パンジャンドラム(The Great Panjandrum)とは、第二次世界大戦中に英国で生まれた妖怪珍兵器である。
概要
第二次世界大戦後期、アメリカ・イギリス・自由フランス軍ら連合軍はヨーロッパ大陸への反攻作戦を企図していた。作戦の最大の障害となることが予想された、ナチス・ドイツがフランスからノルウェーまでの北海側海岸線に構築した「大西洋の壁」と呼ばれるコンクリートで出来た重防御陣地を破壊すべく、紅茶がキマったジョンブルたちが計画した自走式陸上爆雷である。
1800kgの爆薬が詰まったドラムを一対の巨大な車輪(直径約3m)ではさんだ構造で、車輪の枠に沿って黒色火薬ロケットが並べられている。さながら巨大なボビンかケーブルリールのような外見である。
ロケットに点火されるとその推進力で車輪を回し、防御陣地の有効射程圏外に位置した上陸用舟艇から発進、最大100km/h以上の高速で水面を転がり、海岸を駆け上り、防御陣地に激突、木っ端微塵に爆砕する!!・・・はずだった。
しかし実際に作って実験してみると、一つでもうまく作動しないロケットがあれば、たちまちコースを逸れたり、その場でグルグル回ることになった。ロケットが外れて猛スピードで飛びまわり、混乱に拍車をかけることもあった。もし地面に起伏があれば[1]コースを外れるか転倒し、場合によってはネズミ花火のように回りだし、敵はもちろん上陸作戦中の味方にとっても極めて危険な状態に陥ることにもなった。さらに重さの割に車輪の回転速度が低く、舟艇からの発進直後に沈んでしまうこともあった。
もちろん実用化はされなかった。
ドイツのリモコン式移動地雷ゴリアテ、米国の円盤型戦闘機XF5Uフライングパンケーキと並んで第二次世界大戦の3大珍獣珍兵器のひとつに数えられる。
その他
名付け親は、作家で後に名作『渚にて』を執筆することになるネビル・シュートである。引用元はサミュエル・フットの英詩「The Great Panjandrum(偉大なパンジャンドラム)」から。
ちなみにこの「Panjandrum」。もともとギリシア語の接頭語panとラテン語の接尾語rumを使った造語らしく言葉に意味はないそうです。もともと、ある俳優がどんな台詞も暗記できるといわれたので、フットがならばと意味がないナンセンス詩として書いたものらしい。いや、ここでその詩が掲載されているけど意味わかんねーよ! ともかく転じて「The Great Panjandrum」=「おえらい御仁」「もったいぶった役人」、「お祭り騒ぎ」という意味があるそうです。
…まぁ、つまるところ「お偉いさんが作れっていうから作ったんだけどさー」みたいな空気があるようなないような。さてどうだろうか?。
ちなみにとあるゲームのMODでは妖怪化したパンジャンドラムが出没する海岸があるらしい・・・。また、2012年に公開されたハリウッド映画『バトルシップ』には、パンジャンドラムに似た超兵器が縦横無尽に街や軍艦を破壊し尽くすシーンがある。パンジャンドラムのファン達にとっては「あの子がこんなに立派になって・・・」と、感慨深くなること請け合い・・・、なのかも?。ただし映画スタッフがパンジャンドラムを参考にしているかは不明である。
つい先頃、これまたご丁寧に英国紳士の皆様がパンジャンドラムを再現しております。
フィクション等で登場する作品
- アニメ「Axis powers ヘタリア」のキャラクターソング「パブってGO!」の歌詞。
- アニメ「ガールズ&パンツァー」第4話の作中で登場するトランプカードの図柄。
- スマホゲーム「アッシュアームズ‐灰燼戦線‐」に登場するキャラクター。
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関連項目
脚注
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