バルマンテとは、ゲーム『サガ スカーレット グレイス』に登場するキャラクターである。今作の主人公の一人。
概要
屈強な見た目とは裏腹に、知的で賢明な人物。今作きっての常識人。処刑人という職業柄、性格は非常に冷静沈着。目の前で何が起ころうとも感情的になること無く、冷静に状況を判断し、物事に対処する。
処刑人としての自負があり、それと同時に自身が負っている責務を十分に理解している。以前にコハン城の執政であるシグフレイが恐怖政治を敷き、市民から政治家まで数多くの人々の刑を執行してきた。そのため、恨みを買われることも珍しくないが、バルマンテ自身は実直であり、私情を挟むことは決してしない。『刑死者との絆』という常人には理解し得ない処刑人としての信念があり、如何なる理由があろうと刑死者から託された遺品を私的利用できる権利は無いこと、またそれをしてしまうと処刑人ではなく、ただの人殺しに成り果てるということを理解している。
全主人公で唯一、過去の事柄についてほとんど明かされていない。出生はもちろん、処刑人になった経緯さえも明示されておらず、他の主人公と比べると不明な点が非常に多い。
パートナーはコハン城の法務担当書記官であるアーサー・ダールトン。唯一の同性コンビ。常に美女を侍らす典型的なチャラ男で、戦闘なんて真っ平御免という掴みどころのない男。このような性格をしているにも関わらず、戦闘職はなんと術士であり、これはサガシリーズの中でも珍しい設定である。シグフレイの恐怖政治の渦中にいたにも関わらず、のらりくらりと泳ぎきり、シグフレイ処刑後も書記の職を保っている。法公務を通じて裏社会にも顔が利くという黒い一面も持っており、そんな一面があることをバルマンテには明かしてはいるものの、裏の顔自体をバルマンテに見せることは決してしない。なんとも得体の知れない男なのだが、それでいてバルマンテへの協力は惜しまないという奇妙な信頼関係がある。ちなみにアーサーの護衛という形で初期メンバーが加入するが、パートナーだけではなく、初期メンバーとの会話イベントも多く発生する。
ストーリー
ケイ州コハン城の執政シグフレイは、元々善政で知られる行政官だったのだが、ある事件をきっかけに城主であるウィリアムを裏切って処刑した。そして政治家、軍人など身分を問わず、逆らう者も次々と処刑し、以前とは一変して恐怖政治を敷いていた。しかし、間もなくして政敵の策略に落ち、シグフレイ自身も処刑されることとなる。まるでそれも計算の範囲内であったかのように。そして処刑執行前にバルマンテに自身のペンダントを託し、「私は七度蘇って、この世に正義を為するもりだよ。」となんとも珍妙なことを言い残し、斬首された。シグフレイの恐怖政治は終わりを告げ、平和が戻ってきたのもつかの間、血相を変えたアーサーが「モウレワ州でシグフレイが復活した」とバルマンテに告げる。死者が復活するなどあり得ないことだが、処刑直前にシグフレイが言い残したことも気がかりなバルマンテは、アーサーと共にモウレワ州へ向かう…。
バルマンテ編は、終始第一シナリオであるシグフレイ編が進行する。コハン城でシグフレイの目撃情報を得た後に調査しに向かい、完遂するとコハン城に帰還というのが大まかな流れである。調査に向かう移動時に進行ルートから逸れると、第二シナリオと第三シナリオが発生する。一度第二シナリオと第三シナリオが発生してしまうとクリアするまでシグフレイ編に戻ることができない。(シグフレイを追おうと進行ルートに戻ろうとすると、アーサーに「シグフレイのことなんて放っておいて不死鳥を追おう」などと制止される。)
ウルピナ編とタリア編の場合は、一つのシナリオをクリアする毎に問題が解決していくが、バルマンテ編の場合はシグフレイを追う途中で別シナリオが割り込んでくるという形になるため、プレイヤーからすれば「一旦シグフレイはどうなったんだ」となんともモヤモヤした状態で別シナリオのプレイを要求される。また、シグフレイを追い続けることで新たな州へ行けるようになるという仕様のため、州の移動制限が厳しく、自由度が非常に低い。これは第二シナリオと第三シナリオも例外ではなく、原則的に全ての州のイベントを発生させることはできない。そのため、移動制限を解除しておかないと別シナリオ中に仲間になるキャラクターを加入させることができなくなる点も注意。最終的には全ての州へ行けるようになるものの(ただし例外あり)、それまでは他主人公時のように自由に旅をすることができないため、非常に窮屈な進行を余儀なくされる。ちなみに第二シナリオと第三シナリオをクリアせずにラスボスに挑むことはできない。
