常に世の中を動かしてきたのは、
一握りの天才だ!
パプテマス・シロッコとは、アニメ『機動戦士Zガンダム』の登場人物である。CV:島田敏
大まかな概要、人物像等
Zガンダムの敵キャラのひとり。序盤からちょくちょく登場しストーリーが進むにつれてどんどん出世、最終的にこの作品のラスボスとなる。
木星でヒッキーをやっていたが、一念発起し紛争渦巻く地球圏に舞い降りた天才(26歳)。
ロボアクションゲームのプレーは天才、生まれつきのヒネくれ者なので悪巧みも天才、戦争シミュレーションゲームも天才、ニュータイプとしても天才、オタクかつ天才なので自分で作った痛車に『神の意志』とか名付けて乗り回したりする。
一回り近くも年下の少女を洗脳し妹として仕込んだり、欲求不満なオネーサンを数キロ先から誘惑して手籠めにしたりとナンパも天才、二股くらい余裕。
さらに『森の熊さん』とか変な名前を付けた自作の痛車に彼女たちを乗せて戦わせるプレイを強要するがヒッキー故の美白イケメンかつ天才なのでヒかれるわけがない。天才なので男の扱いもソツなくこなし、ヤザンもジェリドもホイホイついてくる。
どこぞのヘタレと違って、威張ってるだけで世間知らずのお嬢様をコマすなど朝飯前だったが、ツンデレは別に好みじゃなかったので捨て置いた。
その目的とは治安維持部隊ティターンズを掌握して『歴史の立会人』を気取り、自分の愛人たちの誰かを頂点に据えた世界を作ること。自分が世界を変える救世主になろうというのではなく、その救世主を造り出す『預言者』的存在になりたい、というのが建前である。本音は『面倒な表の仕事は全て自分の言いなりになるオンナに任せて自分はゲームや自作などのオタ趣味に没頭、ときどき美女ハーレムでイチャイチャできたらいいなあ』という夢のような退廃生活であったが、天才的な嘘で誤魔化してみたら結構みんな騙せてしまった。
しかし、高校中退なのでそういった小難しい話が逆に通用しない主人公、カミーユ・ビダンに目を付けられたのが運の尽き。目標であったハーレムエンドを先に達成され、罰ゲームとしてスイカバーをおなかいっぱい食わされてしまう。
あまりに無念だったのか、直後にカミーユのクリアデータを消すという暴挙に出るのだった。
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真面目な概要、人物像等
思想が掴みにくく、一見すると傍若無人かつ支離滅裂にも見えるその行動故に
ネタ扱いされる事も多いが、彼もまた、明確な野心を持って戦乱に身を投じた
一人の人間である事を忘れてはならない。
というわけでここからはちゃんとした概要を記載する。
地球連邦政府の木星資源採掘船ジュピトリスの責任者。木星船団を統率する指揮官であり、「木星帰りの男」とも称される。劇中ではおもに「シロッコ」と姓で呼ばれるが、部下のサラ・ザビアロフのみ「パプティマス様」と呼ぶ。また、富野由悠季自身が執筆した小説版を含めた昔の媒体でも「パプティマス・シロッコ」と表記されることもあった。
苛酷な環境である木星圏での長い生活によって自然とニュータイプへと進化しており、元々優れた才能に加え、ニュータイプへの覚醒もあって人を惹きつけるカリスマを併せ持つ。さらにはメッサーラやジ・Oなど独自で高性能のMSの開発までこなしている。自身を天才と称しているが、これがけっして慢心ではなく自信に裏付けられたものであるだけの飛び抜けた才能の持ち主である。
MSのパイロットとしての実力も傑出しており、機体性能の差があったとはいえ、シャア・アズナブルを寄せ付けないほどの腕前を見せている。さらにニュータイプ能力も非常に高く、キュベレイのファンネルの挙動を予測して完全に封じるなど、あのハマーン・カーンとすら互角以上に渡り合っている。作中でもトップクラスのニュータイプの持ち主であることは間違いないないだろう。ちなみに一年戦争のときのシャアやハマーン同じく出撃の際にノーマル・スーツは着ない。
いわゆる人ったらしな一面もあり、エゥーゴの一員としてジュピトリスに潜入したレコア・ロンドの抱えていた苦しみを察して魅了し、ティターンズへ転身するきっかけとなっている。また、他の指揮官が扱いに困るヤザン・ゲーブルともウマが合うようで、彼をうまくコントロールしている。一方、自分が認めるに値しないと見た他者に対しては、酷薄かつ不遜な態度を隠さず、反感を買う側面もある。そのためジェリド・メサやバスク・オム、ジャマイカン・ダニンガンとは折り合いが悪い。
彼の思想はエゥーゴの理念と同じ「重力に魂を引かれた人々の解放」であり、もっと言えばジャミトフ・ハイマンとも目指すものは同じである(ちなみにジャミトフがティターンズを創設した真意も見抜いている)。さらに重要なのは戦争の後だと考えており、戦後の地球圏を治める天才が必要だという考えはギレン・ザビに近い。ちなみに「戦後の地球を支配するのは女だと思っている」という主張から、実際にサラ・ザビアロフやレコア・ロンドといった女性を配下に置き、自らの感性をも研ぎ澄ませている。一方、自らの権力の掌握そのものには興味が無かったようである。
ただ、彼の非凡過ぎる才能と傲岸不遜な性格は、更なる災いの種を呼び込む事態に繋がり、他者を自分の野心の手駒にする傲慢さに繋がっており、事実サラとレコアは犠牲になっている。自らを「傍観者」と称する態度は、「究極的な最高のニュータイプ」と称されるカミーユには「戦争を遊び道具にしている」と反発されている。
