ヒャダルコとは、ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの呪文である。
ヒャダイン(歌い手)の女声「ヒャダル子」については「ヒャダイン(歌い手)」を参照。
概要
燃費はシリーズごとに僅かに変化している(ダメージ上限が高いDQ9のみ若干悪化)ものの、概ね同じ。
攻撃範囲も1グループ攻撃で統一されている。
ちなみに戦闘システムが従来のものとは異なるDQ10では範囲攻撃。
沿革
DQ3
DQ3では、中級の範囲呪文としてはベギラマ→ヒャダルコ→イオラと言う習得順。
消費も範囲も別格のイオラはともかくとして、消費MPと範囲が同じであるベギラマがライバルと言えたが、ベギラマと比べると結構恵まれていた感がある。
ベギラマの方が習得が早いという利点はあるものの、ギラ系しか効かない敵はあまりいないがヒャド系しか効かない敵は割と居たので、ヒャダルコどころかヒャド>ベギラマになる状況すらあった。イシス周辺のじごくのハサミはヒャド系しかほぼ効かないものの流石にヒャダルコはオーバーレベルだったが、サマンオサ周辺のキラーアーマーなんかは守備力も高くヒャダルコが活躍する(同地域の魔法オババやコングには逆にヒャド系が中々効かないが)。
そもそも呪文の耐性を殆ど持たない敵に対しては同じ消費と範囲でダメージはベギラマが30~40なのに対しヒャダルコが50~60。
なお船を手に入れた時点で入手可能になるアイテム「いかずちのつえ」を使う事でノーコストベギラマが撃てるため、そういう意味ではベギラマの方が良く使われていたと言えるが、それ以外では概ね中級範囲攻撃≒ヒャダルコであった。
DQ4
DQ3と違って、ヒャダルコとその他の中級呪文を同じ人物が習得する事が無いという点が、良い点にも悪い点にもなっている。
2章ではブライの主力攻撃呪文。
同じ人物が習得しないどころか、ヒャド系以外の攻撃呪文が味方側に一切登場しないため、必然的に呪文で範囲攻撃≒ヒャダルコと言う図式が成り立つ。
実際2章にはそのためにヒャド系に耐性を持っている敵は殆どおらず、また習得レベルもDQ3と比べればだいぶ早いので、これを覚えて雑魚一掃が出来るようになると飛躍的にレベル上げ・金稼ぎの効率が高まる有難い呪文であった。
・・・が、ここまで。
呪文自体は悪くはないものの、5章では数々の攻撃呪文を使うマーニャが参入する(しかも参入時期はブライより早い)ため、ヒャダルコとベギラマやイオラの比較と言うより、マーニャとブライの比較と言う図式でブライ自体が馬車要員になる事が多く、自動的にヒャダルコも日の目を見なくなる。
特にFC版ではAIは補助呪文を全然使ってくれないのに「めいれいさせろ」が無いため、補助+攻撃要員としての価値もほぼゼロ。PS版以降ならめいれいさせろに加え「おれにまかせろ」もあるのでブライはバイキルト要員として可能性が出てくるが、雑魚ならバイキルトを使ってる間に攻撃した方が良く、バイキルトが必要なボス相手だとヒャダルコの出番が無いというジレンマ。
DQ5
引き続きDQ4と同じような図式に。
習得者は主人公の娘の他は一部のモンスターのみで、スライムナイト等のメジャーどころだけ仲間にしてさっさと進むタイプの人にとっては主人公の娘が唯一の使い手である。
主人公の娘はヒャド系とイオ系の他はバイキルト・マホカンタ・ルカナン等の戦闘補助呪文を覚える魔法使い系キャラであり、FC版DQ4と違ってめいれいさせろがあるので補助呪文要員の枠はちゃんと存在するが、なんと母親(ビアンカ・フローラ)がそれらの補助呪文を全て覚えた上にメラゾーマを覚えるという上位互換ぶりなのが逆風。
ビアンカはイオナズンを覚えないため厳密には娘の上位互換足り得ないのだが、フローラはイオナズンも覚えた上にベホイミも覚えて回復っぽいことまで出来るのでこちらはほぼ完全な上位互換である。
そんな訳で、重要人物であるためにルイーダの酒場で一生留守番なんて事にはならないものの、馬車でベンチ要員になっている事が多く、ヒャダルコの出番も必然的に少なかった。出てきてもイオラ撃つ事が多いんだけどね。
DQ6
今回は職業で誰でも習得出来る呪文になったので、習得者自体の使用頻度で日の目を見ないという事は無くなったが、強力なライバルが増えすぎた。
武闘家の特技として「まわしげり」が登場。呪文と違って右の方に行くほどダメージが下がるとは言え消費MPが0であり、本人の攻撃力で威力が伸びるので終盤まで愛用可能。「せいけんづき」の存在もあり、アタッカーを任せるキャラは魔法なんかよりもまず武闘家(その後は戦士を経由しバトルマスター)と言う図式が強かった。
魔法使い自体は★1でメラミを覚えるというよく分からない設定だったので★1だけ経験させておく人は大勢いたが、ヒャダルコは★6なのでそれなりに戦わないと覚えられない。しかもあと2つだけ上げれば(魔法使いマスター)、ベギラゴンを覚える。
