組み入れられることになる。
リューベック、ブレーメン、ハンブルクは同盟を維持したが、1669年を最後に会議も開かれなくなり、ここにハンザ同盟は事実上の終焉を迎えた。
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