ヒュンケルとは、漫画「DRAGON QUEST -ダイの大冒険-」に登場するキャラクターである。
CV:堀秀行(1991)、梶裕貴(2020)
概要
元魔王軍不死騎団長でアバンの使徒長兄でもある魔剣戦士。21歳。
孤児になっていたところを、旧魔王軍の地獄の騎士バルトスに拾われ育てられていたが、当時の勇者であったアバンに父が殺されたと誤解した事から彼に恨みを持つ様になる。
以後復讐の為にアバンに師事、卒業時に彼を殺害しようとするが失敗し川に投げ出された所を魔影参謀ミストバーンに救われ、以降は彼に師事していた。
魔王軍不死騎団長となりパプニカを壊滅、支配下においていた所にバーンからダイ抹殺の勅命が下り、ダイ一行と戦い一度は圧倒するものの、地底魔城内の闘技場に於ける戦いで魔法剣を編み出したダイに敗北。
その際に父の死の真相を知った事と、マァムの慈愛の心に触れた事で改心。
以後はアバンの使徒長兄として魔王軍と戦う事となる。
物語終盤に於いて発動した「大破邪呪文(ミナカトール)」に必要な「5つの魂」の一角となり、その時の魂の象徴が「闘志」であった事から「闘志の使徒」と呼ばれる事もあり、彼のチート級とも言える不死身ぶりも闘志から来るものである。
作者によれば「ヒュンケル」という名前は「ヒュンと剣を振る」イメージから名付けたとのこと。
主な技
- アバン流刀殺法、及び槍殺法
アバン流殺法は剣技の他にも槍・斧・弓・鎖・素手の合わせて6系統に分かれており、それぞれが地・海・空の3種の技を持つ。地は力、海は速度、空は闘気の技を表す。
ヒュンケルは本来剣士であるが、鎧の魔剣が消滅した際にラーハルトの鎧の魔槍を受け継いで使用しており、その際に槍殺法も習得している。 - アバンストラッシュ
武器を逆手に持ち一気に振り抜く必殺技。殺法の地・海・空が3つ揃って初めて完成する技である。
ヒュンケルはアバン流刀殺法を学んでいた時はアバンへの復讐に取り付かれており、その邪念から地と海の技しか体得できなかったため、ダイたちの仲間になってしばらくするまでは使いこなす事が出来ない技だった。
ダイたちの仲間となり光の闘気に目覚め、アバン流槍殺法・虚空閃(空の技)を体得してからは、地・海・空の3拍子揃った完成版アバンストラッシュを扱う事が出来るようになった。
ただし、ヒュンケルはそれまでに魔王の手先として人々を苦してきた過去や、アバンの事を誤解して敵と狙っていた経緯からか、自身がアバンストラッシュを使う事を戒めている(単行本おまけページ)。
そのため彼がアバンストラッシュを使ったのは、魔王軍時代にダイたちと戦った際にあてつけとして使われた未完成のアバンストラッシュの一度きりである。余談であるが、劇場版で使用したこともある。 - ブラッディースクライド
ヒュンケルがアバンに引導を渡すために編み出した技。
剣(槍)を高速回転させつつ抉り込む様に放つ突き技であり、その威力は絶大なものがある。
作中でも止めの一撃としてよく使用していた。 - 闘魔傀儡掌
ミストバーンから伝授された暗黒闘気技。相手を暗黒闘気で拘束、マリオネットの様に操る技で本来は骸を操るためのものである。ヒュンケルはブラッディースクライドで確実に止めを刺す為の補助として使用していた。
ダイたちの仲間になってからは鬼岩城編でミストバーンに一度使っただけである。 - グランドクルス
十字架型の何かに闘気を集約し放出するヒュンケル最大の必殺技。クルス(十字架)の名の通り、地面に十字型の大穴が開いてしまうほどの威力がある。
元々は、アバンとの修行時代に伝授された闘気技である。剣を封じられた際に闘う最後の手段としての技だが、闘気の放出はコントロールが難しく、下手をすると必要以上に闘気を放出してしまい、自爆技になってしまうというリスクがあったため、アバンは「かなり小さめに放つのがコツ」と教えていた(それでもアバンは身長の倍以上あろうかと言う大岩を砕いていたが)。
ヒュンケルは最初この技をアバンに教えられた際は「剣だけで相手を確実に仕留めれば必要が無い」として真面目に学ぼうとしていなかったが、ハドラー戦で追い詰められた際にこれを思い出し、剣の鍔に闘気を集中させ、闘気を放出。ハドラーに直撃する事は無かったが、地面に巨大な十字型の亀裂を生み出し、ハドラーを恐怖させるに至った。この時ヒュンケルは闘気放出の反動から意識を失っており、グランドクルスを回避したハドラーに首を落とされそうになるが、直前で覚醒、ハドラーに僅差で勝利する。
