バーサークフューラーとは、『ZOIDS』シリーズに登場するティラノサウルス型汎用戦闘ゾイドである。
機体解説
バーサークフューラー BERSERK FUHRER |
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基本情報 | |
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型式 | EZ-49 |
所属 | ガイロス帝国 ネオゼネバス帝国 |
モチーフ | ティラノサウルス型 |
スペック | |
全長 | 22.7m |
全高 | 12.3m |
全幅 | 不明 |
重量 | 127.0t |
最高速度 | 340.0km/h |
武装 | |
ゾイドテンプレート |
ガイロス帝国が開発したティラノサウルス型汎用戦闘用ゾイド。
正確にはガイロス帝国内においてプロイツェンが擁するゼネバス系派閥がニクシー基地にて秘密裏に制作したもので、ベースこそ違うが、RZ-41ライガーゼロとほぼ同じ工程とコンセプトで作られている。[1]
その素体には“ティラノサウルス型完全野生体ゾイド”のコアが使用され、基本性能も“オーガノイドシステム搭載ゾイド”に十分匹敵するレベルに達しており、さらにライガーゼロと違って爪や牙だけでなく長い尻尾も元より格闘兵装として備え、そしてティラノサウルス型ゾイド共通の荷電粒子砲も標準装備しているため素体での戦闘能力はライガーゼロを軽く上回ると言える。
当然、本機も完成させるには後付けで装甲や武器を取り付ける必要があるが、こちらもライガーゼロとは違ってタイプゼロの時点で豊富な武装が搭載されており、いちいち換装せずとも多目的な戦闘をこなす事が出来る。
本機最大の特徴と言えるのが背部に装備されたバスタークローと呼ばれる武器である。
これはマグネッサーシステムを利用して超高速で回転する3本のブレードが組み合わさったようなドリル状の武器で、その内側には高出力ビーム砲を内蔵し、さらにブレードを展開する事でEシールドジェネレーターにもなり、そして可動範囲の広いアームによりほぼ全方向をカバーできるほとんど隙の無い万能兵装となっている。
口腔内の荷電粒子砲の方も集束と拡散を切り替える事で威力と有効範囲の調節が自在に可能になっており、さらにバスタークローからのビーム砲を極限まで増幅してから荷電粒子砲と共に一斉に放つ攻撃の威力はこのクラスのゾイドとしては最大級のものを誇っている。
他にも背部のハイマニューバスラスターや脚部に搭載されたブースターなどにより機動力と推進力も高く、格闘能力、射撃能力、高速能力のどれにおいても極めてハイレベルなゾイドに仕上がっており、計算上の総合的戦闘能力はあの魔装竜EZ‐34ジェノブレイカーをも凌ぐとまで言われているが、それでいて無論相応のテクニックと相性は要するもののジェノブレイカーよりだいぶ扱い易いゾイドであるともされている。
ライガーゼロと同じく“チェンジング・アーマー・システム(CAS)”が採用されているが、元より完成度の高いゾイドであったためか、作られたCASは非常に少ない。
これは、帝国軍がCASを「完全な戦闘能力を持つ優秀な『素体』に、戦闘が次世代に移っても最新の装備を装備できる拡張性を持たせる」という戦略的な思想から開発した為であり、試作機を鹵獲して共和国軍が再開発したCAS「戦闘ごとに応じた装備を換装する」という戦術的な思想という違いからくるものである。[2]
研究と開発こそガイロス帝国で行われたが、上記の通りゼネバス系派閥が来るべきガイロスへの反乱のために製作したゾイドであり、基本的にそのゼネバス派が結成した“鉄竜騎兵団”と彼らが創り上げたネオゼネバス帝国の占有ゾイドとなっており、ネオゼネバス帝国成立の前後には少数ながらも量産されて中央大陸侵攻作戦からその後の一部防衛戦に使用された。
しかし、ティラノサウルス型完全野生体ゾイドのコアはまだガイロス側に残されていたようで、そのコアは後に共和国軍に提供されてRZ-70凱龍輝のベースとなった。
主なCAS一覧
シュトゥルムフューラー
シュトゥルムフューラー STURM FUHRER |
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基本情報 | |
