パイロとは……
パイロ(Pyro)とは、2005年生まれのアメリカの競走馬・種牡馬。鹿毛の牡馬。
通算成績:17戦5勝[5-5-2-5]
主な勝ち鞍
2008年:ルイジアナダービー(GⅡ)、リズンスターS(GⅢ)、ノーザンダンサーS(GⅢ)
2009年:フォアゴーS(GⅠ)
概要
血統、デビューまで
父:Pulpit 母:Wild Vision 母父:Wild Again
父Pulpitは名馬A.P. Indyの直仔であり、現役時代に米国GⅡ2勝。種牡馬としては米国GⅠ1勝でEssential QualityやUntapableなどを出して種牡馬としても活躍するTapitらが、JRAではGⅢ3勝のピットファイターがいる。
母Wild Visionは現役時代1戦1勝。母父Wild Againは米国GⅠブリーダーズカップ・クラシックの勝ち馬で、産駒にはGⅠブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズ勝ち馬のElmhurstがいる。
スティーヴン・アスムッセン厩舎に所属し2007年にデビュー。
2007年(2歳)
デビュー戦は2007年7月7日、チャーチルダウンズ競馬場での未勝利戦。12頭立てのレースで2番人気に推されハナ差の1着でデビュー戦勝利。
続くクレーミング競走では逃げるWar Passに6 3/4馬身差をつけられ3着。次戦はシャンペンSに登録され初のGⅠ挑戦、このレースでは直線でWar Passを猛追するも届かず 1 1/2馬身差の2着、続くブリーダーズカップ・ジュヴェナイルでも逃げるWar Passを捉えることができず、4 3/4馬身差をつけられての2着とWar Passに対して3連敗を喫してしまった。
2008年(3歳)
始動戦はリズンスターS(GⅢ)、11頭立てのこのレースで1番人気に推され、その期待にしっかりと応え重賞初制覇。続くルイジアナダービー(GⅡ)も勝ちきり重賞2連勝。
クラシック候補の一角となったパイロであったが、続くブルーグラスS、ケンタッキーダービー(ともにGⅠ)では10着、8着と低調な結果に終わってしまう。
次戦ノーザンダンサーS(GⅢ)には勝利したものの、以降は重賞戦線で2着2回、3着1回(GⅠ)、6着1回と善戦するものの中々勝ちきれない展開が続いた。
2009年(4歳)
年始に馬主がゴドルフィンに変更され、所属厩舎もサイード・ビン・スルール厩舎へ転厩となった。
復帰戦は7月末のジェームズ・マーヴィンS。このレースでは2着にとどまる。
2戦目はフォアゴーS(GⅠ)に登録、12頭立てで2番人気に推された。レースは中段~後方でレースを進め、最後の直線で外へ持ち出し先行馬をまとめてかわして1着入線。見事GⅠ初制覇を達成した。
次戦はこの年GⅠに昇格したブリーダーズカップ・ダートマイル。4番人気だったもののしんがり負けとなる10着と大敗。続くシガーマイルハンディキャップでも5着と結果を残せず、このレースを最後に現役を引退となった。
引退後
2010年よりダーレーのボスであるシェイク・モハメド氏の後押しもあり、ダーレージャパン・スタリオンコンプレックスにて種牡馬となった。初年度の種付け料は200万円。
産駒の勝利の内、約9割がダートでの勝利であり仕上がりは早め。マイルより距離が伸びると成績が落ちる傾向にある。
中央競馬の種牡馬リーディングでは20~30位とレース数や賞金額が芝に比べ少ないダート系の種牡馬としては健闘しているといえる。一方地方競馬の種牡馬リーディングでは、2015年の7位を皮切りに2016年以降すべての年度で5位以内、2021年には2位と高い水準で安定して産駒が活躍している。
代表的な産駒の活躍としては、初年度産駒のシゲルカガが北海道スプリントを制覇し重賞初制覇、シゲルヒノクニが京都ハイジャンプを勝利し障害重賞初制覇、タービランスが地方重賞7勝、2021年にはミューチャリーがJBCクラシックを勝利しGⅠ級競走初制覇。2022年にはメイショウハリオが帝王賞を制覇、翌年のかしわ記念に加え初の帝王賞連覇を達成した。
2022年度の種付け料はミューチャリーの活躍もあり、前年度より50万値上がりし300万円となっている。
エピソード
パイロは大変気性が荒いことでも知られており、暴れだすと手がつけられないと言われている。それを象徴するものとして『パイロ棒』というものがある。
これは種牡馬の展示会などの際にベテランの厩務員が持つものであり、気を抜くと暴れだし見学者や厩務員など関係者に危害が及ぶ危険性があるため、威嚇用に用いられるものである。
近年改良されて、棒のグリップ部分の上にスイッチが設置された。危険なときにスイッチを押すことで事務所に連絡がいくという仕様となっている。
血統表
Pulpit 1994 鹿毛 |
A.P. Indy 1989 黒鹿毛 |
Seattle Slew | Bold Reasoning |
My Charmer | |||
Weekend Surprise | Secretariat | ||
Lassie Dear | |||
Preach 1989 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | |||
Narrate | Honest Pleasure | ||
State | |||
Wild Vision 1998 鹿毛 |
Wild Again 1980 黒鹿毛 |
Icecapade | Nearctic |
Shenanigans | |||
Bushel-n-Peck | Khaled | ||
Dama | |||
Carol's Wonder 1984 芦毛 |
Pass the Tab | Al Hattab | |
Dantina | |||
Carols Christmas | Whitesburg | ||
Light Verse |
クロス:Native Dancer 5×5(6.25%)
主な産駒
2011年産
2012年産
2013年産
2016年産
- ケイアイパープル (牡 母 *アルヴェナ 母父 Seeking the Gold)
- デルマルーヴル (牡 母 カリビアンロマンス 母父 *コマンズ)
- ミューチャリー (牡 母 ゴッドビラブドミー 母父 *ブライアンズタイム)
- ラインカリーナ (牝 母 フェールクークー 母父 *アラムシャー)
2017年産
関連動画
現役時代の走り
産駒の活躍
関連コミュニティ
関連リンク
関連項目
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