パワー9とは、MTGの黎明期に販売されていた最上位レアカード9枚を総称する言葉である。
概要
MTGの黎明期である1993年当初(アルファ・ベータ・アンリミテッドの頃)はカードの販売数も少なく、ゲームバランスもまだまだ調整不足であった。後にパワー9と呼ばれるカードはこの時に登場した。
しかし版を重ねたのちにこれらが非常に強力であることが判明してからは、使用が著しく制限されることとなった。現在使用できるのは公式フォーマットで最もカード制限の緩い『ヴィンテージ』のみ、それもデッキに1枚しか入れられない制限付きである。加えて後の版にも採用しない「再録禁止リスト」にも掲載されている。
値段の高さも有名で、MTGの愛好家で知られていた格闘家・佐竹雅昭がTV番組『関口宏の東京フレンドパークⅡ』に出演した際、ルーレットの景品に「初版かつ美品のパワー9、全9枚セット」を番組側に要望したところ合計価格がパジェロ[1]を超えたため却下され、通常程度のBLack LotusとAncestral Recallの2枚(当時の価格で10万円程度)になったことが有名である。
その後もパワー9はさらに価値が上がり続けており、現在では美品に対しては時価でしか値が付かない。特にBLack Lotusは5000万円以上での取引も存在する程の高騰を見せている。
パワー9の一覧
9枚のうち、6枚がアーティファクト、3枚が青のカードである。他の色(白、黒、赤、緑)は1枚も無い。
この著しい色の偏りは、ヴィンテージ環境にも大きな影響を与えている。
Ancestral Recall
→詳細は「Ancestral Recall」の記事を参照
Black Lotus
→詳細は「Black Lotus」の記事を参照
Moxシリーズ(Mox Pearl/Mox Sapphire/Mox Jet/Mox Ruby/Mox Emerald)
T: Add 【C】[※1] to your mana pool.
[※1] MOXシリーズは各色のマナを出すアーティファクトであり、文面はマナ以外共通している。
【C】とは、各色のマナのこと (Mox Pearl→白 / Mox Sapphire→青 / Mox Jet→黒 / Mox Ruby→赤 / Mox Emerald→緑)
→詳細は「Moxシリーズ」の記事を参照
Time Walk
→詳細は「Time walk」の記事を参照
Timetwister
Each player shuffles his or her hand and graveyard into his or her library, then draws seven cards. (Then put Timetwister into its owner's graveyard.)
→詳細は「Timetwister」の記事を参照
※ちなみにAncestral Recall、Time Walk、Timetwisterの三種は後に適正なカードへリメイク という概念から全て(3)(青)(青)でリメイクされた
つまりAncestral Recallは適正バランスの5倍、Time Walkは適正バランスの2.5倍、Timetwisterは適正バランスの1.66倍の能力を持っていると見ることができる。
パワー10
Library of Alexandria
MTG最初のエキスパンション(拡張セット)アラビアンナイトで登場した、伝説[2]ではない土地。
一見条件達成が難しく、パワー9と比べて使いづらそうに思えるが、
<先攻の場合>
1ターン目:Library of Alexandriaをプレイ。ターン終了。
2ターン目:ドローステップのドローで手札は7枚。さぁ能力を使おう!
<後攻の場合>
1ターン目:ドローステップのドローで手札は8枚。さぁLibrary of Alexandriaをプレイして能力を使おう!
と、特別な工夫なしで簡単に条件達成できる。
能力を起動し始めたら条件を維持しやすいことや、手札7枚は能力を起動する瞬間だけ達成していればよいというところもポイントである。また、「土地」というタイプのカードは妨害や除去が非常にし辛いという特長もある。
その尋常ではない性能のため、パワー9に匹敵するカードとしてこれを加えてパワー10と呼ぶことがある。
もっとも、現在にパワー9やLibrary of Alexandriaに匹敵するカードが出たとしても「パワー11」になることはないと思われる。
パワー9は全てMTGというゲームとともに登場したカード達(第1版(アルファ、ベータの2回に分けて販売された限定生産版。先行発売とも言える。)、第2版(アンリミテッド これは第1版の誤植、封入ミスを修正し再販したもの))であるという括りが存在するためである。それに、パワー12とか13とか13-2とかいった感じで増えていくと異論がでまくってモメるだけだろう。
偽パワー9
「パワー9」という言葉が定着した頃に登場したジョーク。偽パワー9は以下のカードである。
- Power Artifact
- 魔力奪取/Drain Power
- 魔力漏出/Power Leak
- 魔力消沈/Power Sink
- 魔力の奔流/Power Surge
- 魔力の汚点/Power Tain
- ウルザの魔力炉/Urza's Power Plant
- 手綱/Reins of Power
- 力の均衡/Balance of Power
なお、2013年12月時点で「Power」の単語が含まれ、かつ銀枠[3]、金枠[4]ではないカードは17種類存在する。
関連動画
関連静画
関連コミュニティ
関連項目
脚注
- *パジェロはざっくりで300万円する自動車である。
- *同じ名前のカードを自分のコントロールで2枚戦場に出せない、というペナルティ。その分、他のカードより強め
というフレーバー設定でやっぱり弱いことが多めである。 - *外枠が銀色のカード。ジョークエキスパンションであるアングルード、アンヒンジド(と従業員プレゼントのホリデーギフトカード)の俗称でもある。銀枠のカードが使用可能である公式レギュレーションは存在しない。
- *外枠が金色のカード。かつて世界選手権の上位デッキのコピーデッキをこの枠の色で販売していた時期がある。金枠のカードは公式大会では使用不可能、つまり観賞用、カジュアルプレイ専用である。2005年からは販売されなくなったが、金枠を黒色に塗って高額レアと交換したり、加工せず初心者相手に高額レアと交換したりする詐欺行為が横行したり、公式大会で使えると勘違いした購入者から苦情が出たりしたことが理由だという噂がある。
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