バンコク(Bangkok)とは、東南アジア・タイランドの首都名である。ただし、行政上首都府であるため、バンコク市ではなくバンコク都として扱うのが正しい。
概要
バンコクはタイの首都として東京と同等程度の発展を遂げており、いまや発展途上国とはいえない先進国の先進都市である。日本とタイの間には深い国交があり、一度だけタイ国王のプミポン王が来日したことがある。
タイのバンコクと日本には多くの航空会社が直行便を就航しており、成田空港からのおよその飛行時間は6~7時間。また、タイは年間を通して航空券の価格が一定であることから、多くの旅行者がタイで航空券を購入している。
また、『インターニュース』の調べによると、タイのバンコクはアジア最大の違法ゲームコピー市場があり、ゲームメーカーは多くの損失を生んでいるという。どんなに最新のゲームソフトでも、300~600円で購入できてしまうからだ。
都内の様子
チャオプラヤー川を挟んで東側と西側では大きく様相が異なる。一般的に観光客が訪れるのは東側であり、行政や観光等はこちら側に集中する。一方、西側は住宅地が広がり、また水路が充実している。元々、このエリアは近年までバンコクとは別の自治体であった事から開発に差が出ており、古き良き時代のバンコクの名残が漂っている。
熱帯地域なので1年を通して暑く、またスコールも多い。しかし、海抜が低い事や下水が整備されていないのでちょっとしたスコールですぐに道は水没してしまう。
主な観光スポット(抜粋)
- カオサン通り
バックパッカーの聖地と言われる安宿街で相部屋の一泊100バーツからの格安のゲストハウスが軒を連ねている。数多くの欧米人が訪れる事もあり、英語が多く見られるなどバンコクでも非常に異質な雰囲気が漂う。なお、物価はやや高めに設定されている。最近はタイ人もオサレな所と言う感覚で訪れるケースが増えている。 - ヤワラー通り
バンコク都内に存在する中華街である。元々タイ人自体が中華系の血統が入ってるため、極端な話ではタイ全体が中華圏内とも言われる事もあるが、その中でも特にその特徴を色濃くあらわしているのがヤワラー通りである。特産の金や燕の巣などの中華料理が廉価で販売される。 - パッポン通り
バンコクの歓楽街で多数のゴーゴーバーが存在する。日本人向けの店も多く、怪しげな雰囲気を漂わせている。例によってここの物価は高めである。パッポンさんと言う人の名前からの由来である。 - タニヤ通り
こちらも歓楽街であるがクラブが多く存在する。日本人駐在員も多く訪れて、夜の蝶が今日もこの通りを舞っている。 - ウィークエンドマーケット
BTSの終点モーチット駅にあるチャトチャック公園で週末に開かれる大規模なバザーであり、日用品から動物まで何でも売っている。とにかく広いので迷子にならないように気をつけたい。 - ワットポー
巨大涅槃仏で有名ではあるがタイ様式と中華様式の混ざった仏閣である事も注目すべきある。ここはタイマッサージの本場であり、専門の学校が設けられているほどである。なお、ここの外で付け待ちしているタクシードライバーは「今日は休みだから別の所に行ってやる」と言うのがお約束である。 - ワットアルン
日本では三島由紀夫の小説の影響で「暁の寺」と言われるこの寺はチャオプラヤー川の西側に位置し、東側のエリアからは渡し船を使っていく。 - サイアムスクエア
タイの原宿と言われる程に若者に人気のエリア。周囲には伊勢丹などの高級デパートが軒を連ねている。 - 法医学博物館
非常に珍しい法医学の博物館であり、かつては入館早々連続殺人犯とされたミイラが出迎えていた。このミイラの名前(シーウィー)からシーウィー博物館とも言われていた。現在ではシーウィー氏の連続殺人は冤罪であるとされ、展示から外れたのちに丁重に火葬された。法医学の名の通り、様々なケースの殺人事件や事故で犠牲になった人たちの標本の展示と言う真面目な内容。その他にも寄生虫や解剖学と言った医学の施設も存在している。 - ワット・パークナム
トンブリーエリアにある寺院であり、それまでは有名とは言い難かったが2010年中盤以降、インスタグラムの浸透に伴い、最上階の様相が映える寺院としてにわかに注目を浴びているお寺である。日本語で案内図あるように日本人が立ち寄ることが多い。同時にマナーに関する苦言が日本語で出ているように、本来は厳かな場所である事を知らずに旅の恥はかき捨てと目を覆わんばかりの恥ずべき行為をする日本人が見受けられるので、来訪者は自身の行動を今一度省みる必要がある(戒め
