……一般将校は黙っていろ!
ここはティターンズの拠点である!
正規の連邦軍と、やり方が違う!
バスク・オムとは、アニメ「機動戦士Zガンダム」などのガンダムシリーズに登場する架空の人物である。
CV:郷里大輔(原作) / 大友龍三郎(U.C ENGAGE)/ 安元洋貴(機動戦士Gundam GQuuuuuuX)
概要
原作
概要
地球連邦軍の軍人。エリート部隊「ティターンズ」において、創設者でもあるジャミトフ・ハイマン総帥に次ぐ準トップといえる重要人物。
階級は大佐だが、ティターンズには一般将校より1階級上の待遇が与えられるため、実質的には准将同然。
外見
非常に大柄な体格で、禿げ上がった頭にゴーグル姿というどう見ても悪役な容姿をしている。
禿げ頭については富野由悠季監督の初期設定メモだと「若いのに禿げ頭で、放射線症の疑いがある(が、現在は強健である)」との記載がある。またゴーグルについては、キャラクター設定画に「明度コントロールボタン」という注釈があったり、キャラクターデザインを担当した安彦良和の初期デザインでは現在のデザインとほぼ変わらない外見とゴーグルを付けているものの、「弱視に近い目をサングラスで100%カバーしている」という注釈がある等、身体に問題を抱えている事が示唆されている。
目に関しては「一年戦争時の負傷で目に何らかの障害を負ったとされる」との記載が後年のサンライズ監修の文献で見受けられる。「一年戦争時にジオン軍の捕虜となり、拷問で目を害した」と語られることもあるが、これは近藤和久のパラレル設定漫画『サイドストーリー・オブ・ガンダム・ゼータ』独自の設定。というか漫画では「電気ショックで半身不随になった」とされてはいるが、目については触れられていない。また、原作アニメよりほっそり気味の体系になっている。
人格
徹底したアースノイド主義の人物として知られており、中立コロニー、月面都市、各スペースコロニーへの恫喝的行動や虐殺をいとわない強硬な姿勢で対応した。初期のティターンズの起こした、サイド1の30バンチコロニーへの毒ガス攻撃はバスク大佐の主導による事件とされており、この「30バンチ事件」が、ティターンズに抵抗するエゥーゴの結成へつながった。
私人、あるいは軍人としても、とにかく「横暴」の一言で説明がつく人物。ティターンズに属しない一般将校どころか、ティターンズの部下であっても異を唱えた者へは躊躇なく鉄拳制裁を行う。第2話の時点で、正論の意見具申をしてきたブライト・ノアを有無を言わさず殴り(ちなみに記事冒頭の台詞はこの時の発言)、その後のカクリコン・カクーラーらによるリンチを黙認している。
更に30バンチ事件の件でも明らかだが、軍人らしからぬ残虐性の持ち主でもあり、ガンダムMK-Ⅱを強奪したカミーユ・ビダンの両親が連邦軍技官である事を知ると、母ヒルダ・ビダンを人質にしてMk-Ⅱ返還要請を行いつつ、ヒルダを宇宙カプセルに入れて放出、見せしめにした。その上Mk-Ⅱがカプセルの回収に来ると、(何も知らない部下に)カプセルを銃撃・破壊させるという、ヤクザも真っ青な残虐な所業をしでかしている。
ダカール演説以降ティターンズが劣勢になると、エゥーゴ寄りであるサイド2コロニーへの無差別攻撃(コロニーレーザーの試射目標にしたり、毒ガスを入れたり)を行い、その上それらの蛮行を「我々は人殺しの集団ではない。 一刻も早い、平和を願っている」と正当化していた。
このような有様故に人望も無かったのか、グリプス戦役終盤には後ろ盾であったジャミトフが謀殺されたことでティターンズ内でも孤立してしまい、それが彼の運命を決することになる。
人格面はともかく、現場の兵士からは「バスク大佐は戦術の天才だぜ」と評されているほか、作中では政治的手腕や着眼点にも非凡なものがある点が描かれている。「地球育ちだけでティターンズの組織を形成していてはエゥーゴの赤いモビルスーツ(リック・ディアス)などの新たな戦力を制することはできない」という趣旨の進言も、グリプス戦役初期に割とあっさり受け入れており、「木星帰りの男」パプテマス・シロッコの重用も真っ先に決めている(が、その後に影響力を広げるシロッコに悩まされる)。サイド3・ジオン共和国と取引をすることによって宇宙要塞・ゼダンの門の整備に着手、本拠であるグリプスの要塞化も短期間で成し遂げている。
バスクたちの悪評がそのままティターンズの悪評につながった一方で、そもそもバスク大佐なくしてティターンズの拡大もなしえなかった、といえるかもしれない。
前日譚
富野由悠季の筆になる小説版『Ζガンダム』では、エゥーゴ指導者のブレックス・フォーラに「一年戦争さえ経験したことのない男」と酷評される場面がある。ただし小説版は、実質的にアニメ本編とはパラレル設定である点には留意したい。
『0083 STARDUST MEMORY』では地球軌道第1艦隊司令代理を務め、ソーラ・システムⅡの設営、運用の現場指揮を執った。アナベル・ガトーらによる妨害でコントロール艦を破壊されコロニー破壊に失敗すると、最早機を逸したにもかかわらず、半ば私怨でソーラ・システムIIを再稼働させ、友軍艦隊もろともデラーズ・フリート残党を攻撃するという凶行に走る。
