パワーグローブとは、パックスのしわざ その1だ。
アメリカ産のファミリーコンピュータ用コントローラー機器であり、日本ではパックス・コーポレーションが発売した。
概要
テレビにL字型の音波センサーを取り付け、右腕にグローブ形のコントローラーをはめ、指や腕を動かすことで操作をすることができる。基本的には手を上下左右にかざすことで十字キー、指を曲げることでA・Bボタンの役割を果すのだが、グローブの重さで腕は疲れ、外側に引っ張られる状態で指を曲げるのはさながら握力トレーニングのよう。説明書には「操作性が大変微妙なため、使いなれるのに何日か練習が必要です。」とも書かれている。
テレビCMではいとも普通に操作をしているが、実際のところは大半のゲームがまともにプレイ出来ない事態に陥ることが多い。どちらかと言えばパワーのあるグローブというよりパワーの要るグローブである。
パックスのしわざ
パワーグローブを輸入したパックスという会社は、当時バブル景気に乗っていて「パックスのしわざ」 と称していろいろ無茶なことをしていた。パワーグローブもその一つである。
電車の中吊り広告を全て「パックスのしわざ その2」と書かれた広告にしたり、ソ連からロケットを打ち上げる計画(「パックスのしわざ その3」とCMもしていた)もしていたらしい。
しかしあまりに無茶がたたり、バブル崩壊と同時にパックスは倒産してしまった。
「バブル景気って何?」という方はWikipediaを参照されたし。→バブル景気
パワーグローブはいいぞ・・・
1989年にアメリカで放映された「The Wizard」(日本では1992年に「スウィート・ロード」のタイトルで放映されている)というビデオゲームを題材にした映画でパワーグローブが登場した。主人公のライバルとして登場するゲームの達人・ルーカスが主人公一行と出会うシーンにて、彼は大仰な金属製のトランクケース(名前入り)を取り出した。
そのケースの中に入っていた物こそがパワーグローブであった。
パワーグローブを装着したルーカスは主人公たちが見守る中、レースゲームの「ハイウェイスター」をプレイし、鮮やかな手並みを見せ付ける。
そして、一通りプレイした後にルーカスは主人公たちの方を向いてこう言い放った。
I love the Power Glove... it's so bad.
(パワーグローブはいいぞ... カッコいいぞ...)
この映画をレビューしたNostalgia Criticはパワーグローブでゲームをプレイするルーカスを「さながら(グローブで)ダビデ像を彫るミケランジェロ」と例え、プレイ終了後にあわやイキかけたり、「ルーカス様の前ではターミネーターですらヘタレ」などと物凄い賞賛っぷりであった。
なお、この映画は日本ではVHS版が既に絶版で、DVD販売もされていない(アメリカではDVD版が発売されている)。
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発売元のアメリカでも評価は芳しくないようだ。
パワーグローブはいいぞ・・・
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関連項目
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