バスケットボールとは、5人対5人で1つのボールを使い、相手チームのバスケットにボールを入れあい、その得点を競うスポーツである。日本語では籠球と書く。
地上3mの空間にゴールが位置するという他にはない特異性から、3Dで戦う競技といわれ、トリッキーなボール捌きやダイナミックな動き、スピーディーな攻防が見物である。
歴史
バスケットボール考案者はアメリカのマサチューセッツ州スプリングフィールドのYMCAの訓練校の講師ジェームズ・ネイスミス (カナダ人)で、彼の考えたやり方が現在のルールの原型となっている。
昔は桃の籠をぶら下げてそこに入れ、得点が入るたびに籠からボールを取り出しジャンプボールでゲームを再開していたが、後に籠の下をあけ、通り抜けるようにした。また、籠が取り付けてあった2F部分は観客がいて、ゴールを妨害したりした為、バックボードが取り付けられた。
その後、マイケル・ジョーダンやマジック・ジョンソンなど名選手を数多く輩出してきたNBAが誕生。1996年にはWNBAが発足し女子選手にもプロ活動の門戸が開く。以降、世界中に愛好者を広げており、日本でも田臥勇太や八村塁、大神雄子に代表されるようにアメリカでプレーをする選手も増えるなど、バスケットボールの国際化が進行してきている。
アメリカに次いで、世界で人気の高い国としてスペインとアルゼンチン、そしてリトアニアが挙げられる。スペインはサッカーに次ぐ人気を誇っており、実力もヨーロッパで1位、世界で2位のランクに付けている。多くのNBA選手を輩出し、ACBという国内リーグもある。アルゼンチンもサッカーに次ぐ人気を誇っており、南米1位、世界ランク3位、多くのNBA選手を輩出しているだけでなく、LNBという国内リーグも発足している。そしてリトアニアは、バスケットボールは宗教とまで言われるほど人気が高く、国内で圧倒的人気を誇っている。他にはヨーロッパでセルビア、トルコ、ギリシャ、クロアチア、スロベニア、フランスなど、アフリカではアンゴラなど、南米では他にブラジルなど、アジアでは中国、フィリピン、イランなどで人気が高い。特に中国ではサッカーを凌ぐ人気を誇っており、世界で競技人口を急増させている一因となっているだけでなく、世界ランクも上位に付けている。また、フィリピンは伝統的に人気が高く、PBAは世界で2番目に古いバスケリーグである。
日本にバスケットボールが伝えられたのは1908年のことで、YMCAを出た大森兵蔵によって初めて紹介された。
その後転機を迎えるのは1990年代、マイケル・ジョーダンの活躍によるNBAブームが日本でも起こり、それに続き、バスケ漫画スラムダンクの大ヒット、3on3などのストリートバスケの流行などによって、競技人口は男女合わせ60万人を超えるほどにまで成長した。そして日本初のプロリーグとしてbjリーグが2005年に発足。既存の実業団リーグ、男子のJBLと女子のWJBLと共に日本のバスケ界を牽引した。そこから、大まかな統合計画が決定し、新たにNBLが設置された。そこから紆余曲折を経て、Jリーグで辣腕を振るった川淵三郎の主導によりNBLとbjリーグを統合、発展させた新リーグ、Bリーグが2016年よりスタートしている。
2020年の東京五輪では3on3バスケが公式種目になり、プロリーグの観客動員も倍増とBリーグと共に注目されるようになる。この五輪効果を契機に、更なる国内バスケの浸透ができるかどうかが今後の課題と言える。
下肢などに障害を持つプレイヤーにも門戸を開いた車いすバスケットボールも存在し、パラリンピックの公式種目に採用されている。
基本的なルール
1ピリオド(クオーター)10分間を4回繰り返すことで行われる。試合の流れは以下の通りだが、中学生は1ピリオド8分間で行われる。また、延長時は1ピリオド5分(中学生は3分)・インターバル2分で行われる。
第1ピリオド | インターバル | 第2ピリオド | ハーフタイム | 第3ピリオド | インターバル | 第4ピリオド |
10分 | 2分 | 10分 | 10分又15分 | 10分 | 2分 | 10分 |
得点は以下の通り。シュート動作中にファウルがあって、そのシュートが決まった時はその得点が認められるとともにフリースローが1本与えられる。失敗時も、打ったシュートの点数分フリースローが与えられる。
1点…フリースロー成功 2点…通常のシュート 3点…3ポイントラインよりも外側でのシュート
バイオレーション・ファウル
バスケットボールにおける反則として、バイオレーションとファウルがある。前者はボールの取り扱いなど比較的軽微な反則で、相手チームのスローインで始まる。後者は接触プレー等の反則である。
