パスタ(伊:pasta)とは、イタリア料理で使われる小麦の加工食品全般。スパゲッティ、マカロニ、ラザニアなど。
曖昧さ回避
- 「踊ってみた」で活躍する踊り手の一人。パスタ&おかゆの頁参照。
- 「歌ってみた」で活躍する歌い手の一人。ミスタと同一との噂もある。 →歌い手一覧
- ニコニコ生放送で主にゲーム実況を行っているパスタはパスタ(生放送主)を参照
- ニコニコ生放送で主に技術系放送を行っているパスタはパスタ(技術系生放送主)を参照
- ニコニコ動画で主に【弾いてみた】カテゴリで活躍しているパスタはパスタ(奏者)を参照
- 格闘ゲーム『餓狼伝説』シリーズのキャラクター、アンディ・ボガードのテーマ曲の1つ。
概要
パスタとは、小麦粉で作ったイタリア料理全般を指す。マカロニやペンネ、 スパゲッティもパスタに含まれる。
ヨーロッパにおけるパスタの歴史(概説)
パスタの原料である小麦は新石器時代(PPNB~C)にパレスチナ東部からイラン高原にかけての‘肥沃な三日月地帯’で自生していたものを人類が栽培し始めた。この頃の小麦の調理は脱穀せずそのまま穂を‘炒った’だけのものを食べていたとされている。その後農耕の拡大(灌漑農耕の登場)によりヨーロッパ・東アジアに広がる。麦以外にこの時期に生産されていた物はえんどう豆・エジプト豆(ひよこ豆)・レンズ豆・そら豆がある。
現在主流の小麦の元祖はトルコ東南部国境地帯の山地に自生していたものだと推測されている。(遺伝子解析による)
その後ヨーロッパに持ち込まれた小麦は、古代ギリシャ人・ローマ人により‘パン’としての開発が始まる。紀元前4000~5000年の遺跡で小麦粉を作る臼と、パンの痕跡が確認されている。ローマ人により品種改良が進み大まかに2種類の小麦が生産される。‘シリゴと’いう軟質の‘パン’に向いた小麦と、‘トゥリティクム’という硬質の‘パスタ’に向いたものである。シリゴは湿潤な土地、つまりイタリア北・中部での生産に向いている。一方トゥリティクムは、シチリア・アフリカの品種と品種改良されており、乾燥した土地でも生産ができる。
ここまでが紀元前の流れである。ローマ人によって様々な小麦と料理が開発されたがまだパスタは作られていない。
ヨーロッパにおいてパスタが登場するのは11世紀である。それ以前のヨーロッパでのパスタに関する記述がある記録は発見されていない。発掘調査において中東、イスラエルの遺跡(1世紀)でパスタの元祖と思われる食べ物の後が発掘されている。少なくとも紀元前数100年から紀元にかけてパスタの元祖が作られていたとされている。また5世紀頃にパスタに関する記述が確認されている。この頃のパスタは庶民の食べ物で、王族・貴族の食べ物でないと考えられている。
このパスタの元祖を現在のパスタに変わったのは11世紀のフランス北部、ユダヤ人によって作られた‘ヴェルミッチェソー’(イタリア語)だと考えられている。このヴェルミッチェソーは生パスタに分類される。ヴェルミッチェソーは12世紀に地中海に交易ルートを経て登場する。この生パスタはイタリア王族・貴族の間で食べられた。そのときの味付けはソースではなく塩やオリーブオイル、野草などのシンプルなものであった。
さらにここから発展したのが今我々が食べている乾燥パスタである。貴族の料理人がソースとあえるパスタ‘パスタシェッダ’を開発する。ここで様々なソースなどが生まれる。イタリアの一部ではフルコースの一品目がパスタの地域がある。(ちなみにこの頃のパスタは麺をやわらかくするのが主流であった。約15分ほど茹でていたのではないかと思われる。クッソヤワラカイ)
さらにパスタが庶民に広がったのは18世紀だとされている。保存食としてナポリの人々が食べ始めすぐに主食となった。ここでも庶民が食べていたチーズやシナモン等と融合して多くのパスタが生まれていくのである。19世紀以降パスタはナポリの人々によって北上、世界に広がった。
現在のパスタ
現代においては、本場イタリアではイカスミやら卵やら、本邦ではタラコやら納豆やらをあえるなど、国内外を問わずカオスな進化を続けている。
また、コンビニに行くと必ずと言っていいほどパスタ料理が置いてあることからも日本での人気の高さが伺える。
ロングパスタの種類
いわば麺状になったやつ。
- スパゲッティー だいたい太さ1.7mm以上2mm未満のもの。最も定番なので、パスタ=スパゲッティーと認識している人も少なくないが、そういう人は大概ロングパスタ類しか主食とみなしていない。
- スパゲッティーニ だいたい太さ1.6mm~1.7mmの細麺サイズ。おおかたスパゲッティーと区別がついていない人が多い。
- フェデリーニ だいたい太さ1.4mm~1.5mmの細麺サイズ。
- カペリーニ 太さ1.3mm以下の極細サイズ。
- パッパルデッレ 幅20mm。もはや紐
- タリアテッレ 幅8mm。ひもかわうどんサイズ。
- フェットチーネ 幅3~4mmほど。きしめんサイズ。
- リングイネ 幅1.9mmほど。楕円形で弾力がある。
ショートパスタの種類
いわば麺状になっていないもの。主食として見なされるか副菜として見なされるかは個人の見解がわかれるところ
- マカロニ 直径3mm~5mmの筒状で細く切ったもの。
- ペンネ ペン先のようにとがっていて、ひだのある筒状のやつ
- ファルファッレ 蝶のようなリボン結びのようなかっこうをしたやつ
- コンキリエ 貝殻状のやつ
- カヴァタッピ カブトムシの幼虫のようなキャラメルコーンみたいな形状のやつ
- ルオーテ 車輪状のやつ。サラダやミネストローネに浮かんでるのを見たことあるのでは?
