バイオハザード0は、2002年11月21日にカプコンよりニンテンドーゲームキューブ用として発売されたホラーアクションアドベンチャーゲームである。
概要
シリーズ第1作である『バイオハザード』の直前の出来事を描くプレストーリー編であり、シリーズの時系列の中でも最も古い時点での物語である。
発売されたのは『コードベロニカ』の後である。
システム的にはそれまでのバイオシリーズを踏襲しているが、「パートナーザッピングシステム」が導入されている。
システムの名称は『2』のそれと同様だが中身は別で、カプコンの鬼武者などで使用された2人のキャラクター(レベッカとビリー)を自由に切り替えて操作する。
2人にはキャラクターとしての差異が設定されており、例えばハーブの調合はレベッカのみができるのに対し、ビリーは重いものを動かしたりピアノを弾いたりすることができる、などが挙げられる。
プレイヤーが操作していないキャラはNPCとなって同行する。従来の、1人きりで行動する恐怖は若干ながら和らいでいるかもしれない。
また、アイテムボックスが廃止され、床にアイテムを置けるようになった。これもパートナーザッピングシステムと共に、攻略においては重要なシステムである。
GCでリメイクされた『1』と共に、その美麗なグラフィック描画は第6世代据え置き機のゲームソフトの中でも最高峰であると言われる。
当初はニンテンドウ64で発売される予定だったが、ゲームキューブへとプラットフォームを移行した。
2008年7月10日にはWii版が発売されており、対応するコントローラが増えた他は追加要素の無い純粋移植作品であるが、ディスクの入替がなくなった。また、パッケージは、GC版がレベッカとビリーの背中合わせだったのに対し、Wii版は2人が向き合っているという差異がある。
さらに、グラフィックと音質を向上させ、16:9の画面サイズやアナログスティックを倒した方向に直感的に移動できるアレンジ操作、日本語音声などが追加されたHDリマスターが2016年1月21日にPS3、PS4、Xbox 360、Xbox One、PCで発売された。
それまでサブキャラながらも根強い人気を誇っていたレベッカが主人公となった作品として有名。もっとも、この作品以降バイオハザードシリーズの新作にレベッカやビリーが登場していないのは一体何の嫌がらせなのであろうか。
ストーリー
アメリカ中西部のラクーン市アークレイ山地で、人々が次々と食い殺されるという事件が発生した。ラクーン市警は、S.T.A.R.S.ブラヴォーチームを派遣し、事態の収拾を図る。しかし一行を乗せたヘリコプターは現場近くの森でエンジントラブルを起こして墜落。チームは脱出に成功したが、彼らはそこで破壊された軍の囚人護送車と惨殺された海兵隊員を発見する。そこで隊長のエンリコ・マリーニは行方不明の元海兵隊員のビリー・コーエンの捜索を指示する。
ストーリー的には1の直前の物語を描いており、シリーズのメインキャラクターであるジルやクリス、ウェスカーが所属していたアルファチームに先立って派遣されていたブラヴォーチームがいかにその消息を絶つかが描かれる。
また、洋館=アンブレラの研究所にt-ウィルスが流出したそもそもの理由から、アンブレラの重要な過去までが明かされる。ウェスカーやウィリアム・バーキンをはじめとして過去のシリーズに登場した重要人物が顔見せ程度ではあるが出演し、最終的には、t-ウィルスの始祖を発見した3人の最後の1人であるジェームス・マーカス博士が登場している。
1では新米隊員らしくか弱いキャラだったレベッカだが、今作ではゾンビをはじめ様々なクリーチャーに敢然と立ち向かい、あのタイラントと1vs1で対峙するなど、勇猛果敢な姿を見ることができる。
今作での彼女の詳細な描写を受けて、リメイク版の『1』では、初作と比べて幾分経験を積んで落ち着いたキャラクターとして描かれる。
クリーチャー
- ゾンビ
- 毎度おなじみ、t-ウィルスに感染した人間たち。ストーリーを進めていくうえでかなり避けづらい場所に配置されているので、基本的に倒して進むことになる。