個人でファウルを5回(一部例外あり)行うと退場となる。また、チーム全体で1ピリオドの間に4回パーソナルファウルを行うと、5回目以降は(オフェンシブファールを除く)相手にフリースローが原則2本与えられる。ショット動作中のファールは、2点シュート中であれば2本、3点シュート中では3本与えられる。もしファールされながらシュートが入った場合は、その得点を認め(バスケットカウントという)さらにもう1本のフリースロー(カウントワンショットという)が与えられる。
バイオレーション
- アウトオブバウンズ:ボールがサイド/エンドラインに触れるか外側の床/人/物体に触れた時。
- 不当なボールの扱い:故意にボールをこぶしでたたいたり、脚でボールを扱ったりした(キックボール/キッキング)時。
- トラベリング:ボールを持ったまま3歩以上歩く。又は、ピボットフット(軸足)をずらす。
- イリーガルドリブル(ダブルドリブル):ドリブルをし終え、ボールを両手で保持したあとに再度ドリブルすること。
- イリーガルドリブル(ボールを支え持った時):ドリブル中にあきらかにボールを支え持った時。
- バックパス・バイオレーション(ボールをバックコートに返した時):ボールを一度フロントコートに進めた(=両足・ボール全てがフロントコートに付いた)後にバックコートへ返した時。
- 3秒ルール:リング下の長方形内(ミニでは台形内)にオフェンスプレイヤーが3秒以上とどまり続けた時。
- 5秒ルール:5秒以内にスローインしなかった時。また、5秒以内にパス又はシュートができない状況(=ディフェンスが近接してなされている)に陥った時。また、フリースロー時に5秒以内にショットを行わなかった時。
- 8秒ルール(ミニはなし):ボールをバックコートで新たにコントロールした時に、フロントコートに「両足・ボール全てが」触れるまでに8秒以上かかった時。
- 24秒ルール(ミニでは30秒):新たにボールをコントロールしてから24秒以内にシュートできなかった時。ただし、シュート後、ボールが空中にある場合はリングに触れなかった時。引き続きフロントコートから24秒計をリセットしてゲームが再開されるときは14秒にリセットする場合(=24秒計が14秒以上の時はリセットせず、14秒未満の時は14秒にリセットする)がある。
- インターフェア/ゴールテンディング:シュートされたボールが最高点を超え、ゴールに向かって落ちているボールを敵味方関係なく触った時。また、ボールがリング上にある時に、バックボード/ネット/リング/リングの下からボールを触れた時。
パーソナルファール
- イリーガルユースオブハンズ:相手プレイヤーを手で叩いたり、体を手でひっかけたりした時。
- ホールディング:手や腕を使って相手プレイヤーを抑えつけたり、腕などをつかんだりした時。
- プッシング:相手プレイヤーを手や体を使って押した時。
- ブロッキング:相手プレイヤーの進行方向を不当に妨げ、接触がおきた時。
- チャージング:相手プレイヤーが正当に占めている位置に突っ込んだ時。
- イリーガルスクリーン:不当にスクリーンをかけた結果、接触がおきた時。
- ひじを使った接触:ひじで相手プレイヤーを押しのけた時。
その他のファール
- アンスポーツマンライクファール:スポーツマンらしからぬパーソナル(体の触れ合いのある)ファールをした時。(例:速攻が出て、ゴールとオフェンスプレイヤーの間にディフェンスプレイヤーがいない時に、そのオフェンスプレイヤーに後ろまたは横から接触した時。ユニフォームをつかんだ時)→2回でディスクォリファイングファールに相当
- スローインファール:第4クォーターやオーバータイムでゲームクロックが2分以下を表示していてボールがコート外に出たためスローインになったときに、ボールが審判やスローインを行う選手の手にある時にディフェンスの選手がパーソナルファウルを行った時。もともとは上記のアンスポーツマンライクファールの1つだったが、2023年のルール改訂で変更された。
- ディスクォリファイングファール:プレーを続けるのが危険なファールや行いをした時。
- テクニカルファール:審判や相手チーム、観客などに失礼な態度や言動をした時。相手プレイヤーに対するものであれば非接触に限る。また、不当な行動(選手登録されていないプレイヤーをだした時など)をとった時。
