ハンディカム(Handycam)とは、ソニーのビデオカメラのブランド名。登録商標。
概要
語源は手持ち式(Handy)なカムコーダ(Camcorder:カメラとレコーダが一体になったもの)でハンディカム。初代機は1985年に発売されたが、それ以前はベータムービーなどといった名称で肩乗せ式カムコーダを家庭用として販売していた。ビデオカメラが一般家庭にも普及していくと共に、ソニーが最大のシェアを獲得してゆく中で、ハンディカムは家庭用ビデオカメラの代名詞ともなった。初代の8ミリテープからDVテープやHDD、メモリー等々と記録媒体が変わってきているが、他社のビデオカメラブランドの名前が移り変わる中で、ハンディカムはロゴを変えつつ今でも同じブランド名を使い続けている。
現行型について
一部を除いて、現行型はAVCHDフォーマットで内蔵メモリやSDカード(またはメモリースティック)に保存し、USBケーブルでパソコンやブルーレイレコーダーなどに接続して書き出すタイプになっている。
通常タイプ
横型のハンディカムらしい形、ビデオカメラらしい形をしたハンディカム。甲乙丙でも松竹梅でもいいが、ベーシック・スタンダード・高音質に分けられ、一番安いレンジのベーシックモデルには空間光学手ブレ補正付きとプロジェクター付きとどちらも無いものの3モデル。中間のスタンダードモデルは全て空間光学手ブレ補正付きでプロジェクター有り無しの2モデル、ハイエンドの高画質モデルは全部入りの1モデル。その他レンズとセンサーが2つ付いている3Dモデルがラインナップされている。
縦型防水モデル
パスポートが小さい版に変わった後などに出た「新パスポートサイズ」などの、過去に販売していた縦型のハンディカムに似通っているが、防水などの特徴を持って復活したこのモデルのジャンルは三洋のXactiなどに近い。
ハイエンドモデル
レンズ固定式でゴツくてたくさんボタンなどが付いているモデル。フルオートでカメラ任せにすることが前提で、ボタンなどが極力排除されているモデルと違い、ある程度マニュアル操作も可能なモデル。業務用ラインナップに兄弟機があるため、半ば業務機のようなものと言っても過言ではない。この手のカメラの業務版は結婚式などのイベント撮影や、低予算番組の撮影、機動力の求められる取材用などに用いられる。以前は肩乗せ式カメラが必要だった領域も、機材の進歩でハンディで済むことも多くなっているのだ。
またAVCHDモデルの他に、業務用では今でも結構使われているHDVという、DVテープにハイビジョン録画する、初期のハイビジョンハンディカムで使われていたタイプが家庭用ラインナップで唯一残っている。
レンズ交換式モデル
レンズ交換式となるもう一つのハイエンドモデル。先述のハイエンドモデルがテレビなどのロケ用カメラの弟分とすれば、こちらは映画やCMなどを撮影するカメラの弟分。映像作品志向のアマチュア向けのモデル。ソニーのレンズ交換式デジタルカメラのEマウントレンズや、変換アダプタを介して装着できる各種マウントのレンズをとっかえひっかえできる。
この種の用途は、高価な映画用カメラなど以外では一眼レフカメラの動画撮影機能を用いて低予算でPVや映画まで撮ってしまおうというのが流行っていたが、一眼レフカメラのインターフェースは動画向きに作られていない、音声関係はオマケ程度など、あれもこれもとアクセサリを足すためカメラとアクセサリを載せるリグを用意することとなっていたり、長時間録画で熱暴走するなどしていた。近年はその流行を受けて、レンズ交換式デジタルカメラのコンポーネントを流用したビデオカメラや動画機能を強化したデジタルカメラなどが広まっている。
バッテリー
縦型タイプが本体内に収めるためにサイバーショットと一部共用の薄型バッテリー、一部ハイエンドが業務用と共通のインフォリチウムL型バッテリーな以外は、昔からお馴染みの形状で本体の後側に装着するインフォリチウムV型バッテリーになっている。V型バッテリーは容量と大きさが違う大中小のモデルがある。
なお、マーケットプレイスやオークションなどの怪しい相手からバッテリー類を買うと、海外向けパッケージなどと偽って偽物を掴まされる可能性がある。本物の海外向けパッケージもあるのだろうが、どうせ純正品を買うならばケチらずに店も選ぼう。
アクセサリシュー
以前はスチルカメラなどでお馴染みのISOシューを独自に拡張して、マイクなどをケーブルレスで装着できるようにした「インテリジェントアクセサリーシュー」が装備されていたが、2005年モデル以降は一回り小型な「アクティブインターフェースシュー」に変更された。しかし、デジタルカメラのαやサイバーショットとシュー規格とアクセサリーを統合するために、再びISOシューをベースにした新型の「マルチインターフェースシュー」に変更され、2013年モデルから搭載されている。
なお縦型防水モデルなど小型モデルはアクセサリーシュー自体を搭載していないものもある。
リモートコントロール用端子
スチルカメラが三脚で撮影するときにリモートレリーズを使ったりするように、ビデオカメラにおいても録画/停止やズーム操作で本体のボタンを押さなければならないのは、そのたびにぶれて三脚に載せた利点が活かせないということで、三脚のパン棒に有線リモコンを付けたり、リモコン付き三脚を使用したりすることもある。上級モデルや業務用のものではリモコンを接続する端子が備えられているのが通例なのだが、ハンディカムは横型モデルならばだいたい備えられている。以前はキヤノンの上級機などと同じLANC端子が付いていたが、ボディの小型化が進むにつれ上級機以外はアナログ映像出力と統合されたA/Vリモート端子にまとめられている。2013年モデル以降はさらにマイクロUSBと共用になるソニー製カメラ共通端子のマルチ端子に変更された。
関連動画
関連製品
- サイバーショット (デジタルカメラ)
- α (レンズ交換式スチルカメラ)
- アクションカム (ウェアラブルカメラ、HDR-AS15の記事を参照)
- デジタル録画双眼鏡 (双眼ファインダーの付いた双眼鏡型3Dビデオカメラ)
- ブロギー (写真・ビデオのお手軽撮影・共有用カメラ)
- HDV (DVテープを使用した家庭用・業務用の映像機器規格)
- NXCAM (AVCHDフォーマットで記録するソニーの業務用映像機器)
外部リンク
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