ハンターカブとは、スーパーカブを源流とするホンダのオートバイである。
概要
1958年、前例のない斬新なシティコミューターとして登場したスーパーカブは、数多の派生型を生み出した。ハンターカブとは、その数多ある派生型の1つである。
歴史
スーパーカブの誕生
詳しい話しは『スーパーカブ』の項で扱ってくれることを期待して、とにかくなんだかんだあって1958年に最初のスーパーカブ、C100型カブが誕生する。これは4馬力という当時としては破格の出力を誇った50ccのOHVエンジンを搭載した画期的なモーターサイクルであった。
誕生したカブの派生型。その名も……
1961年、C100型カブをベースとした新型モデルが発表される。型式C100H、車種名はCT50・ハンターカブ。そう、現在まで続くハンターカブは、なんと半世紀も前から存在するモデルなのである。
翌1962年、C100型カブのボアップモデルであるC105(54cc)をベースとしたCT55・ハンターカブが登場する。
この2つの初代ハンターカブの特徴は、なんといってもそのユニークな『副変速機構』である。ハンターカブの特徴といえば、ローよりもさらに下のスーパーローを実現させるため、通常のミッションとは別に、もう一つ副変速機が搭載されているというのがある。初代ハンターカブにも同様の機能が搭載されているものの、ベースとなるスーパーカブのエンジンをそのまま流用させるために、その姿は少しかなり異なっている。
なんと、大小2つのリアスプロケットを搭載しているのである。つまり、自転車の外装変速機と同じような発送である。ただし、レバーをガチャガチャすればチェーンがかけ変わるというものではなく、一旦停止して「手動で」チェーンを外してかけかえるというかなり手間のかかるものであった。チェーンの張りとかどうしてたのかは不明。誰だこんなの考えたの。
このCT50/55は短期間の生産で終わり、北米向けとしてCM90型カブ(なぜかスーパーカブではない)をベースとした90ccのハンターカブ、CT200が発売される。しかしこれも後述するカブの世代交代により短命に終わるのだった。
現在の形の完成
1966年、ベースとなっていた50ccのスーパーカブが新型へと移項する。それまでOHVだったエンジンがOHCへと変更され、さらにデザイン一新され、現在の丸目カブと殆ど変わらない形が完成されることになった。それを受けて68年、CT50ハンターカブもOHCエンジンを搭載したモデルへと進化する。ユニークではあるが使い勝手としてはどうしようもない外装変速機も、通常のミッションの中に副変速機が搭載された。なお、同時期にCT200にも同様の変更が施されたCT90として生まれ変わっている。
書籍やHPによっては「ハンターカブ」の名が冠されたのは初代CT50/55だけであり、副変速機が搭載された型は「通称・ハンターカブ」なのだ、とされているものがあるが……以下を見て欲しい。
http://www.honda.co.jp/pressroom/products/motor/huntercub/
ホンダのメーカーHPにある製品アーカイブでは、この型のCT50もハンターカブとして纏められているのだ。
雑誌の人が間違えてるのか、メーカーサイトを作った人が間違えたのか、真実は謎である。というか、そんな編集者が生まれるはるか昔の事なんか知らねーっての!
なお、この世代のハンターカブはCT90が最も長命であり、1979年まで製造されていたそうだ。
CT110の登場、そして伝説へ
1980年、CT110型が登場。この時代から正式名称に「ハンターカブ」の名称が付かなくなった。
最初はニュージーランドや北米で発売されるのだが、なぜか副変速機が搭載されていなかった。そしたら案の定大不評で、翌年慌てて副変速機付きのモデルが発売されるのだった。
同年日本でも発売されたのだが、何故か副変速機無し。そして時代はモアパワー・モアスピード。当然売れるはずもなく、早々に販売終了。CT110は販売の主軸を海外へと移すことになるのだった。
現在CT110は、アグリカルチャー、つまり農場向けとして生産されていたオーストラリア仕様だけが残っており、そのAU仕様車も排ガス規制により生産が終了しているらしい。……が、何度も生産終了詐欺をしているので実はまだなんだかんだで生産してたりするのかも……情報求む!
とは言うものの、基本設計はかなり古い車種であり、スーパーカブも中国生産になってしまった今、いつ手に入らなくなってもおかしくないというのが現状である。2012年8月現在、新車の在庫はまだまだ残っているので、もし欲しいというのならば早めに手に入れる事をオススメする。
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