テクニカル・ファウルはいかなる場合でも2本のフリースロー、スローインファールは1本のフリースローに加え、ファールが起きた場所に最も近い場所からのスローイン再開、その他は状況に応じて1~3本のフリースローに加え、オポジットサイド(T.O.席の反対側)のセンターラインをまたいだ場所からのスローイン再開。また、ディスクォリファイングファールについては、該当プレイヤー失格・退場。テクニカルファールはコーチテクニカルはコーチ2回または、ベンチ・パーソネルと合わせて3回でコーチ退場。
尚、2015年(国際ルールは2014年世界選手権後)よりは、テクニカル・ファウルは1本のフリースローに変更となるが、同じプレイヤーが2度テクニカル・ファウルを起こすと、ディスクォリファイング・ファウルの対象となる見込み。
審判
バスケットボールの審判は、笛を持ってコートの違反などを裁く「主審・副審」と、外でゲームクロック・24秒計や選手交代などを管理する「テーブルオフィシャル(T.O.)」が4名(+コミッショナー)の計6(+1)名でゲームを管理する。またBリーグ、国際大会、国内主要大会では正確な判断と負担減のため主審1名・副審2名の3人で試合を裁いている。主審と副審は日本語では主と副で上下があると思われがちだが、同じ権限を持っている。(英語ではumpireとreferee)
ひたすらコートを動き続けるため、特に体力を使う審判であり、試合が始まる前の準備体操が重要である。
北京五輪で平原勇次氏が女子決勝の主審を務めるなど、日本の審判自体のレベルは決して低くない。また、須黒祥子氏に代表されるように、近年は女性の進出も著しいが審判自体の数は常に不足している。
資格
バスケットボールの審判は、その資格によって「ワッペン」が与えられる。
誤審問題
バスケットボールの審判は「審判の判断で勝ち負けが決まる」といっていいほどの重要な人物であり、厳粛に判断しなければならないが、展開が速い為に素早く判断をしなければならないので誤審が多い。そのため最近では、3人制を取ることも多い。逆に勝ち負けが決まる為、審判の感情でエコヒイキする人もいる。(審判としてやってはならないこと)
他詳しいことは「誤審」を参照。
バスケットボールを主題とした作品
- スラムダンク…言わずと知れたWJの名作で、1億5000万部を売ったモンスター作品。国内バスケ界に多大なる影響を及ぼし、今もなお影響を与え続けている。作者はバスケ経験者であり、自分が描くまで他の作家が描かないように念じていたらしい。ダッシュ勝平のことは知らない振り
- リアル…スラダンの作者が車椅子バスケを題材にした作品。こちらも障がい者スポーツならではの観点で描いているので必見。
- バスカッシュ!…端的にいえばロボットに乗って行うバスケ。詳細は単独項目に譲る。
- PLEASURE☆…R-18。詳細は裸バスケを参照。
- 黒子のバスケ…WJに連載され、腐女子を中心に大ヒットした。最初は普通にプレイしていたのに、だんだん超人化していった。そのテニヌを彷彿とさせるプレーから一部でバヌケなどと呼ばれる。
- ロウきゅーぶ!…詳細はリンク先参照。ミニバスのコーチ就任を機にバスケへの情熱を取り戻す男子高校生の青春物語。
- I'll…『月刊少年ジャンプ』連載。一度捨てようとしたバスケへの情熱を際熱させた高校生二人の物語。
- あひるの空…週刊少年マガジン連載中。女子バスケ日本代表だった母を持つ高校生による高校バスケストーリー。2019年には東京五輪を前にアニメ化もされている。
- BUZZER BEATER…こちらもバスケだが、Sports-i ESPN(現:J SPORTS 3)でも連載された経験を持つ珍しい漫画。
- ふぁいとの暁…名門中学バスケ部を舞台にした漫画。主人らのかわいさに多くのショタコンがホイホイされた。
- DEAR BOYS…原作はACT3が連載され、2016年になってようやく完結した。珍しく、ミュージカル化されている。
- っポイ!…天野平と日下万里を軸にした青春物語。主人公二人はバスケ部。
- Harlem Beat…珍しく、ストリートバスケと公式バスケ、両方を描いている。
- ダッシュ勝平…作品中で様々なスポーツを扱うが、一番最初はバスケだった。とりあえずは、漫画で初めて大きくバスケを取り扱った作品であり、アニメ化もされている。
- ほうかごバスケット…『まんがタイムきらら』連載の4コマ漫画。自分を不燃物と称する女子高生のハートに火を付け、バスケに導いていく少女の物語。
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関連項目
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