バリアフリーとは、元は建築用語である。
バリア(邪魔な壁)フリー(撤去)するという意味である。また、ここから転じて以下の用途で使われやすい。
概要
簡単に言うと、「誰でも住みやすい社会」「どこから来た人も使いやすい施設(など)」を目指す用語である。
一例を挙げると、身体に障害を持つ人は、普通の人とは様々な理由で生活に不便を感じる機会が多い。そんな障害を持つ人のバリアをフリーにする、という意味である。簡単に例を挙げると、
- 車椅子に乗っていたり、足腰が弱かったり、ケガをしている、妊娠中など、階段などの昇降ができない、または困難
→スロープの取り付け。階段には上り下りをしやすいように、手すりなどを設置する。都市内乗合バスにはノンステップバス・ワンステップバスの導入(そのため、健常者の総座席数が減少するという問題は否定できない)。公共性の高い施設にはエスカレータ、エレベータなどの昇降機器が設置されれば、なお好ましい。 - 耳が不自由で、相手の会話、更には緊急事態の発生などが理解できない
→手話を通じて会話を行う。費用さえ許せば、電光掲示板に類する掲出物を設置できれば好ましい(もちろん停電までの間、一定時間内部電源によって作動を行うといった冗長性も必須である)。 - 視覚障碍者の外出、ひいては外出して社会生活全般を営むことが困難である。もしくは、いわゆる「弱視」の人への対策
→点字解説板の設置、信号交差点への誘導音装置の設置、道路に点字ブロック(黄色いラインと点のブロック)の設置、列車連結面への転落防止柵取り付け、駅ホームへのホームドア・安全柵設置など、大判フォントと判読しやすい色調による案内板の設置(一番最後の項目は、公共交通ではJR東海ほかが熱心に取り組んでいるようだ)。 - 日本人以外が、規制されている内容の意味を理解できず、特に「してはいけない」ことについての重い揉め事につながる
→ピクトグラム(絵文字)の設置、付随して他言語訳(英訳ほか)。
などがある。もちろん、これはほんの一例に過ぎず、探せばまだまだある。
問題点
この様に公共で様々な取り組みが行われているが、残念ながら完璧な状態とは言えない(日々進化し続けているので「完成」「完璧」は、一部のごく限られた事業体でしか実現されていない)。
まず一つ目に、費用面の問題がある。…というのは、おそらく多くの方が理解できることかと思われるが、もう一つの大きな理由はコミュニケーション面の問題である。
人と接するときに、必ずしも相手は障害者の事を完全に理解しきれているケースは少なく「なんでこんなこともできないんだ!」と、つい荒げてしまいがちである。ある意味これは一番の問題であり、当然ながら理解しきることというのは非常に困難な事ではあるのだが、「見守る」ことを忘れないでほしい。彼らはいつも必死なのだから。
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