- ケルベロス
- ドーベルマン犬にt-ウィルスを投与して作り出したB.O.W。本作では即死攻撃を持つ。
- ヒル
- t-ウィルスの投与実験によって生み出されたB.O.W第1号。獲物に集団で噛みつき、大きな口で肉ごと抉り取るように血を吸う。
- 擬態マーカス
- ヒルの群れが生みの親であるマーカス博士を模倣した姿。敵を発見すると模倣を解き、異形の戦闘形態に移行する。
単一の生命体でないため、攻撃を受けてもひるむことがない。ダメージを受けて下半身のみになると自爆動作に入り、プレイヤーを巻き込もうとする。 - スティンガー
- サソリにt-ウィルスを投与して開発されたB.O.W。体長は3mほどに巨大化している。外殻は銃弾をはじくほど強固だが、頭部にはそれがなく、致命的な弱点となってしまっている。
また、変異の段階で尻尾の毒素も抜けてしまっているため実用面でのメリットがないとみなされ、以降の実験は中止となった。 - クロウ
- t-ウィルスに汚染された肉を食べ、二次感染したカラス。
- プレイグクローラー
- 昆虫をベースに開発されたB.O.W。巨大化以外に目立った変異が見られなかったため、開発の初期段階で実験中止となった。狭い場所に入れないので、プレイヤーが一方的に攻撃できる場面もある。
- センチュリオン
- 体長10mを超えるムカデ。B.O.Wではなく、t-ウィルスに二次感染したムカデのうちの1体がイレギュラーに発達したもの。レベッカが好き。
- ジャイアントスパイダー
- t-ウィルスに二次感染し巨大化した蜘蛛。「1」に登場するウェブスピナーと違いB.O.Wではないが、こちらの方が地味に性能が良かったりする。
- エリミネーター
- 真猿類にt-ウィルスを投与して作り出したB.O.W。筋肉が皮膚を突き破るほどに異常発達している。姿勢が低いので攻撃を当てにくく、波状攻撃を受けるとメニュー画面を開けないまま倒されてしまうこともある厄介な敵。
「リーチハンター」に登場するエリミネーターは本編の3倍の体力を持つ。 - ハンター
- 人間をベースにt-ウィルスを投与し、爬虫類の遺伝子を組み込んで作り上げたB.O.W。「1」に登場する個体と同じ型番(αタイプ)である。サルと違って集団で襲いかかることはしない紳士なヤツ。
- バット
- t-ウィルスに二次感染したコウモリ。インフェクティッドバットの体力が一定量減ると現れる。一見無限湧きのように見えるが、実は28体倒すと全滅となる。
- インフェクティッドバット
- バットの中でウィルス適応性の高い個体がイレギュラーに巨大化したもの。
常に飛び回っているので攻撃を当てづらく、また武器を構えると周囲のバットに照準が向いてしまうのでかなり戦いにくい。 - プロトタイラント
- 成人男性をベースに開発されたタイラントの第1号。実験の段階で皮膚が腐敗し、知能も退化してしまったため廃棄処分されるはずだったが、自力で覚醒し活動を再開した。
レベッカに一度倒されるも隔壁を突き破って逃亡し、その後再び二人の前に立ちはだかる。右腕にスーパー化の兆候がある。 - ラーカー
- カエルにt-ウィルスを投与し開発されたB.O.W。目が退化し、代わりに聴力と舌が驚異的に発達している。周囲の対象を何でも飲み込んでしまうため実験は中止となったが、のちにハンターγの開発の際にラーカーのデータが生かされることになる。
ゲーム中では1か所を除いてランダムにしか出現しないレアモンスター。 - 女王ヒル
- マーカス博士の死体を10年の歳月をかけて乗っ取り、ヒルたちを従えてアークレイ山中のアンブレラの施設を汚染した。記憶と人格は生前のマーカス博士のものと同じであり、強い復讐心に駆られている。最終的にはマーカスの意志をも乗っ取ってしまい、真の姿を現してプレイヤーに襲い掛かってくる。
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関連項目
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