この戦いの経験から、ヒュンケルは闘気を最大限に放出しつつも自らも生き残る呼吸を習得、グランドクルスと言う必殺技として完成を見る。
バーンパレスでの闘いの際は1日で合計3発も放つなどかなり安定しているが、3発目は闘気集束にかなり遅れが発生して発射前にヒムに潰されている事から、2発までなら安定して使用できるようである。
なお、闘気を集約させて放つだけならば、闘気の扱いに多少の心得がある者なら誰でも出来るが、上記の通り高確率で自爆技になる。バーンパレス魔力炉炉心からの脱出のためにグランドクルスを使う事になった際、アバンが名乗り出た事に対して(グランドクルスとして求められている威力で使うと)アバンだと確実に自爆して死ぬ、とヒュンケルは断言している。結局はヒムが使って魔力炉からの脱出を果たしたが、ヒムは両腕を大破させてしまった。 - 無刀陣
アバン流の奥義。自らを無として相手の攻撃を受け流した直後に反撃に転ずるカウンター技である。
ヒムとの戦いではこれを応用してオリハルコンを素手で砕くという離れ業をやっている。
武器
- 鎧の魔剣
ロン・ベルク作による鞘の部分が「鎧化(アムド)」の呪文で鎧となる剣。防御力を重点に置いた全身鎧であり、隙間らしい隙間は殆ど見当たらない。生きている魔剣であり、鎧の傷ならば放っておいても自己修復し、また持ち主を自らの意思で選ぶ。
鎧の材質に使われている金属が殆どの呪文を弾く性質を持っており、作中でも殆どの呪文を無力化している。ただし金属であるため、呪文といえど電撃(デイン系)だけは防げない。
なおこの材質の金属は、ロン・ベルクいわく「地上でオリハルコンの次に硬い金属」との事だが、ハドラーの地獄の爪には貫かれてしまった他、バランとの戦いで丸腰のダイに剣部分を貸し与えた際、フルパワーのライデインストラッシュに耐えられずに一度放っただけで刀身が消滅してしまった。 - 鎧の魔槍
こちらも同じくロン・ベルク作によるもので、元々は陸戦騎ラーハルトが使用していた。
鎧の魔剣との違いは機動性を重視した軽装鎧である点や、多彩な仕込み武器を内蔵している点である。
ラーハルトから形見として譲り受けた武器で、以後はこちらを使用していた。
終盤には改良を受け、より機能的な武器として生まれ変わっている。
父の死の真相
彼の養父であったバルトスを倒したのはアバンではなくハドラーである。
アバンをハドラーの下へ行かせるという失態を犯した為に処刑されており、その際に「失敗作」「不良品」と罵倒されていた。
地底魔城に秘匿されていた魂の貝殻によりその事実を知る事になるも、直後は受け入れられなかったが、ダイに敗れた後にこの事実を受け入れる。フレイザードの乱入により地底魔城と運命を共にする所をクロコダインに救われ、以後贖罪のために魔王軍と戦う決意を固めるのである。
なお、バルジ島に於いてハドラーと戦っており、一度は彼を倒している。
不死身の男
最大の特徴は「敵から寝返り、不死身と呼ばれ、暗黒の力で戦う、主人公より強めに設定されたキャラ」という設定、おまけに「俺に任せてお前達は先に行け」なシーンがあったりと、どう考えても死亡フラグの塊というキャラであり、実際作中で幾度も致命傷を負ったり主人公を庇ったり行方不明になったりするのだが、結局は最後の最後まで戦い抜いたキャラクター。
原作中でHP1の状態で死なずに敵を倒したことをはじめ、死亡フラグどころかどう考えても死んでるだろこれという状況でも死ななかったそのしぶとさは最早ネタレベルであり、作者自身も彼を自然な展開で死亡させるパターンを完全に失ったのではないかと思われるほどである。
どんな死亡フラグも効果が無い正真正銘の不死身キャラと言って間違いない。
そのため、これが転じて死にそうで死なないTAS動画や格闘ゲームなどのタグに付けられる事がある。
関連動画
※「死にそうで死なない」ネタのタグとして「ヒュンケル」が使われた動画の一例
関連項目
無関連項目
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