バンシー(banshee、またはbean sí、あるいはbean sídheなど)とは、イギリスのスコットランドやアイルランドの伝承に登場する妖精である。
概要
近いうちに人死が出る家の側に現れ、その死を想ってすすり泣く。あくまで死を予見して泣くだけなので死をもたらす妖精というわけではないのだが、ゲームやアニメなどでは耳をつんざくような泣き声で死をもたらすモンスターと解釈されていることもある。
ケルト語でBan(あるいはbean)は「女」、Shee(あるいはsíやsídhe)は「妖精」を指す言葉である(同じ地方の伝承に登場する「ケット・シー」の「シー」も同様の語源である)。
その名の通り女の姿をしているとされるが、伝承によって美少女(アイルランドの伝承)だったり醜い老婆(スコットランドの伝承)だったりと語られる外観は様々である。常に泣いているためその瞳は真っ赤だという。
偉大な人物や勇敢な人物、徳の高い人物の家ほど大勢のバンシーが現れるとされているため、たくさんのバンシーが現れた家は名家として箔がつく。一説にはバンシーの元ネタとなったのがケルト神話で戦場を支配する戦いの神バウであり、その姿を目撃した兵士が必ず死を迎えることに由来するとのこと。
また、ロマ民族(ジプシー)の風習である「葬式で悲しみの情を盛り上げるため報酬をもらって泣く仕事」がバンシーのイメージ形成に影響しているとも言われる。このような「泣き屋」「泣き女」の風習は中国や韓国、日本などアジア圏でよく見られるものであり、泣く人数が故人の徳を高めるという儒教の考え方が影響しているとされる。また儒教成立以前の中国にも同様の習慣があるほか、古代エジプトの壁画にも泣き女とみられるものが残っていたり、旧約聖書にも泣き女に関する記述があるなど、世界各地で似たような風習は存在していたようだ。
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