バトルガレッガとは、1996年に株式会社ライジングが開発したアーケード用シューティングゲーム(STG)である。
1998年にはセガサターンに(販売:エレクトロニックアーツスクウェア)、2016年にはPS4に移植された(開発・販売:M2)。
ストーリー
男が男らしく、女が女らしく生きる、それが当たり前で何の抵抗もない時代。
もう少し焦点を絞れば、産業革命から数十年が経過した時代。
そんな時代に生まれたウェイン兄弟は、連邦国家という大陸の大国に「兵器開発主任」としてスカウトされた。
その時は、なにも知らず無邪気に速度や馬力など兵器の性能を競い合い、
連邦国家の提供した豊富な資金を基に、高性能かつ高機能の兵器を開発に打ち込んだ。
だがしかし、兄弟の己に対する考え方は変わった。
そのきっかけは、悲しいことに――戦火から逃れた地で、
連邦国家が自分たちの開発した兵器を使い、実際に人の住む街を焼き払った痕――なにもない焼け野原を見てからだった。
そこには、無数のうめき声、赤子の力のない泣き声とただの瓦礫の山しかなかった。
その時、兄弟は…あまりにも恐ろしい、人々を殺戮する化け物兵器を創り出したこと、
何も考えず戦闘兵器を製作したこと、それらの自らが行った業を悔やみ、
開発した機械達が戦争で兵器として使われたという重い罪をあがなうため、兄弟二人だけで連邦国家に反逆する。
最後にして史上最高傑作である、「シルバーソード」、「グラスホッパー」、「フライングバロン」、「ワイルドスネイル」…。
四機の高性能爆撃戦闘機に乗り込んで――――。
キャラクター
ウェイン兄弟
兄弟共通
職業は機械技師。両者とも一人称は「僕」。
父の影響を受け、幼い頃から機械に親しんでいた。メカニックに関して天才的な技術力とセンスをもち、
その才能を買われ連邦国家にスカウトされる。その際本作の敵機体をデザイン、
製作したのも彼らである。
(しかし、銀河一後方に強い戦闘機ことブラックハートは彼らのメモ書きを参考に、連邦国家が作成した)
しかし、その自らが持つ天賦の才能によって作り出された機械と兵器群により、一番自分たち(とプレイヤー)が苦しむことになるとは・・・
B・ウェイン(兄)
J・ウェイン(弟)
英語版wikipediaの情報によれば、名は兄はブライアン、弟はジェイソンということだが、公式情報かもわからないので、確かな情報ではない。
本作の正式な続編、「アームドポリスバトライダー」によれば、兄は「少々内省的だが責任感は強く、
ねばり強い性格を持つ」弟は「行き詰まる時にはとことんまで行き詰まる性格なので、
堅実な兄の存在をたのもしく感じている」(公式サイトより)という性格に設定されているようだ。
概要
スチームパンクな世界観や独特な難易度上昇システム(後述)を搭載した、極めて硬派なSTGである。そのため初心者にはやや敷居が高い。しかしそのシステムを一度理解すると、「パターン構築」という楽しみが無限に広がっていく。「玄人好み」、「噛めば噛むほど味が出るスルメのようなゲーム」として、全体としての評価は高いゲームである。
システム
- 1レバーと3ボタン式。ボタンはショット、ボンバー、オプションの陣形変更。
- ガンフロンティアのようにボムを拾って撃つ
- また隠しコマンドで同社からの魔法大作戦からのゲスト機体が使えるのも特徴
- ショットアイテムをとるとショットがパワーアップ。小と大がある。
- オプションアイテムをとると無敵のオプションが付く。最大4個まで装着可能
- 機体を選んだ際のボタンで、カラーリングが性能が異なるタイプに変わる。
選択できる機体のデータ
- G-1010 戦闘攻撃機 シルバーソード
・キャノンボール/マサムネ/シャッタースター
スペシャルウェポン〈ボム(STG)〉:レバー逆方向に爆風が拡散する「スーパーナパーム(SUPER NAPALM)」 - G-130 陸上戦闘迎撃機 グラスホッパー
・レインフォーサー/DGRオクトーバー/ダイビングフォックス
スペシャルウェポン〈ボム(STG)〉:前方に無数の弾丸を撃ちまくる「ストロングバルカン(STRONG VULCAN)」 - G-1026 軽艦上戦闘機 フライングバロン
