ヒカルタカイとは、1964年生まれの日本の競走馬。鹿毛の牡馬。
公営南関東の初代三冠馬として君臨し、中央競馬へ移籍後に天皇賞と宝塚記念を制した。
日本競馬にその名を残す優駿である。
主な勝ち鞍
1966年:全日本三才優駿、青雲賞
1967年:南関東競馬三冠[羽田盃、東京ダービー、東京王冠賞]、黒潮盃
1968年:天皇賞(春)(八大競走)、宝塚記念
※馬齢は旧表記に統一
南関東の王者
父のリンボーは競走馬としてアメリカから輸入され、通算23戦9勝。5歳1月の時にレース中に予後不良級の脱臼を起こしたが、馬運車にリンボーを乗せようとしたときに関節がはまって脱臼が治ったという、日本競馬随一の悪運強い男。母父ハクリヨウは菊花賞、天皇賞(春)を制し、戦後の内国産種牡馬の代表格として活躍。4代母に下総御料牧場の輸入牝馬、種正を持つ。半妹に重賞3勝を挙げながら現役で死亡したタカイホーマがいる。
幼少期の評価は高いものでは無く、脚部不安を抱えており購買価格は70万円、現代で言えば大体300万円くらいで購買され、南関東公営競馬の大井競馬場でデビューする事となった。
そのヒカルタカイ、競走に下ろされるとおっそろしく強い。1966年7月に難なくデビュー勝ちを収めると2戦目にはダート1000mを1分00秒2のレコードタイムで勝つ。取りこぼしもあったものの、全日本3歳優駿と青雲賞の南関東の3歳重要レースを勝利し、3歳時は7戦5勝2着2回と完全連対を果たす。
4歳(1967年)になってからも変わらず、年始のニューイヤーC等は落とすものの、2月以降はランク別戦を2連勝して南関東クラシック路線に乗り込み、黒潮盃、羽田盃、東京ダービーと連勝。夏休みを挟んで3着2回の後に、3冠目の東京王冠賞を制し、史上初の南関東三冠馬となった。年末の東京大賞典は2着に敗れてしまったが、この年は12戦7勝を挙げ、文句なく公営日本一、公営日本一最良の4歳馬に選出された。
中央へ
1968年には新年の新春盃を2着になった後、中央競馬へ移籍。東京競馬場の藤本冨良厩舎へ転厩。
転厩してからはオープンを3つ使うが、相手がカブトシローとかシェスキイとかヤマニリュウとか実績馬揃いだった事あり全て2着と好走するも勝ちきれないレースが続いた。
その後、京都へ遠征し天皇賞(春)へ参戦。鞍上は前年スピードリンボリで同レースを制した野平祐二。
レース当日の京都競馬場は重馬場、9頭立ての1番人気に支持されたヒカルタカイは、道中2~3番手で好位を追走、ヤマニリュウが1週目のホームストレッチで先頭に立ち馬群を引っ張る展開。4コーナーを曲がり直線入口を先頭で迎えると、一気に馬群を5馬身以上突き放し京都の直線を悠々一人旅。
結果、2着馬タイヨウ(ちなみに最低人気)を2秒8差、馬身に換算して17~18馬身差をつけて圧勝。どれくらいかと言えば、ヒカルタカイが入線する前にタイヨウとヤマニリュウの競り合いにカメラが移り、それが5秒以上続いている。詳しくは動画をご覧あれ。
続く宝塚記念は道中3番手の好位を追走し、徐々に進出して直線入口を先頭に立つ。オンワードヒルやシバフジが猛然と襲いかかるが、オンワードヒルを半馬身抑えて勝利。タイムは2分14秒7のレコードタイムであり、天皇賞での「雨天に助けられた圧勝」というイメージを払拭。
その後脚部不安により1968年後半を丸々休養に充て、翌年に復帰するがダートのオープン戦を最後に勝つことは無く、同年12月に引退。1968年に最優秀古馬牡馬に選出された。
引退後に種牡馬入りしたが、報知オールスターカップを勝ったモブスターが代表格と全く活躍できなかった。母父としては桜花賞馬ダイアナソロンや、80年代後半のアラブの名馬ロータリーアイドルを出している。
1990年に27歳で死亡。
ヒカルタカイの主戦騎手にしてミスター競馬と呼ばれた日本屈指のホースマン、野平祐二をして「強いの一言に尽きる」と高い評価をしており、事実天皇賞(春)での大差勝ちは日本競馬史上に残るパフォーマンスであると誰しもが断言できるだろう。
血統表
*リンボー 1949 鹿毛 |
War Admiral 1934 黒鹿毛 |
Man o'War | Fair Play |
Mahubah | |||
Brushup | Sweep | ||
Annette K. | |||
Boojie 1943 鹿毛 |
Boojum | John P. Grier | |
Elf | |||
Foxiana | Stefan the Great | ||
Ister | |||
ホマレタカイ 1960 鹿毛 FNo.5-h |
ハクリヨウ 1950 鹿毛 |
*プリメロ | Blandford |
Athasi | |||
第四バツカナムビユーチー | *ダイオライト | ||
バツカナムビユーチー | |||
シマノオー 1953 鹿毛 |
クモハタ | *トウルヌソル | |
*星旗 | |||
昇正 | *ダイオライト | ||
種正 | |||
競走馬の4代血統表 |
主な産駒
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
南関東三冠馬 | |
南関東限定時代 | ヒカルタカイ(1967年) | ゴールデンリボー(1975年) | ハツシバオー(1978年) | サンオーイ(1983年) | ハナキオー(1986年) | ロジータ(1989年) | トーシンブリザード(2001年) |
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全国交流時代 | ミックファイア(2023年) |
3歳ダート三冠時代 | 達成馬無し |
南関東牝馬三冠 | チャームアスリープ(2006年) |
競馬テンプレート |
公営日本一 | |
サラブレッド | 1960 オンスロート | 1961 サキミドリ | 1962 ダイサンコトブキ | 1963 シンニツケイ | 1964 オリオンホース | 1965 オーシヤチ | 1966 ゴウカイオー | 1967 ヒカルタカイ | 1968 ウエルスダイバー | 1969 ヤシマナシヨナル | 1970 リユウトキツ | 1971 フジプリンス |
アングロアラブ | 1960 センジユ | 1961 センジユ | 1962 ミヤマシユーホー | 1963 ミヤマシユーホー | 1964 アデンバウエル | 1965 アデンバウエル | 1966 オーバマイン | 1967 マスタング | 1968 キクマサ | 1969 センジユスガタ | 1970 グリンバーデー | 1971 ダイニヒロボシ |
競馬テンプレート |
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