バルマンテ編の初期メンバーは、ただでさえ武器適性の偏りが激しい上、ステータスが貧弱であったり、ステータスと武器適正が噛み合っていないキャラも多く、戦闘の難易度は非常に高い。前述の通り、移動制限による仲間の加入もできない場合もあるため、しっかり探索をしておかないとパッとしないメンバーしか揃わない事態もあり得る。しかしプレイヤーによっては、初期メンバーが頻繁に会話イベントに出てくるので使い続けたいというジレンマも…。
また、タリア編以上に世界観に踏み入ったシナリオである上、それ自体も非常に難解。序盤からまだ登場していない地方名や人物名も頻出するため、他の主人公をある程度プレイしてからでないとバルマンテ編のシナリオを楽しむのは難しくなっている。
極めつけとしては、最終盤にとんでもないトラップが存在する点。回避可能ではあるものの、選択肢から選んで分岐するというわけではない上に、その分岐箇所も普通にプレイしていたらまずわからない。今作は第二シナリオと第三シナリオをどのように選択するかでストーリーが分岐していくが、このトラップにハマると多少の差異はあるものの、最終的にはプレイヤーの度肝を抜くトンデモ展開に発展する。
これらの様々な理由により、バルマンテ編を一周目にプレイするのはオススメできない。他に類を見ない主人公の設定に惹かれがちだが、バルマンテ編の特有な仕様とストーリーを考慮すると後半に回しておいた方がいいだろう。
ステータス
五行 | LP | 筋力 | 技術力 | 運動性 | 体力 | 知力 | 集中力 | |
火 | 9 | 14 | 7 | 8 | 12 | 9 | 11 | |
緋色の野望版 | 火 | 9 | 14 | 10 | 6 | 11 | 10 | 11 |
固有ロール
処刑人:攻撃対象のガード、回避率-20%、即死抵抗力+25%
初期習得技術
処刑には斧を用いている設定もあるため、斧を持たせたくなるところだが、技の命中率に関わる技術力が平均以下しかないため、相性はすこぶる悪かった。(ちなみに初期装備が斧である男性キャラクターは、高腕力、低技術型のステータスのキャラが多く、大半は斧との相性が悪い。)そのため、あまりに攻撃を外してしまうせいか、ネガティブな声もあったらしい。初期習得技が一切無いのも難点。
どういうわけか初版の緋の天啓のバルマン手の初期習得技欄には、スマッシュ、かぶと割り、ハイパーハンマー、地獄断面と嫌がらせのように書かれていた。バルマンテは人物像には非の打ち所が無いのでネタにされることは少ないが、これらの背景があるせいか戦闘性能面の方でネタにされてしまっていた。とは言え、技術力の低さから斧との相性が悪いだけであって、決してステータスは悪くはない。
腕力と体力の高い重戦士型なので、大剣との相性は良好。固有ロールが活かされる場面はあまりないが、プロテクト技で仲間を即死から守れる可能性も無くはない。しかしながら、汎用性には大きく欠ける効力なので、新しいロールを習得したらお役御免だろう。ちなみにステータスバランスが似ているレオナルドと比べると知力の高さはバルマンテに軍配が上がるが、それが活かされる場面はほぼ無い。
緋色の野望版での修正
さすがに最初から斧を持たせておきながら、斧にあった武器ステータスを持っていなかったのが問題になったのか緋色の野望版からはステータスに大幅な修正が入った。
まだ技術力や集中力が力不足に感じるが、斧はダメージを求められる武器であることと、緋色の野望版ではダメージの計算式が変更され筋力の影響が大きくなったこと、斧の使い手は技術力や集中力は補いやすいが筋力は補いにくいことなど、複数の要因が重なった結果、斧使いとしては優秀な部類に向上した。彗星の補正があればさらに上げることも出来る。
ただし、マイナス補正として、元より低かった運動性が更に低くなり、最低クラスの遅いキャラとなっているので注意が必要。
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関連項目
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