パルテノンとは、漫画『キン肉マン』に登場するキャラクターである。
概要
キン肉マンゼブラが率いる技巧チームの副将。
ギリシア・アテネの守護神である女神アテナを祀るパルテノン神殿の建築物のひとつが変身した超人で、体を構成する柱にはいけにえとして若く逞しい人間が埋め込まれている。それから何千年もの間、柱に埋め込まれた男たちの血で染まった地面はかわくことはなく、その憎悪と怨念のパワーをゼブラのために役立てるため、アクロポリスから日本へやって来た。
作中でも屈指の巨漢であり、パワーファイトが得意。体はアンモナイトや三葉虫などを含む生物の死骸などによって固められており、柱の内部はメタンガスが充満している。石造りで一見頑丈そうにも見えるが、関節技に滅法弱い。また、金と権力に目が無い強欲な性格であり、ゼブラから30億超人ドルと共に王位に就いた際の大臣就任を約束されており、それを条件に技巧チームへ加わっている。
口癖は「ギョギョギョギョ」。
プロフィール
作中の活躍
熊本城でのキン肉マン・チームの試合をゼブラ、バイクマンと共に観戦しており、このときが初登場となっている。準決勝の際は、サンダードーム・デスマッチの金網を準備したり、試合前にガソリンを入れたり、充電用のモーターマンの死体を渡したりと、バイクマンをサポートしている。
キン肉マン・チームと技巧チームの残りメンバーが二人ずつとなり、副将と大将のタッグマッチの試合形式でゼブラと共にキン肉マン&ロビンマスクとの対戦となる。
先陣となったゼブラが正統派ファイトでキン肉マンを圧倒するものの、ロビンマスクとの連携で危機に陥り、パルテノンはカットに入るとゼブラの体を怨念と憎悪の影で覆い全身漆黒の姿へと変える。ゼブラは凶器攻撃などの残虐ファイトでキン肉マンを圧倒、パルテノンとのツープラトン技「キャンパス・プレッサー」を決める。しかし復活したキン肉マンにマッスル・スパークをかけられそうになるがキン肉マンは技を失敗、交代したゼブラはキン肉マンにマッスル・インフェルノを決める。これで意気消沈したキン肉マンを「人体化石封じ」で柱に封じ込めようとするが、間一髪で交代したロビンマスクを柱に封じ込める。これで試合は二対一となったがキン肉マンは不利な状況でも奮戦。さらに、アノアロの杖を使って柱の内部を爆発させることでロビンマスクが柱から脱出し、タワーブリッジで体を真っ二つにされる。それでもなお襲いかかろうとするパルテノンだったが、今度はロビン・スペシャルを受けて完全に討ち取られる。
必殺技
- 神殿瓦礫崩し
体を構成する柱と天井部分を解体し、相手の上になだれかかる。
相手の技を受けている時に使えればタワーブリッジを回避できそうなのだが、そのままやられてしまった。この理由について、学研の図鑑には「関節技を決められると体の筋が引っ張られてバラバラにできない」と記されている。 - 人体化石封じ
足下から液状になって広がり、液体部分に触れた相手を石化させて柱に封印してしまう。溶けた部分にはアンモナイトや三葉虫など古代の生物が内包されており、時代を考えるとパルテノンが建造された時期は数億年前=完璧超人始祖が修行を始めた頃と言うことになってしまうが都合の悪いことは忘れよ!
そもそもそんな古くにギリシア文明はまだ無い。ひょっとしてパルテノンって完璧超人始祖かオメガの民の先祖が建造したのか……? - 影のシャワー
アクロポリスから太陽光を召喚したり、自らが相手の真上に浮かんで影を浴びせ、ゼブラを強化したり正義超人を悪に洗脳したりする。だが柱の中に正義超人が入っていると影を遮られて失敗する。
この影でパワーアップしたゼブラは腕力が上がり、防御力も鉄の鎧を着ているように上がっていたが、後にマリキータマンに無理矢理黒ゼブラにされた時は能力の向上は無かった。そのため、この影による能力強化は相当なものだったと考えられる。 - キン肉マン新必殺技崩し
キン肉マンがマッスル・スパークをかけようとした時に、火事場のクソ力を失っているのとキャンパス・プレッサーのダメージによって失敗した時にすかさず反撃した技。
要は「キン肉バスター返し」みたいな事を言いたかったわけだが、まだ技名がはっきりしていなかったためこんな台詞を叫ぶことに……。 - 残虐技キャンバス・プレッサー
ゼブラとのツープラトン技。
真っ二つになったキャンバスを場外からめくり上げ、両側からのドロップキックで相手を押し潰す。
偶然キン肉マンのマスクがめくれ、フェイス・フラッシュがロビンの鎧に反射されてキン肉マンが浴びたために奇跡的な防御力が備わり存命。後にロビンも元気に立ち上がってきてしまった。
考察・余談
神殿の化身超人だが、「パルテノン神殿の建築物のひとつ」とわざわざ言われているところから女神アテナを祀る神殿本体が変身したわけでは無いようだ。それどころか邪悪な力を発揮しているところから、パルテノン神殿関連建造物の中でもかなり異質である。(ギリシア神話の神々は善の化身とは言えないが、邪悪の化身とまで呼ぶべき者はそうそういない)
怨念と憎悪の影を出すためアクロポリスの陽を召喚する時「力をお貸し下さい」と唱えていることから、神に力を借りねばならない立場の様子。
ゼブラが自ら神殿状態のパルテノンをスカウトに赴いていること、30億超人ドルという金と大臣の座を提示されてチームに参加していることから、祀られている対象は技巧の神や邪悪超人神では無い模様。技巧の神を祀る神殿であればスカウトも礼金も不要のはず。
……以上のことから、連載時期を考えるとパルテノンの元となった建造物は巨蟹宮か双児宮あたりではないかと考えられるのだがそこまで繋がっているはずが無い……?
ゼブラを強化する役割でチームに加入しているが、それなら副将の彼がゼブラより先に倒されてしまったら意味が無い。試合中に強化するためにタッグマッチを行う必要があり、ゼブラとのタッグは事前に決まっていた作戦だったのだろう。作中でもゼブラの方からタッグマッチを申し出ている。
金で動く人物として、作中では友情パワーと比べて否定的に描かれているのだが、体が真っ二つに破壊されてもなお大金をちらつかされると復活して襲いかかる執念は並大抵のものでは無い。友情によって奮起し、奇跡のファイトを見せてくれた超人は多数存在するが、金銭欲によってここまでの力を発揮する者はそうそういないだろう。その金への執念は両津やパタリロに勝るとも劣らないと言える。
関連項目
- 2
- 0pt