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所属 | ネオゼネバス帝国 |
モチーフ | ティラノサウルス型 |
スペック | |
全長 | 23.4m |
全高 | 14.4m |
重量 | 140.0t |
最高速度 | 450.0km/h |
武装 | |
ゾイドテンプレート |
バーサークフューラーに高速格闘戦用の“シュトゥルムユニット”を装備させた形態。
頭部装甲もより頑強なものに変えられ、背部にはさらに大型の高機動ブースター、前脚にはジェノブレイカーの主武装であったフリーラウンドシールドをコンパクトにしたようなアクティブシールドとエクスブレイカーを装備しており、その最高時速は400Km/h超にまで達し、瞬時に敵機に接近して仕留める電撃戦を得意とするようになっている。
ただし、その分パイロットへの負担は非常に激しいためあまり普及はしていない。
ヤクトフューラー
バーサークフューラーに重砲撃戦用の“ヤクトユニット”を装備させた形態。
背部の大型キャノンの他、その全身には内部に火器を仕込んだ装甲を装備する事でバーサークフューラーの火力強化を想定した形態と推測されるが、現在まで作られた事はなく設計案のみで終わっている。
ゲームの『ゾイドサーガ』シリーズなどには登場している。
劇中での活躍
バトルストーリー
ZAC2101年ロールアウト。本機のプロトタイプはライガーゼロのプロトタイプと共に西方大陸のニクシー基地にて研究が進められていた。しかし、ニクシー基地への共和国軍進撃の際にライガーゼロのプロトタイプは共和国に奪われ、本機のみが暗黒大陸へと持ち帰られた。
その後、ヴォルフ・ムーロアの操る“鉄竜騎兵団”の指揮官機として完成し、同部隊を率いて共和国軍を暗黒大陸へおびき寄せるため帝国軍本土防衛隊を先んじて壊滅に追いやっていった。
そして共和国特殊部隊“閃光師団”との交戦では僚機が妨害電波で敵ゾイドの動きを封じている隙に一方的に撃破していったが、共和国軍が支援に寄越したガンブラスターの攻撃で部隊は大打撃を負い、さらにかつてヴォルフがニクシー基地で交戦したレイ・グレックの野生体ゾイドであるライガーゼロの利点を生かした反撃に対してヴォルフもまたバーサークフューラーの野生本能に任せた戦法を展開して激しい戦闘を繰り広げた。
両機の戦いはヴォルフの家臣が操る改造デスザウラーのブラッディデーモンの乱入で中断され一度は撤退するが、そのブラッディデーモンの危機の際に舞い戻り、ブラッディデーモンのパイロットを救出した後に改めて撤退した。
その後、プロイツェンが暗黒大陸で共和国軍と帝国軍を引き付けている間に鉄竜騎兵団は中央大陸へ侵攻、このバーサークフューラーのバリエーション機であるシュトゥルムフューラーも活躍し、遂に同部隊はヘリック共和国首都はおろか大陸全土を占領してネオゼネバス帝国を築きあげる事に成功する。
しかし、ライガーゼロと違ってこれ以降は具体的な活躍シーンは無い。
アニメ
『ZOIDS新世紀/ZERO』と『ゾイドフューザーズ』に登場。
『/ZERO』では悪の組織バックドラフト団の最終兵器にして同作のラスボスである。
その正体はライガーゼロと同じく“アルティメットX”と呼ばれる自己学習式成長型ゾイドとされている。
物語後半でバックドラフト団の手によって地中より発掘され、天才的なゾイド操縦技術を持つベガ・オブスキュラという少年をパイロットにして実戦配備される事となる。
初陣では素体状態のままでもチーム・ブリッツの面々を圧倒する実力を見せつけ、そしてロイヤルカップにはたった1機で参加、その凄まじい戦闘力で他のチームを次々と倒しては試合を引っ掻き回し、バックドラフト団がゾイドバトルを乗っ取るための布石を打つ。
その後においても内紛から寄越されたジェノザウラー3機の一斉攻撃も耐え切って瞬殺したり、さらに落ちてくるジャッジ衛星を荷電粒子砲で消し飛ばしたり、バラッドのシャドーフォックスも一撃で破壊したりとその力を弄ぶかのように猛威を振るった。
ライガーゼロとの最終決戦でも豊富な武器と高い基本性能で追い詰めるが、アルティメットXとして覚醒したライガーゼロには実戦経験という点で劣ったか次第に圧されるようになり、装甲や武器を尽く失ったうえにベガもまた戦いの衝撃で失神してしまう。