フバーハやベホマラーなどは重要度が高いので賢者になるために後衛キャラに魔法使いをマスターさせておく人は多かったと思われるが、ヒャダルコとは別の話。AI任せの戦闘にしておけば状況によってはヒャダルコを使うが、終盤でこごえる吹雪などのブレス系特技を覚えたらもう完全にサヨナラ。
つまりヒャダルコが使い勝手の面でも威力の面でも秀でるタイミングが無く、「他のどれでもなくヒャダルコを使う」理由が無かったのである。
DQ7
引き続き転職システム搭載シリーズとして、DQ6と同じく強力すぎるライバルに活躍の場を奪われる形になる。
まわしげりが健在な上に、戦士+踊り子で覚えられる職歴特技「つるぎのまい」の使い勝手が極めて良く、サポートに徹するキャラ以外(人によっては全員)にまず戦士と踊り子を★5まで経験させて全員でつるぎのまいを連発と言う戦い方が強すぎた。
それ以外にも羊飼い★8の「どとうのひつじ」(ひつじを呼び寄せ4回攻撃、失敗する事もあるがダメージは総じて非常に高い)なども存在し、ヒャダルコに限らず中級の攻撃呪文に出番が殆ど無かったのである。
AI任せの戦闘をしていると、消費0の特技ではなく何故か呪文を使うという事が多々あったためヒャダルコも使われる事があったが、それはヒャダルコが強いからではなくAIの頭がおかしいからであり、そのために雑魚戦でも全員「めいれいさせろ」で強制的につるぎのまいを使わせている人も多かった。
同じ魔法職でも僧侶は攻撃担当の黄金ルート「バトルマスター+パラディン→ゴッドハンド(→勇者)」に必要な職である上、ハッスルダンスを覚えるスーパースターの転職条件が厳しくなったお陰で元々一定はあった需要がいくらか上昇しているが、魔法使いは上記のような攻撃特技の蔓延に加えてヒャダルコを★8でようやく覚えるというレベルダウンまで受けており、ヒャダルコを始めとした攻撃呪文全般が冬の時代だったと言える。
DQ9以降
こうげき魔力の登場により、ダメージ量が増加するようになった。こうげき魔力が999になると142~158のダメージを与えられる。
漫画作品のヒャダルコ
様々なドラクエ系漫画にも登場。
中でもマヒャドでなく「ヒャダルコ」が使われた作品は「ダイの大冒険」であろうか。
主人公の一人であるポップは主にメラ系・ヒャド系の呪文を使うが、メラ系の方がやや素養が高く、単行本のステータス画面ページではメラ系はメラゾーマまで使えるもののヒャド系はヒャダルコまでしか使えていなかった(実際劇中でもそこまでしか使っていない)。設定上では最終的にヒャダインまで使えるようになっていたとかいう話があったりなかったりするが、劇中ではとにかくヒャダルコだった。
他キャラがヒャダインやマヒャド等をぶっ放す中、最後まで氷系呪文はヒャダルコで貫いたポップは最終的に人間では世界最高クラスの魔法使いにまで成長し、呪文自体の威力が他の人間よりも遥かに強くなる。その威力は魔界の炎を召喚して相手を焼き尽くすトラップの炎を、内側の中心点からヒャダルコで押し止めるほど。なおレオナ姫が外側から同じヒャダルコを撃ち込んだ際は、何の効果も及ぼす事無く一番外側で弾かれてしまい、本人が「私とポップ君じゃ呪文の威力が全然違う」と発言している。
もっともこれらの事はヒャダルコが凄いのではなくポップが凄いのだが、その凄い奴に最後まで使われ続けたヒャダルコは恵まれていると言える。
取得者
シリーズ | 消費MP | ダメージ | 取得者 |
---|---|---|---|
DQ3 | 6 | 1グループに約50ダメージ | 魔法使い・賢者(Lv,20) |
DQ4 | 5 | 1グループに約40ダメージ | ブライ(Lv.11) |
DQ5 | 5 | 1グループに約50ダメージ | 主人公の娘(Lv.14) アンクルホーン(Lv.1)、ネーレウス(Lv.1) ブリザードマン(Lv.12)、イエティ(Lv.15) しびれくらげ(Lv.30)、プリズニャン(Lv.16) |
DQ6 | 5 | 1グループに約40ダメージ | 魔法使い(★6) |
DQ7 | 5 | 1グループに約50ダメージ | 魔法使い(★8) しにがみきぞく(★3)、ダークビショップ(★6) |
DQ8 | 5 | 1グループに約50ダメージ | ゼシカ(Lv.16) |
DQ9 | 8 | 1グループに50~ダメージ | 魔法使い・旅芸人(Lv.16) |
DQ10 | 8 | 対象と周囲の敵に50~ダメージ | 魔法使い(Lv.24) 旅芸人(Lv.25) |
DQ11 | 8 | 1グループに40~ダメージ | ベロニカ(Lv.26)、ロウ(最初から) |
関連コミュニティ
関連項目
ヒャド系 |
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ヒャド - ヒャダルコ - ヒャダイン - マヒャド - マヒャデドス |
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