作中での動向
宇宙世紀0087年4月末に地球圏へ帰還し、ジャミトフに対して血判状といった前時代的な誓いで表向きの恭順を示してグリプス戦役に参戦する。まず、自ら試作したメッサーラによってブライト・ノアが艦長を務める難民を乗せた旅客用シャトル「テンプテーション」を襲撃。さらにジャブロー降下作戦中のエゥーゴ艦隊に攻撃を仕掛け、エマ・シーンのリック・ディアスを戦線離脱に追い込み、エゥーゴの戦力低下に貢献。
カミーユたちが地球で戦っている間にティターンズ内で頭角を現し、旗艦ドゴス・ギアを任され、アポロ作戦においては月面都市フォン・ブラウン市を囮部隊を使いつつ単艦で制圧する。作戦後は母艦のジュピトリスに戻り、後にエゥーゴを裏切ったレコアや成長したサラの二人を腹心としつつ、ヤザンを懐刀とすることで戦力を整える。
アクシズの参戦によってグリプス戦役が三つ巴の局面へと移ると、単身ハマーン・カーンに接触。さらにアクシズ旗艦グワダン内においてシャア、ジャミトフ、ハマーンの三陣営の指導者の会談にジャミトフに同席する形で出席。混乱のどさくさに紛れてジャミトフを暗殺し、ティターンズの実権を掌握。さらには、対立するようになっていたバスクもレコアに命じて抹殺している。
最終決戦では、グリプス2を巡ってシャア、ハマーンと三つ巴の戦闘に突入。シャアの百式を追いつめるも、カミーユの介入もあって仕留めきれず、グリプス2のコロニーレーザーが射出され、ティターンズの艦隊は壊滅状態となってしまう。最後はジ・OでZガンダムとの一騎打ちとなるが、カミーユの怒りと死者の意思を吸収したΖガンダムの超常的威力の前にジ・Oの制御を失い、ウェイブライダー形態へと変形したΖガンダムの特攻によってジ・Oの装甲ごと肉体を貫かれる壮絶な最期を迎える。だが、絶命の寸前に放った断末魔の思念がカミーユの精神を崩壊させる。
作中で関わった機体・艦船
搭乗したMS・MA
- PMX-000 メッサーラ
初登場時に使用した機体であり、木星圏にいたころジュピトリス艦内で開発していた試作型可変MA。性能テストとしてブライト・ノアが艦長を務めるテンプテーションを急襲、エゥーゴによるジャブロー降下作戦では、単独で奇襲をしかけ、エゥーゴ主力部隊を軽くあしらっている。その後は直属の部下であるサラやレコアに使用させている。 - PMX-003 ジ・O
自らの専用機として木星船団公社内で独自に開発した大型MS。グリプス戦役終盤において戦線に投入。ハマーンのキュベレイ、シャアの百式を相手にも互角以上に渡り合い、実はこの機体で出撃したのは二度のみだが圧倒的なインパクトを残している。最終決戦ではΖガンダムの特攻によってコックピットを押し潰されて爆発している。
その他自ら設計・開発をおこなった機体
- RX-110 ガブスレイ
ジェルド・メサとマウアー・ファラオに与えた機体。 - RX-139 ハンブラビ
ヤザン隊に与えた機体。 - PMX-001 パラス・アテネ
レコア・ロンドに専用機として与えた機体。 - PMX-002 ボリノーク・サマーン
サラ・ザビアロフに専用機として与えた機体。
指揮を執った艦船
- ジュピトリス
本来は資源採取を目的とする艦船だが、グリプス戦役ではシロッコが自らの独自の部隊の拠点として運用していた。 - ドゴス・ギア
グリプス戦役中盤に指揮官として与えられ、アポロ作戦を成功をさせている。その直後にバスクに譲り、ジュピトリスへと戻っている。
Gundam GQuuuuuuXでは……
パラレルワールドの宇宙世紀0085年を描く『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』。元々の宇宙世紀ではシロッコが木星からの帰路に就く直前の時系列ではあるが、鶴巻和哉監督はこの時代設定についてこう答えている。
時代設定は、もう少し後──主人公たちを戦後生まれとする構想もありました。そちらの方がテーマ的にも上手くハマりそうなんだけど……。
ただ、(パプテマス・)シロッコがね。
あいつが木星から帰ってくると、いろいろとバランスが壊れる。フィクションなんだからいないものとして描いてもいいんだけど。
まさかの「物語出禁」である。実際問題、シロッコは(性格を除けば)優秀にも程がある実務能力、ハマーンやカミーユ級でないと相手にすらならないパイロット能力、どのような政治的介入にも説得力を持たせられる「並外れた野心」と「大量の重要資源」を抱えているため、下手に物語に入れ込んでしまうと主題が盛大に脱線しかねない。
シロッコ本人は不満かもしれないが、「フィクションなんだから」大幅なキャラ改変や存在抹消に踏み切らなかった制作陣の変態的こだわりに感謝するべきかもしれない。
関連お絵カキコ
関連動画
関連静画
関連項目
- 機動戦士Zガンダム
- 島田敏
- ティターンズ
- 木星
- ニュータイプ
- ジャミトフ・ハイマン
- サラ・ザビアロフ
- レコア・ロンド
- ジェリド・メサ
- ヤザン・ゲーブル
- バスク・オム
- ジャマイカン・ダニンガン
- カミーユ・ビダン
- クワトロ・バジーナ / シャア・アズナブル
- ハマーン・カーン
- ジュドー・アーシタ - 木星船団の後任者
- ジュピトリス
- ドゴス・ギア
- メッサーラ
- ジ・O
- スイカバー
- ガンダムシリーズの登場人物一覧
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