バスタード・ソードマンとは、「ジェームズ・リッチマン」氏によるファンタジー小説である。
概要
小説投稿ウェブサイト「ハーメルン」にて、ジェームズ・リッチマン氏が2022年7月7日から投稿しているウェブ小説。「ハーメルン」はその成り立ちの関係から二次創作小説投稿サイトとして有名だがオリジナル作品の投稿も受け付けており、本作『バスタード・ソードマン』もオリジナル作品である。
2022年9月1日からは別の小説投稿ウェブサイト「小説家になろう」でも後追いで投稿を開始し、同年10月からは「ハーメルン」と「小説家になろう」にて概ね同時に投稿されている。
ウェブ小説のファンタジー小説にわりと多い、「西洋ファンタジーっぽい異世界に転生し、冒険者的な職業に就いて生活する」話である。
しかし本作の主人公「モングレル」がリスクを恐れて目立つことを避けるたちで、かつ中途半端な立場で割と満足できる性格。そのために、そういった作品でありがちな「強力な能力で派手に活躍する」とか「その活躍で大きく評価される」などといったような展開はあまりない。
主人公がぼちぼちの難易度の依頼をこなしてぼちぼちの評価を受けつつ、ぼちぼち旨いものを食ったり飲んだり、たまに料理とか前世知識に基づく変なもんを作ったりするような話が大半。概ね「時々苦労しつつもぼちぼちうまくいっている冒険者の日常を描く」という向きが強い作品である。
いわゆる「異世界スローライフ系」とも言えるが、主人公モングレルはそういった系統の作品でよく出てくる超有能な生産系チートスキルを持っていないため、料理や製作などの様子も割と地味。
2023年5月30日にはKADOKAWAよりB6判の単行本として書籍版が発売。イラスト担当は「マツセダイチ」氏。
登場人物
- モングレル
- 本作の主人公。物語開始時の年齢は29歳。国境付近の村の出身で「黒髪の中に白のメッシュが入る」という、隣国とのハーフによくある髪をしている。
- パーティーに属さないソロの「ギルドマン」として活動している。武器としてバスタードソードという「ショートソードよりは長いがロングソードよりは短い」、中途半端な長さの剣を気に入って愛用している。
- 現代日本らしき世界から転生してファンタジーな世界に転生したいわゆる異世界転生者。だがそのことは周囲には語っていない。
- たまに現代日本の知識で発明品を作る。しかし有名にでもなると貴族に目をつけられて危険であると判断しているために、本当に画期的なものは製作可能な者に匿名で知らせるだけにしている。実名では「あると便利」程度のグッズ(洗濯板とか)や変なモノ(「モングレルのモングレル」とか)だけを発明・販売している。
- ライナ
- 女性パーティー「アルテミス」のメンバーで、若いが優秀な弓使い。物語開始時の年齢は16歳。
- 青髪のショートカット。モングレルが評して曰く「起伏のない身体は色気も何もないが、こんな俺相手でも一応は先輩として立ててくれる。なかなか可愛い奴」。「ッス」と語尾に付ける、後輩っぽいしゃべり方をする。
- ウルリカ
- ライナと同じく「アルテミス」のメンバーで、ライナの先輩の弓使い。物語開始時の年齢は18歳。
- 初登場時の外見描写によれば「薄紅色の髪の女」「気さくそうな明るいタイプの子」とのこと。
- ディックバルト
- パーティー「収穫の剣」の団長。黒色の刈り上げたような短髪、青色の糸目。2メートル10センチを超える巨漢。鍛え抜かれた傷だらけの肉体と、常に厳しく耐え忍んでいるような表情が特徴的。
- ディックバルトは語らない。エロいことにしか興味が無いからだ。
用語解説
- ギルド
- 国の管理下にある組織で、各都市に存在する。ギルドはギルドマンに対して、魔物退治、護衛、力仕事や雑用などの依頼を割り当てる。戦時には軍の指揮下に入ることもある。
- ギルドマン
- ギルドに所属し、生計を立てる者。魔物退治の専門家。 軍に比べて待遇が悪いこともあり、人生の落伍者やならず者と見なされることもある。いわゆる「冒険者」。
- ランクは上から順にゴールド、シルバー、ブロンズ、アイアンがあり、それぞれのランク内で1から3の階級が設定されている(最上位がゴールド3、最下位がアイアン1)。
- ギルドマンが魔物退治、軍人が対人戦闘に注力していることもあり、直接対決なら通常は軍人の方が強い。しかし、ゴールドランクのように並みの軍人よりも遥かに強力なギルドマンも存在する。
- 魔法
- 魔力を消費して発動する技術。習得には幼少期からの教育か適性が必要とされ、成人後の習得は困難。火、水、風、闇、光、治癒などの魔法が存在する。
- スキル
- 神に関連すると伝えられる異能。魔力を消費して発動する戦闘術。発動時は目が僅かに発光する。
- 習得には個人差があり、一つスキルを習得するのに、5年から15年かかると言われる。戦闘系のスキルのみが存在し、これらは魔物との戦いを通じて「熟練度」が蓄積され、一定の熟練度に達すると頭の中にスキルの名前と発動方法が閃く。スキルは刀剣、短剣、棒、槍、弓、鈍器、盾、格闘術、補助技など多岐にわたる。
- 軍人やギルドマンにとって、スキルの習得はその後の人生に大きな影響を及ぼすが、狙ったスキルが習得できる訳ではなく、役に立たないスキルを習得してしまうこともある。
- ギフト
- スキルと同じく、あるいはそれ以上の奇跡として得られる超常の力。
- ギフトには主に二つのタイプが存在する。一つは武器種の使用ボーナスや能力を底上げするパッシブタイプ。もう一つは魔力を消耗して発動するタイプで、これはスキル以上の強力な効果を持つことがある。
- 極めて有用なものだが、全く使わず生きる者も居る。
関連静画
関連リンク
関連項目
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- 0pt