バルバス・バウ(Bulbous Bow)とは、主に大きな船の舳先に備えられた丸い出っ張りのことである。
概要
バルバス・バウは、船が進む際、舳先が作り出す波による抵抗(造波抵抗)を減らす目的で作られた構造である。
原理としては、舳先が作り出す波とは逆位相の波を、バルバス・バウによってあらかじめ作る事により、舳先が作った波と、バルバス・バウが作った波とが、互いに打ち消し合う、という物である。
その目的のため、吃水線下(つまり水中)に無いと困る物なので、目にする機会は少ないが、宇宙戦艦ヤマトの波動砲発射口の下にある、赤い部分の出っ張りと言えば、イメージしやすい人もいるのではないだろうか。
主に軍艦やタンカー、フェリーなどの、長距離の外洋航行を行う大型船に備えられるが、近年では漁船や個人用クルーザーなど、小さい船にも見受けられる。
その祖先は、古代の軍艦に備えられていたラムアタック用の衝角であり、造波抵抗の軽減が主目的となるバルバス・バウは1900年代初頭にアメリカで生まれ、日本では旧日本海軍の翔鶴型航空母艦(1939年に進水)に採用されたのが初めてとのことだが、その効果について理論的な説明が付いたのは、1950年代に入ってからになる。
関連動画
百聞は一見にしかず、この動画を見れば、その効果は一目瞭然だろう。
関連項目
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