・ストーミーオーメン/レッドインパルス/ブラックツェッペリン
スペシャルウェポン〈ボム(STG)〉:自動追尾で敵機を追い詰める「ホーミングミサイル(HORMING MISSILE)」 - G-913 重戦上雷撃機 ワイルドスネイル
・アイアンマッケレル/ロストチャンピオン/ゴールデンバット
スペシャルウェポン〈ボム(STG)〉:自動的に敵を狙い焼き尽くす「サーチファイア(SEARCH FIRE)」
※隠しコマンドにて『魔法大作戦』のキャラクターを使用可能。 - 戦士ガイン
スペシャルウェポン〈ボム(STG)〉:超魔法ボンバー(S・MAGIC BOMB) - 魔法使いチッタ
スペシャルウェポン〈ボム(STG)〉:魔人マウンテン(JINN THE MOUNTAIN) - 侍竜ミヤモト
スペシャルウェポン〈ボム(STG)〉:真空斬り(SINKUU・GIRI) - 呪術師ボーンナム
スペシャルウェポン〈ボム(STG)〉:バッドオーメン(GATE OF HELL)
ランク
ここで言うランクとは、STGの一般用語で、状況によってプレイ中に上下する難易度のことである。端的に言うと、巧い人がプレイするとどんどん難しくなっていく。
本作ではこのランクシステムが非常に顕著で、何も手を打たないでいると最終的には「クリア不可能」というところまでランクが上昇する。しかもそのランクを上昇させる要素が「連射を使用する」、「自機をパワーアップさせる」など普通のSTGなら誰もがやるような何気ないものばかりであり、これを知らないでプレイするとまず悲惨な状況になる。
よって、クリアするためには何より「ランクの上昇を抑える・上昇したランクを下げる」ことが重要になってくる。以下に、このゲームをプレイするときの心得をいくつか述べる。
- オプション注意
- オプションアイテムは、ゲーム内でも最も簡単にランクを上げてくれる曲者。ミヤモトやガインはオプション必須だが、4号機などは状況に応じてオプションを少なめにしても良い。また、当のミヤモトは4倍、ガインは8倍と、他機体のオプションショットよりランクが大きく上がってしまう。
- 残機は多すぎず
- ミスする事によってランクを下げる事が可能なこのゲームだが、残機は少なければ少ない時のほうが多くランクが下がる。よって、エクステンド目前の際には先立って自爆しておくといった戦略が重要。逆に、残機が最大(5機)の状態ではミスしてもほとんどランクが低下しないため、自機から飛び散ったアイテムを全部回収すると、あべこべランクが上昇してしまう。
- ※ランクには下限があるため、ランクの上がっていない序盤で潰しまくるのは無意味!
- 連射は奥の手
- 当ゲームでは、長い間「ショットを大量に撃つと一気にランクが上がる」と思われてきたが、実際の仕様上では、「発射したショットの本数」には大したランクの上昇が存在しない。では何がいけないかというと、「基底の連射数」である。ガレッガには内部で現在の連射速度を保持する機能があり、それを使えば連射器なしでも安定した連射が可能。しかし、デフォルトの8.6連射と10連射よりも上の連射数(12連射以上)にしてしまうと、時間ごとに加算されるランクが増加し、更に15、20、30と上げていくにつれて加算されるランクが激増していく。逆に言うと、連射を解禁した後の時間が短いなら、連射の恩恵は十分に受けられるという事である。ただし、1秒に15以上のダメージが入らない当ゲームにおいて、20連射以上を使うメリットは撃ちこみ点の観点以外ではほぼ存在しない。
- その後研究が進み、上記のような極限まで追求するようなスタイルでなくとも一応クリアは可能ではある。
ただし、稼ぐとなると別問題(ガインでハイスコアをめざすには、ランクMAXにする必要がある)だが・・・・・・。
上級者になるために
- 先んずればゲームを制す
- 電源を投入したらすぐに始めるべし。
- 他人がプレイした後なら、一度電源をオフにしてからやり直そう。ただし、基板に負担をかけないよう、オフにしたら時間を置き、精神を統一してから電源を入れること。
- さすれば、常に同じ道が開けよう。