- ニョッキ 芋を混ぜて作った団子状のやつ
- ラビオリ 餃子みたいなやつ
主なパスタ料理
イタリア
基本的にオリーブオイルで調理する。
- ペペロンチーノ 大蒜と唐辛子で作る。
- ポモドーロ 大蒜とトマトを使用。
- カルボナーラ グアンチャーレ(豚の朴肉の塩漬け), 胡椒, 卵黄, 粉チーズで作る。
- ジェノベーゼ バジル, 松の実等を使用。
- ボンゴレビアンコ 鯏, 白ワインを使用。
- ボロネーゼ 香味野菜, トマト, 牛挽肉を赤ワインで煮込み、クリームを加えて作ったソースをかける。
- プッタネスカ 大蒜, 唐辛子, トマト, ケイパー, オリーブの実, アンチョビ等を使用。
- アマトリチャーナ ポモドーロにパンチェッタ(豚バラ肉の塩漬け)を加えたもの。
- マリナーラ ポモドーロにオレガノを入れたもの。
- ナポレターナ ポモドーロにクローブを入れたもの。
- アッラノルマ ポモドーロの上にリコッタチーズと揚げ茄子を乗せたもの。
- ボスカイオーラ アマトリチャーナ等にツナとキノコを入れたもの。
- アッラブッテラ アマトリチャーナに卵を入れ、玉葱で味を整えたもの。
- ディスペラータ プッタネスカにキノコを入れたもの。
- カッチャトーラ プッタネスカに鶏肉と赤ワインを入れたもの。
- カチョエペペ 胡椒とペコリーノロマーノチーズで作る。
- グリーチャ カチョエペペにグアンチャーレを加えたもの。
- プリエーゼ 大蒜とブロッコリーで作る。
- コンレサルデ 鰯, 玉葱, フェンネル, 松の実, 干し葡萄を使用。
- アッラポヴェレッロ 大蒜のパスタに目玉焼きを加えたもの。
- アッラアッサシーナ トマトペーストを加えたパスタに焦げ目を付け、トマトを薄めて作った出汁で茹でるもの。
- ネロ 他のパスタにイカスミを加えたもの。黒の意。他、色の名を冠するものにロッソ(トマト), ビアンコ(白ワイン), ヴェルデ(ジェノベーゼソース)等。
- アルブッロ オリーブオイルの代わりにバターを使用したパスタ。
フランス
- アメリケーヌ オマール海老と香味野菜を炒め、クリームを加えたものを使用。
- ピペラード 大蒜, 玉葱, トマト, ピーマンを炒め、エスプレット(唐辛子の一種)を加えたもの。バスク地方で食べられる。
- ナポリテーヌ イタリアのトマト系ソースにブイヨンを加え、麺を入れて茹でたもの。
アメリカ
日本
- ナポリタン 玉葱, ピーマン, ソーセージ, トマトケチャップを使用。卵を使う事もある。
- たらこスパゲティ バターにたらこ又は明太子を加えて麺と和え、海苔をかけたもの。
- 和風スパゲティ バターに醤油と鰹や昆布等の出汁を加えて麺を和え、海苔や紫蘇をかけたもの。
- ぺぺたま ペペロンチーノに卵とチーズを加えて和え、カルボナーラのようにしたもの。
スペイン語圏
- フィデウア 魚介, ブイヨン, サフラン等を用い、パエリアと同じようにして麺を茹でたもの。
- エスパゲティ・コン・ポヨ 大蒜, 唐辛子, 玉葱, コリアンダー, 鶏肉を使用。プエルトリコや赤道ギニアで食される。
- エスパゲティ・ブランコ メキシカンチーズ, ケソフレスコチーズ, ハム, パセリ, ブイヨン等を使用。メキシコで食べられる。
- エスパゲティ・ヴェルデ
- エスパゲティ・ロホ
旧イタリア領
エチオピアのスパゲティはベルベレと呼ばれる合わせ調味料を使用する。
旧フランス領
ドイツ
「シュペッツレ」と呼ばれる卵麺や、水餃子のような「マウルタッシェ」といった麺を使用したものが有名。
北欧
東欧
中東
- コシャリ 茹でたマカロニとカッペリーニを米と豆の上に乗せ、シャッタ(唐辛子, クミン, コリアンダーを使用したソース)やカル(ニンニク, クミン, レモン, 塩, 酢からなるソース)をかけて食べるもの。エジプトで食べられる。
- ルッズ・ビ・シャアリーヤ 折った細麺(シャアリーヤ)を炒め、塩と油を加えて米と共に炊いたもの。アラビア等で食べられる。
- エリシテ 手打ちの卵麺にバター, グリュイエルチーズと絡め、パルメザンチーズ, クルミ, イタリアンパセリをかけたもの。トルコで食べられる。
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関連動画
関連静画
関連項目
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