パイプ爆弾とは、金属製のパイプ(管)に爆発物を詰めた爆弾である。
概要
鉄パイプなどに火薬・爆薬などの爆発性のものを詰めて作成される爆弾。
軍事用に工業的に制作される爆弾にも「金属製の筒の内部に爆薬が入っている」構造のものはあろうが、あえて「パイプ爆弾」と表現する場合はそういった「正式に工業生産された」爆弾ではなく、「既製品の金属パイプを用いてテロリストなどが不正規に作成した爆弾」を指すことが通常である。
燃焼ガスの速度が音速を超えない(爆轟には至らず爆燃にとどまる)ような比較的危険性が低いと考えられる物質であっても、金属製のパイプに詰められた密閉状態から起爆させると、内圧の上昇によって速度が上昇して爆発威力が増大してしまう。
威力は中に詰められる爆発物の種類や量によって非常にまちまちである。後述するバンコク爆弾テロ事件では、高性能な爆薬であるTNTが多量に詰められたパイプ爆弾が使用されたことで死者20名、負傷者が100名を超えるという大きな被害が生じた。
金属製のパイプは入手が容易であるため、爆弾テロを実行しようとする個人/団体問わないテロリストによって作成・使用されてきた。死者・負傷者が出た事件としては1971年に日本で起きた明治公園鉄パイプ爆弾投てき事件、1972年に同じく日本で起きたあさま山荘事件、1996年にアメリカ合衆国で起きたアトランタオリンピック爆弾テロ事件、1999年に同じくアメリカで起きたコロンバイン高校銃乱射事件、2015年にタイ王国で起きたバンコク爆弾テロ事件、その他非常に多数のテロ事件で使用されている。
関連項目
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