パイナップルARMYとは、原作工藤かずや、作画浦沢直樹による漫画である。
『ビッグコミックオリジナル』にて1985年~1988年に連載。
概要
ベトナム戦争を戦った元海兵隊員かつ世界中の戦場を渡り歩いた元傭兵で、現在は民間軍事援助組織「CMA」の戦闘インストラクターを務める日系人ジェド・豪士を主人公としたミリタリーもの。
基本的には1話完結の短編エピソードの連作であるが、物語後半には後述の連帯したテロ組織相手の長編エピソードが多くなっていく。
舞台は連載時期と同じく80年代であり、ベトナム戦争は終結したものの、世界各地で東側諸国と西側諸国がにらみ合いと小競り合いを続けていた時代である。
主人公のジェド・豪士は戦闘インストラクターとして世界各地で戦闘訓練を施し、父を失った四姉妹とプロの傭兵の戦いをサポートしたり、中年オヤジたちに銀行強盗を成功させたり、娼婦たちに武装させて特殊機関の人員と戦わせたりと、かつての海兵隊と傭兵の知識と経験を生かした活躍を見せる。
その中でジェド・豪士は世界中のテロ組織の連帯と、それを陰から操る男の存在を知り、やがてその男と戦うこととなっていく。
解説
80年代当時の世情を反映しており、ソ連解体前の世界情勢を知る手掛かりにもなる。当時の最先端の兵器も紹介しており、スターウォーズ計画とも呼ばれた「SDI計画」、ソ連のアフガニスタン侵攻で大きな戦果を挙げた戦闘ヘリ「ハインドD」やハイジャックされた飛行機に突入する際に使われた「スタングレネード」も物語に登場する。
年代的に第二次世界大戦で戦った兵士がギリギリまだ戦える時代であり、作中でも第二次世界大戦の生き残りの兵士がまだまだ現役で豪士と戦ったり、豪士のレクチャーを受けて戦いに復帰したりするエピソードもある。
また、粉塵爆発やトラップを使っての多人数を翻弄する戦い方、身近なものからの武器作成など、ミリタリーものにおけるお約束といえる展開の基礎を作っている。このミリタリーものの作風は浦沢の次の作品である『MASTERキートン』にも受け継がれている。
登場人物
- ジェド・豪士
- 海兵隊としてベトナム戦争を戦い、その後は傭兵として世界中の戦場を巡った経歴を持つ。
- 現在は民間軍事援助組織「CMA」に所属し、戦闘技術や爆弾処理の技術を教えるインストラクターとして活動している。
- 本人はすでに傭兵を引退し、インストラクターと自認しているため、傭兵やボディーガードとしての仕事は受けないようにしているが、CMAから強い要請があった場合ややむを得ない場合にはボディーガードの依頼を受けたり、爆弾の処理に協力することもある。
- また、教え子たちを守るためには自ら体を張ることも多く、その際にはグレネードランチャーの腕前をはじめとする様々な戦闘技術も見せてくれる。
- 趣味は日曜大工と釣り。
- オールビー・コーツ
- 米軍→傭兵→米軍に再入隊→傭兵と戦いを求めて立場を何度も変えている歴戦の兵士。
- 豪士とはベトナム戦争では共に戦い、アフリカ戦線では敵同士、中南米の戦いでは再び味方という10年来の腐れ縁を持つ。
- ジャネット
- 凄腕のスナイパーの女性。豪士とは傭兵時代からの付き合い。
- 長年豪士にアプローチをかけていたが、豪士がなかなかなびかず、あきらめて普通の銀行員と結婚しようとしていた。しかし、結婚式直前になって豪士が仕事を手伝ってほしいと連絡を入れてきたため、ウェディングドレス姿で駆け付けた。
- ジェフリー
- 傭兵時代から豪士に付き従って各地を転戦した部下。A級ドライバーで格闘技の天才の黒人。
- 豪士の呼びかけに応じて刑務所を脱獄してバイクで駆け付け、コンボイの群れにバイクで突っ込んでドライバーをフロントガラス越しに殴り倒すという離れ技を見せる。
- 珍
- 傭兵時代から付き合いのあるコンピューターとエレクトロニクスの専門家。
- 作中では80年代にして電話線でコンピューターを接続するシステム、すなわち現代のインターネットの前身の知識まで備えている。
- サミュエル・ハリデー准将
- 第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争と戦ってきた老将。今は退役してスミソニアン博物館の館長をしているが、現役時には70年代最高の策士と呼ばれていた。
- ベトナム戦争では豪士の上官としてルーキーの豪士を指導した。
関連項目
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