なお、千葉県成田市には姉妹関係となる寺院が存在している。
都内の交通
都内の交通の主流はバスであり、バンコク大量交通公社と言われる公営バスや民間のバスが都内をくまなくカバーしている。なお、一部で都バスと表記されているが都が主体ではなく、国が主体なので厳密には正しくはない。路線によっては終夜運転の区間もあり、また最安値の場合は均一料金のエアコンなしで7バーツ、日本円で約20円前後となっている。路線によってはエアコン付きの路線もあり、その場合は距離制の運賃となる。時に東京の某バス会社の事をトロピカルと言うが、本場の運転は流石であり、立ち席の場合はしっかりとつかまっていないとすっ転んでしまう事があるので注意されたし。
観光客が主に使う手段としてはタクシーの方が多く、日本と同じようにメーター付きがほとんどであるが、ごくまれに交渉式のものが存在する。日本のように自動扉ではなく手で開ける方式である。初乗り35バーツと日本と比べても非常に廉価である。例によって運転は荒く、また道を詳しく知らない者もいたりでサービスの質にばらつきが見られる。またメーターに細工をしている者もおり、日本の感覚では違和感を覚える事もある。三輪タクシーのトゥクトゥクは既に交通の主流としては第一線を退いており、観光客相手や主に家電のようにかさばる物やドリアンなどの匂いのきつい青果類などを運ぶ用途が多い。こちらはすべて交渉制であり、うまい事交渉しないと吹っ掛けられる事がある。と言っても、日本円に直せばタクシーの初乗りにも満たないケースがほとんどなわけだが。むしろ、おかしな所に連れて行かれる事がしばしばあるので、しっかりと意思表示をする事が大切である。
鉄道に関しては1990年後半までは国鉄のみと言う状況であり、定時性・ネットワークの面では非常に不利であった。そこで1997年に高架式鉄道のBTSが開業した。幹線道路に沿って走るこの路線は初乗りが20バーツからと当時のバンコク都民の所得から見れば割高な運賃が災いして、当初は乗車率が悪かったが、近年は所得が増えた事や渋滞とは無縁かつエアコンが付いていると言う事で時間帯によっては日本のラッシュ並みの乗車率を誇る時もある。また2004年には地下鉄が開業した。バンコクは湿地帯の為、地下鉄の建設には並々ならぬ苦労があったが、それを乗り越えて開通した地下鉄も大入り満員の時間帯もあり、活況を見せている。このほか、エアポートレールリンクやダークレッドラインと言った鉄道網が開業し、また地下鉄や新交通システムの整備が進んで、都内は鉄道が整備されつつあり、かつての国鉄だけと言われた時代からすれば大きく様変わりしている。
渋滞
バンコクと言えば渋滞。首都高や環八の渋滞も真っ青な状況である。
これにはいくつかの原因があり、計画的でない道路建設や滅茶苦茶な運転、側道があまり多くなく、脇に入ってもドン突きばかりで抜け道もあまり出来ない事、不適切な信号管制等があげられる。雨でも降ろうものならもはや10分程度の距離が1時間かかったでござる、の巻はしばしばである。
名称
バンコクとは通称であり、儀式的な正式名称は『クルンテープマハーナコーン アモーンラッタナコーシン マヒンタラーユッタヤー マハーディロックポップ ノッパラットラーチャターニーブリーロム ウドムラーチャニウェートマハーサターン アモーンピマーンアワターンサティット サッカタッティヤウィッサヌカムプラシット』で、和訳すると、『インドラ神がヴィシュヌカルマ神に命じてお作りになった、神が権化としてお住みになる、多くの大宮殿を持ち、九宝のように楽しい王の都、最高・偉大な地、インドラ神の戦争のない平和な、インドラ神の不滅の宝石のような、偉大な天使の都』となる。
タイ語では「กรุงเทพมหานคร อมรรัตนโกสินทร์ มหินทรายุธยา มหาดิลกภพ นพรัตนราชธานีบูรีรมย์ อุดมราชนิเวศน์มหาสถาน อมรพิมานอวตารสถิต สักกะทัตติยวิษณุกรรมประสิทธิ์」と表記するが、言うまでもなく長すぎるのでニュースや車のナンバーなどでは「クルンテープ・マハーナコーン(กรุงเทพมหานคร)」というのが一般的である。もっと短く称する場合は「กทม」とタクシーなどでは表記される。
詳しくは記事「バンコクの正式名称」を参照。
関連動画
関連項目
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