この時点では改革派のジョン・コーウェン中将の派閥に所属していたが、気脈を通じていたジャミトフの指示で動いていた。その後、ジャミトフがティターンズを設立すると、実戦部隊司令官に栄転することになる。
一方、ジャミトフからはティターンズ発足の真の意図を知らされておらず、ジオンの残党狩りという表向きの目的で動いていた。もっとも彼にとっては堂々とスペースノイドを弾圧するための方便でしかなかったため、法も軍規も無視した暴走を開始。ついには30バンチ事件という非道な大量虐殺までやってのけ、ジャミトフにとってはバスクの暴走は頭の痛い問題となっていた。ジャミトフが危惧した通り、バスクの数々の強硬策はコロニーのエゥーゴへの接近、ティターンズへの対決姿勢を強めるという結果を生んでしまい、グリプス戦役におけるティターンズ壊滅の原因となってしまった。
Gundam GQuuuuuuXでは……
一年戦争でジオンが勝利した=連邦が敗戦したパラレルワールドのU.C.0085を描く『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』では、地球連邦軍の少佐として登場。日本の廃墟の中にポツンと存在する『アマラカマラ商会』を隠れ蓑に、部下のゲーツ・キャパ中尉にサイコガンダムとドゥー・ムラサメを監督させ、キシリア・ザビの暗殺計画を実行するよう指示していた(ちなみに実行予定日であるU.C.0085年7月は、元々の宇宙世紀で30バンチ事件が発生した時期でもある)。
どうやら「極右の特殊部隊」の創設を準備しているらしい。デラーズ紛争が起きなかったことで時間はかかったが、やっぱりティターンズ(に準ずる組織)を作りたいようだ。『Ζガンダム』本編はおろか、関連作品をかじっていればほぼ確実に知っている名悪役ということもあり、彼が画面に登場した時点で「この後絶対ロクでもないことが起こる」と確信したガノタは多いのではなかろうか。
ちなみに「アマカマ商会」がイズマ・コロニーで運営権を取得したクラン『トゥエルブ・オリンピアンズ』とは、大雑把に言えばギリシャ・ローマ神話の「オリュンポス十二神」を指す。そしてこの神々より一世代前に君臨していたのが「ティーターン」と呼ばれる神々である。
空前のバスク・オムブーム
『GQuuuuuuX』第6話でバスクが登場した後、ガンダムファンコミュニティではバスク・オム旋風が吹き荒れることとなった。
というのも、本放送の2025年5月13日から遡る事4日前、ゲイビデオを源流とする定型文ミーム「淫夢ごっこ」に、郷里大輔の声マネバスクを当てはめたネタ動画が投稿されていたのである(ンアーッ!ティターンズの権力がデカすぎる!を参照)。その後にバスク本人がまさかの『GQuuuuuuX』登場を果たしたことで、偶然だったはずの動画は淫夢を知る者にバカ受けした。
先述した通りガンダムシリーズにおける「無差別攻撃と虐殺の代名詞」であるバスクとサイコガンダムが登場したこともあって、番組のロクでもない展開予想が盛り上がっている最中の淫夢ごっこ拡散は、一般ガンダムファンにも波及してしまったのだった。まさか令和になってバスクがサムネイル表示された動画がランキング上位を占めるとは、リハク……どころかシロッコやハマーンにも予想できない事態である。
また、そもそも原作のバスクを知らない=バスクの悪行を知らない、新しい世代のガンダムファンからは、そのコッテコテの悪人スタイルが逆にウケたのか「こういうこわもてのおっさんは実は優しいキャラなんでしょ?」「ルックスがバトーさんじゃん! なら優しいっしょ」などという感想も上がり、それに触発された絵師たちの間では「バスク・ゲーツ・ドゥーが仲良く飯を食ったり悪だくみをしているイラスト」がこぞって描かれることになった。
関連動画
関連静画
関連項目
- 機動戦士Ζガンダム
- 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
- 機動戦士Gundam GQuuuuuuX
- 郷里大輔 / 大友龍三郎 / 安元洋貴
- 地球連邦軍
- ティターンズ
- アレキサンドリア / ドゴス・ギア - 座乗艦
- 関連人物 / ガンダムシリーズの登場人物一覧
- ジャミトフ・ハイマン - 上司
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- パプテマス・シロッコ - 同僚
- レコア・ロンド / ヤザン・ゲーブル - 部下にしてTV版/劇場版の下手人
- エマ・シーン - 元部下
- ゲーツ・キャパ - 部下
- ドゥー・ムラサメ - GQuuuuuuX世界の部下
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