ババアインパクトとは、カプコンのXbox360用ゲーム『デッドライジング』冒頭で起こるイベントの通称である。
概要
このゲームの舞台となる大型ショッピングモールにゾンビの大量侵入を許す事となった出来事。
首謀者はリンゼイ・ハリス(Lindsay Harris)。人間である。
詳細
アメリカ合衆国、コロラド州ウィラメッテ。突如封鎖されたこの街では、約5万のゾンビがありとあらゆる場所に徘徊していた。数少ない生存者達は、ゲームの舞台となる大型ショッピングモールへと逃げ込む。そして、ウィラメッテの突然の封鎖に疑念を持ったフリーランスのフォトジャーナリスト、主人公のフランク・ウェストもこのショッピングモールへと足を踏み入れ、彼等が入口にバリケードを築いているところに合流する。エントランスホールには、泣き崩れる者、怪我をしている者、鈍器・銃器で武装している者等がおり、ピリピリとした緊張感、絶望感が場を支配していた。
事件はまさにそこで起こる。
生存者の中にいる、いかにも金満家風のババア。重苦しい雰囲気の中、なんとか生き残ろうとする者達を歯牙にもかけずに駆けずり回り、「私のワンちゃんを知りません!?」とまくし立て、はぐれてしまったらしい自分の愛犬“マドンナ”を探し回っていた。ここでプレイヤーや視聴者は、ゾンビ映画のお約束「空気の読めない奴が勝手な事をしでかし、危険が広がる」という予感をひしひしと感じたであろう。
その後、ババアはゾンビ達が犇くバリケードの外にいる愛犬を発見。正常な判断力をもってすればバリケードを崩す訳にはいかず、仮に崩したとしてもゾンビの中に飛び込む事は自殺行為。だが、半狂乱状態のババアにそんなまともな判断能力がある筈もなく、阻止すべく掴みかかった大の男をも振り切る馬鹿力を発揮し、遂にはバリケードを破壊。
結果は推して知るべしである。バリケード破壊を阻止しようとした者まで犠牲にし、他の生存者達を更なる危険に晒してまでババアが得たものは、亡者にむさぼり食われる最期であったとさ。めでたしめでたし。
こうして最後の砦と思われたショッピングモールにも、大量のゾンビが満ちる事となる。
ババアは大変なことをしでかしてくれました。
「最も恐ろしいのはゾンビではなく人間」という教訓と共に、この出来事は語り継がれる事となる。
補足
この『デッドライジング』には「サイコパス」と呼ばれるボス敵が登場する。今回のゾンビ事件で正気を喪ったり、混乱に乗じて悪事を働くなど、主人公を敵とみなして襲い掛かってくる「人間」達がそれである。フランクのレベルが上がれば簡単に一掃出来るゾンビと違って、動きも素早く、高い攻撃力を持った厄介な存在である。
ジョージ・A・ロメロから続く「最も恐ろしいのはゾンビではなく人間」というゾンビ映画のお約束に則り、このゲームにも様々なサイコパスが登場するが、言うなればこのババアは一番最初に登場するサイコパスではないだろうか。
その狂乱振りからは、犬だけを心の拠り所としてきたであろう彼女の孤独な生活が垣間見える。他人の事を気に掛けない行動は、誰にも気に掛けられなかった余生の象徴と言えるのかもしれない…。
ちなみにゲームが進行していくと、Wonderland Plaza内のサッカーボールの上に老婆が要救助者として出現するが、彼女の名前はスーザン・ワルシュ(Susan Walsh)であり、当事件の首謀者とは別人である。たすけてあげてね。
関連動画
関連項目
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