それでもバーサークフューラーは止まる事なく暴走を続けるも、最後に荷電粒子砲を放とうとした所をライガーゼロの爪を首に突き立てられ、なおかつ気が付いたベガが緊急脱出したため機能を停止し、敗北した。
それと同じ頃にはゾイドバトル連盟の反撃が始まり、バックドラフト団の計画も失敗に終わっている。
『フューザーズ』では主人公RDのライバルであるブレードの最初の乗機。
本作では別にそれほど特殊な機能があるゾイドというわけではない。
明らかになったZiユニゾンの可能性が持て囃される中で、先んじてリュックのバスターイーグルとの合体能力を発現してバスターフューラーとなり、RDのライガーゼロよりも優位に立とうとしたが、RDのライガーゼロもまたファイヤーフェニックスとのユニゾンを可能としたため結局は互角の状況となる。
それ以降も幾度と無くライガーゼロフェニックスと交戦するが、なかなかリベンジを果たす事は出来ず、さらに物語中盤で、ライガーゼロフェニックス、マトリクスドラゴンとの戦闘中突如乱入してきたエナジーライガーの攻撃を受けてバスターイーグルもろとも再起不能の状態に陥った。
主な機体バリエーション
バーサークフューラー・シャドーエッジ/クアドラエッジ
上山道郎版『機獣新世紀ZOIDS』に登場するレイヴン専用のバーサークフューラー。
深い漆黒色に塗り固められたボディとバスタークローの代わりに全身に取り付けられた多数のレーザーブレードが特徴で、そのブレードを一斉に展開しつつ超高速で敵に斬りかかる「ルシファーブレード」を必殺技としている。
なお、シャドーエッジはオーガノイド・シャドーとの合体を前提にした設計となっているが、後にシャドーなしでも戦えるようにブレードの数を半分に減らして軽量化を図ったクアドラエッジとして再改造された。
バスターフューラー
バスターフューラー BUSTER FUHRER |
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基本情報 | |
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型式 | FZ-006 |
所属 | チーム・サベージハンマー |
モチーフ | ティラノサウルス・ワシ型 |
スペック | |
全長 | 24.5m |
全高 | 16.5m |
重量 | 151.0t |
最高速度 | 340.0km/h |
武装 | |
ゾイドテンプレート |
バーサークフューラーにブロックスゾイドの“バスターイーグル”がチェンジマイズ合体した形態。
本来バスターイーグルは共和国製ゾイドだが、国家の垣根がなくなった時代と場所で考案されたものであり、背部にバスターイーグルの大型ウイングとキャノン砲が装備され、機動能力と火力が同時に強化されている。
ある意味でライガーゼロフェニックスなどと同じくB-CASに近いコンセプトの機体になっているが、『フューザーズ』では合体には時間制限があるとされ、長時間の装着は不可能になっている。
シュトゥルムテュラン
『妄想戦記』シリーズに登場する真紅色のバーサークフューラーのバリエーション機。
シュトゥルムユニットを標準装備したシュトゥルムフューラーの中でも真紅色の機体がこう呼ばれるとされる。
バーサークフューラー・ゼネバス
『ZOIDS SAGA』に登場したバーサークフューラーの改造機で、ファントム騎士団皇帝の乗機。最高速度は600km/h。
ファントム騎士団の科学者オーピスが色んな時代と世界から集めたゾイドのデータから生み出したとされる。
カラーは紅でバスタークローの代わりに多連装ミサイルポッドが装備され、体の各部にはスラスターが付いている。
ゼネバスと名付けられているが、ゼネバス帝国とはストーリー的にも設定的にもあまり関係がない。
お絵カキコ
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関連項目
脚注
- *余談だが、試作機の完成直後に基地が共和国軍の襲撃に遭い、同コンセプトのライオン型試作機が強奪されている。これが共和国軍によって、血を分けた兄弟機「ライガーゼロ」として帝国軍に襲い掛かる
- *帝国軍があまり作ってないというより、共和国軍が作りすぎとも言える
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