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バッカニアとは・・・ |
バッカニアとは、イギリス海軍・空軍で使用された攻撃機である。現在はすべて退役している。
概要
イギリス海軍の艦上攻撃機としてブラックバーン社が開発を行った。初飛行は1958年。バッカニア(海賊)という名前をつけられたこの機体は、遷音速度域(M0.8~M1.2)を飛行する機体特有のデザイン、「エリアルール」に基づく胴体部中央がくびれたデザインが成されている。
もっともバッカニア自体は音速を超えることはなかったし、初期の頃はエンジン推力が足らずフル兵装で空母から飛び立つのに燃料を半減(つまり重量を軽減)しないと飛び立てないという、一つ間違えれば英国面に…も、もとい、駄っ作機扱いになりそうなシロモノだったが、エンジンをロールスロイス製にしたことで問題は解決すると、低空でも運動性もよい使い勝手のいい攻撃機となった。この時期あたりから攻撃機は敵レーダーから察知されないよう低空侵入で攻撃するというスタイルをとるようになったため、その点でも使い勝手はよかったようだ。
当初はイギリス海軍の艦上攻撃機だったものの、イギリス海軍がCTOL航空母艦を全廃したことで、すべて空軍所管の攻撃機となる。その後の長い運用期間のラストは湾岸戦争(1991)における実戦参加だった。湾岸戦争終了後1994年にはイギリス空軍の運用も終了、退役した。
輸出が行われたのは南アフリカのみだが、わずか16機のみであり、こちらも1991年にすべて退役。事故で大多数が失われ僅かに残った機体のうち一機が民間会社サンダーシティ社に売却。民間人向けのジェット戦闘機搭乗サービスで使われているという。
ちなみに開発元のブラック・バーン社は航空業界特有の再編の波に晒されホーカー・シドレー社に吸収。ホーカー・シドレーも国有企業BAe(ブリティッシュ・エアロスペース)に、そして現在の民間企業BAEシステムズと変化している。そのため、出版物の時代によっては「ホーカー・シドレー・バッカニア」「BAeバッカニア」とも書かれる一因になっている。
国内では「エリア88」におけるサキのよき副官、ラウンデル少佐の乗機だったので意外と知られている機体であるといえるだろう。
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関連項目
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