- ※余談だが、アームドポリスバトライダーは逆に電源を入れた時の方が難易度は高い。
- 一ボム百鳥
- 鳥を見たらボムれ。
- ハイスコアを得るためには、悪魔へと身をやつす必要がある。罪無き鳥たちを紅蓮の炎にまき、全てを焼き尽くすのだ。更なる上級者は、鳥の群れと共に涅槃を垣間見るという。牛でもいいぞ。
- ※ゲーメスト掲載当時は2面最初にある、稼ぎ要素のひとつでもある鳥の情報がなかった。
- 砲台には夢がある
- 一面ボスの背面にある砲台を堪能すべし。
- ※上級者とはまったく関係がない。が、夢の話が気になる方はコチラ
移植
セガサターン版
1998年2月にエレクトロニック・アーツ・スクウェアから発売。移植度はロードとBGM(CD-DAでの再生のため、長いステージではフェードアウトして頭からループになる)を除いてほぼ完璧。4号機とボーンナムによるスーパープレイがリプレイの形で収録されており、稼ぎの参考資料としても秀逸だった。また、CD-ROMをPCで開くとHTML形式で詳細な攻略を読むことができ(同人誌「バトルガレッガハンドブック」のHTML版)、資料としても貴重な1枚である。中古市場ではプレミアム価格で販売されている。
PS4版
2016年12月15日にM2から発売。「M2ショットトリガーズ」の第1弾として、またバトルガレッガ20周年記念として発売された。PlayStation Storeでの配信タイトルだが、限定版としてパッケージ版を一般流通で販売した。(BD-ROMではなく、PS Storeのプロダクトコードが封入されている)
移植度については処理落ち具合まで含めて完璧とされ、ワイド画面を活かしてゲーム中の各種情報を常時表示する「M2ガジェット」機能を搭載。これまで外から知ることのできない情報だった「ランク」が数値とグラフで常時確認出来るようになった。また、ボス戦の残り時間、ボス(と中ボス)の体力、隠しフォーメーションの仕込み状況なども常時確認できるようになった。(もちろんM2ガジェットをOFFにしてこれらの情報を見ないこともできる)
また、見づらいと評判の弾についても色を変更するオプションが搭載された。
ゲームモードとしてはアーケード完全移植の他、ランク変動をなくしたほか様々な初心者向け措置を加えた「SUPER EASY」、エクステンドにすら手を入れて新たなゲーム性を持たせた「PREMIUM」の2モードと、これらのルールを自由に組み合わせられる「CUSTOM」モードの合計4モード。それぞれオンラインランキング・リプレイ対応。
BGMもアーケード版に加え、さんたるる(並木学)氏本人による「もしもガレッガの基板がステレオ出力で高性能PCM音源を積んでいたら」というifに基づく再構築バージョン、スーパースィープのアレンジアルバム、そしてセガサターン版の計4種類から選択可能となっている。
余談
- 矢川忍がメインプログラムをし、音楽はさんたるること並木学が担当した。
- ラスボス DT-070 グロウスクイードの最終形態の動きは矢川忍が昔作ったサマーカーニバル'92 烈火のラスボスと動きや攻撃方法が酷似している。
- ノリのいいテクノ系のBGMは矢川氏の趣味でもあるということを烈火サントラでのインタビュー内で塩田、並木両氏が語っている。
- 当時、一部では評価されつつもなかなか楽曲がCD化されない並木は、MDX形式で楽曲をネット配信をし、今で言う先生何やってんすかをやってしまったことがある(バレて当然怒られた)。その後ゲーメストビデオに付録という形でCD化され、後の攻略DVDにも音楽が収録された。
- IKDが影響を受けたSTGのひとつとして本作品を挙げている。怒首領蜂の製作中にガレッガの2ボス SF-4518 マッドボールの攻撃を見て、真っ直ぐ飛ぶ弾の面白さと、ここまではっちゃけてもいいんだと思ったため、怒首領蜂はあのような弾幕ゲーになった。(ゲーメストのインタービューより)
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関連項目
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